湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

年末俳句

2023-12-30 14:45:28 | 文学

もう年越蕎麦食べちゃってスパイシーチキンでもう飲んじゃいました@石臼そば。

年末の情景を詠んだ名句を2句。

プレバト!2019年冬麗戦から、村上健志作。

抜型を重ねて仕事納めかな 

逗子に暮らした俳人、草間時彦作。

雨ぬくき一夜ありけり年の暮

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古の詩パート1

2023-12-28 20:19:37 | オリジナル

 ヨルノヨ2023@横浜大さん橋

新しい共通テーマ「古」でAが書いた詩を投稿します。

古びたエピソード

 

たとえばトラウマとか

たとえば恋バナとか

過ぎたことを語る時

その時点の心もちには

白いもやがかかっている

ありあわせの凡庸な言葉で

開陳するくらいなら

口をつぐんだ方がまし

何度も話したことならなおさらだ

過去がわたしを形作っているとしても

今ここにしかいないわたしが

古びたエピソードを

広げなくたっていいだろう

 

君と出逢った時のことも

ありきたりの言葉を

繰り返すだけになるから

黙って動悸を少し早める

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敦の場所in横浜外国人墓地

2023-12-27 16:00:15 | 文学

山手の外国人墓地。(公財)横浜外国人墓地が、毎年2~7月と9~12月の土・日・祭日に募金のための一般公開をしています。

この中に次のように記された石碑が建っています。

かめれおん日記(敦の場所)
小説家、中島敦(1909~42)は、昭和8年から16年まで私立横浜高等女学校(現横浜学園)の国語教師を勤めた。
元町や山手の丘は敦のよく散歩する道であり、外人墓地もよく訪れた。作品『かめれおん日記』には「スィドモア氏の碑の前に腰を下ろす」とあり、散歩の途中ここで休み、港の景色を眺めたことがうかがわれる。

上の面には中島敦の短歌が刻まれています。

朝曇りこの墓原に吾がゐれは汽笛どよもし船行くが見ゆ

歌碑が建っているのはシドモア家の墓の傍ら。中島敦は散歩中この墓の前によく腰をおろしていたんですね。

案内パンフによるとシドモア女史は「米ポトマック河畔への日本の桜の移植に尽力した文筆家」だそうです。

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次の湘南文芸

2023-12-24 17:24:10 | 文学

Merry Christmas

 昨日開催された山手イタリア山庭園キャンドルガーデンコンサート

来年1月の湘南文芸は次のように決まりました。

日時 1月24日(水)14:00~

場所 逗子市民交流センター1階

テーマ「古」「楽」「日」

提出締切 1月21日

来年もよろしくお願いします。

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太るの詩パート4

2023-12-23 09:32:57 | イベント
共通テーマ「太る」でZが書いた詩を投稿します。
腹囲 
 
健康診断のたび
巻き尺で腹周りを測られる
年ごと 腹周りは大きくなった
 
俺が大食漢ということではないのだが
きっと腹の中には 今まで消化できてこなかった
希望 絶望 欲望の塊が こびり付いているからなのだ
 
そうして今では躰に同化してしまった
かなわなかった希望 中途半端な絶望 捨てられなかった欲望
そんなもので一段と太くなった腹周り
来年の数値が楽しみだ
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嘘の詩パート1

2023-12-22 08:46:50 | オリジナル
共通テーマ「嘘」でZが書いた詩を投稿します。
騙しのテクニック 
 
小心者の俺だから
小さな嘘にも 大きな嘘にも
だまされてしまう
 
小さな嘘なら すぐに気がつくが
大きな嘘に 気が付くのに
50年も費やしてしまった
 
だまされたと 気がつくまでに
半世紀も費やしてしまった俺だから
嘘ついた あいつを指さして
「だましやがって」と 言おうとしたら
あいつは 既に鬼籍にいた
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表情の詩パート3

2023-12-21 06:30:29 | オリジナル
共通テーマ「表情」でZが書いた詩を投稿します。
媚び 
 
「おはようございます。」なんて
言いたくもないあいつに
精一杯媚びを作り
椅子に腰掛け 茶をすすって何十年
 
今日のご機嫌はどう?
あいつを横目で見ながら
あいつの怒りの矛先が
俺にこないでくれと ピクピクし
金を稼いできた何十年
 
でも あいつに酷く怒鳴られたあの日から
あいつに媚びうるなんて 止めた 止めた
 
それからというものの
自分の足下を固めて
俺は 俺になることにした
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表情の詩パート2

2023-12-20 09:48:29 | オリジナル

共通テーマ「表情」でTが書いた詩を投稿します。

阿修羅


誰もいない夏の日
国宝館はまだ素朴で
展示物には囲いもなかった

くぎ付けになった像の表情は
いろいろな顔に見えた
想いを届けられない女性の顔にも
突然自分を見つめ始めた少年の顔にも
途惑いながら未来を決めた青年の顔にも
奇妙な三面六臂の腕も胴も細く
思わず触れてしまった

千二百年の間 幾多の火災の中を
僧侶たちに助け出された像は
力強く脈を打っていた

今はきれいになった国宝館の中で
触ることはできないが
あの時と同じ鼓動はケースの外まで聴こえる

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太るの詩パート3

2023-12-19 06:10:02 | オリジナル

共通テーマ「太る」でTが書いた詩を投稿します。

籠りびと


怪物は夕方に出てくる
イヤホンをつけて
真っすぐ前を向いて
他人は眼中にない
ぶくぶくと太って歩きにくそうだ
二十才の若さはない
昼間はゲームとユーチューブ
夕食だけ好きなものを外食でタラフク喰う
歩き始めると
異様な気配で皆が道を開ける
親も人間にするのを諦めたのか
しばしば怪物を置いて旅行に行く

小さい時は普通に可愛かった
いつから変化したのか
人の言葉を思い出して話してほしい
自分自身でしか人間に戻れないのだ
怪物の哀しみは他人には分からないのだから

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末の詩パート1

2023-12-18 17:15:05 | オリジナル

共通テーマ「末」でZが書いた詩を投稿します。神武寺の紅葉の写真もZの撮影です。

来る年 

来て欲しいものは こなくて
来なけりゃいいものは 来てしまった今年
描いていたのとは
真逆の今年の暮れ
 
それでも必ず来る 新年
来年こそ 来て欲しいものは
来て欲しいし
来ないで欲しいものは 来ないで欲しい
 
未来と書くには 間近に迫った来年
焦らないで 転ばないで
迎えてみよう辰の年
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