Aが自由題で書いた詩を投稿します。
余寒
読む前から冷めている指先が
手に取ることも開くこともせず
すっと詩集をこちらへ滑らせ
詩を詩の方へ押し戻す
急いで鞄に隠し蓋を閉めたが
落ち着かない膝からずり落ちた
詩集の入った鞄を拾い上げて
ここを出立することにする
水たまりをよけずに
自前の足で旅しよう
長い雨が降って耳の中の砂は湿っている
歩調に合わせて濁音が揺れている
余寒
読む前から冷めている指先が
手に取ることも開くこともせず
すっと詩集をこちらへ滑らせ
詩を詩の方へ押し戻す
急いで鞄に隠し蓋を閉めたが
落ち着かない膝からずり落ちた
詩集の入った鞄を拾い上げて
ここを出立することにする
水たまりをよけずに
自前の足で旅しよう
長い雨が降って耳の中の砂は湿っている
歩調に合わせて濁音が揺れている