湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

「勘違い」の詩パート8

2015-06-29 00:00:27 | オリジナル
今日はTの勘違い詩を投稿します。イラストもTの作品です。

     老女

広い駐車場の向こうは夏
手持ちぶさたの風力計は
天の蒼の中で少し揺れる
美術館は巨大なあくびをして影を踏む

青い葉脈の裏側に
発火しそうな想いを隠して
訪れる人を待っている

地下道の入り口で
小便小僧のような若者たちのざわめきが広がる
他の大勢の人達は
葬列に参加しているみたいに
いやに静かに歩いている

今だけど違う時間だ
いつかの

木陰に置かれた車椅子に乗せられて
私は私の時間を探している 夢の中

「勘違い」の詩は7月6日(月)14:00~17:00に逗子市民交流センター1階市民活動スペースで行う合評会で取り上げます。
合評会は、飛び入り参加や見学も歓迎。途中からでもOKです。
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「勘違い」の詩パート7

2015-06-28 03:21:16 | オリジナル
共通テーマ「勘違い」でAが書いた詩を投稿します。

CUPLE

理想の
恋の
夢の
ゴールの
愛の
日常の
安定の
幸福の
崩壊の
恐怖の
ストレス
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ウォーターパークでオノマトペ

2015-06-26 16:37:47 | 

海開きで今日は無料開放でした。明日から子供1000円大人1500円。↓受付はここ。ハイホームの前の浜です。8月30日まで。

今日体験してみたんだけど、沖の遊具の所まで自力で行って帰ってくるだけで、おばちゃんにはこたえます。
スプラッシュウォーターパークのキャッチコピーは ばっしゃーん!上陸。 「ばっしゃーん」というオノマトペを使っていますね。
前回の「湿」の詩の合評では、Aの詩に多く使われていた下記のようなオノマトペが問題になりました。
びしょびしょの暗がり
ぐっしょり重く
ぐちゃぐちゃのぬかるみ
ドロドロの泥沼

T こういう擬音語・擬態語の使い方は、重たい女って感じ
M オノマトペは上品ではないわね
E えー、擬音使っちゃだめなの?「プクプクした頬」とか「ベットリしたしめりけ」とか、無意識の内に普通に使っちゃいました
A 「海 陸」の海神の声「ばぞーん ざぞぞぞーん」という部分は、意識的にありきたりの擬音にならないように書いたんですけど…
M ちょっと中原中也的だわね~
詩にオノマトペを使うときは、かなりの注意が必要ってことですね
いっそのことオノマトペだけの詩にしちゃうとか。既に実際に、そういう詩があります。

夜の時 大手拓次
ちろ そろ ちろそろ
そろ そろ そろ
そる そる そる
ちろちろちろ
され され されされされされされ
びるびるびるびる びる


夜の草むらで、なにかが怪しくうごめいている感じが出ていますね。
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書店員の残念なご案内

2015-06-25 00:38:02 | 
逗子湾内でシラス漁


駅前の書店で、Mが尋ねました。「現代詩手帖はありますか?」
店員さん、すかさず文具売場の手帳コーナーを案内しましたとさ。
このエピソードを聞いて、次の詩を思い出しました。

詩集と刺繍  茨木のり子

詩集のコーナーはどこですか
勇を鼓して尋ねたらば
東京堂の店員はさっさと案内してくれたのである
刺繍の本のぎっしりつまった一角へ

そこではたと気づいたことは
詩集と刺繍
音だけならばまったくおなじ
ゆえに彼は間違っていない

けれど
女が尋ねたししゅうならば
刺繍とのみ思い込んだのは
正しいか しくないか
礼を言って
見たくもない図案集など
ぱらぱらめくる羽目になり
既に刺繍を探す意志は砕けた

二つのししゅうの共通点は
共にこれ
天下に隠れもなき無用の長物
さりとて絶滅も不可能のしろもの
たとえ禁止令が出たとしても
下着に刺繍するひとは絶えないだろう
言葉で何かを刺しかがらんとする者を根だやしにもできないさ
せめてもとニカッと笑って店を出る


だいたい、ちゃんと詩集の棚に辿りつけたとしても少なくて偏った品揃えだしさ~
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シニカル海水浴

2015-06-24 00:09:38 | 文学

夕方ふと逗子湾を見たら「逗子ビーチスプラッシュウォーターパーク」が姿を現し始めていました。関東地方でいちばん早い海水浴場開きは、もう今週末なんですね。
昨年は日本一厳しい海水浴条例が鵜の目鷹の目なマスコミの格好の餌食になり、海水浴客は激減。今年はどうなるんでしょうね

穂村弘のデビュー歌集「シンジケート」から、海をモチーフにした短歌を3首ほど、ご紹介します。
「海にでも沈めなさいよそんなもの魚がお家にすればいいのよ」
なきながら跳んだ海豚はまっ青な空に頭突きをくらわすつもり
砂の城なみうちぎわにたてられてさらわれてゆく門番ふたり

不穏です。そして破天荒な短歌です。
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「勘違い」の詩パート6

2015-06-23 01:14:46 | オリジナル
遠近法消失点が見えるマボチョク(馬堀海岸直線道路)の景色。


今日は共通テーマ「勘違い」でMが書いた詩を投稿します。

    断層

この雄のネコのときも
気がつくと
抱いていて
困惑なんかしてなかった
木が立っているのに似ていたけれど
寄ってくるものは
かわいくて
どうなってるのときかれても
こうなってるとしかへんじできない
たとえば当事者である
このネコと私の関係が
随分骨の折れるものだとしても
そうではないかもしれないし
そのようではあるけれどそんなにしてまで
どうしても愛をしなくてはならないのか
あいまいにしてはいけない
そのへんの問いかけを
全然しなかったわけでもない
何だか空気みたいだけれど
空気にだって深刻さはあるし
なしではすまない
私だけの透明な時間が君にはわからない
あのときも気がつくと夜になっていて
私はすこし泣いた

泣くだけの大いなるものがあるのかないのか
力を込めて何を行えばよいのかときかれても
何だっていいとしかいえなかった
君のいう愛に於ける女性の陰謀など知らない
くどくど思い悩んでいる君に
寝ることにそんなに重きをおくのは中学生みたいなんていわなかった 
素晴らしいオーヴァーコートの襟を高く立て
カサカサと枯葉を踏んで
淋しい並木道を鋭い遠近法の焦点の方へ
消えていくような恋
いや もう沢山です
突然そんなことをいいだして
僕を愛さないで!という顔
あの顔

身震いなんかしなかった
君が二十歳前後なら
女性の心と体に驚きを持って
接するだろうけれど
いまは私だって…………
仮にこのネコと君とに何かあっても
捨て身になんかならないし
ネコがおもしろくて
しょうがないというわけでもない


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「勘違い」の詩パート5

2015-06-22 06:00:28 | オリジナル
共通テーマ「勘違い」でAが書いた詩を投稿します。


    困惑相談所

うちの息子の転職と交際を
やめさせるにはどうしたらいいんでしょうか
という相談を受けた

勤め先は優良安定企業
その中でも息子はエリートコースを歩んでいる
いい職場で優遇されているのに
転職するなんて

若い娘に人気があって
息子は交際相手に不自由したことがない
いくらでもいい結婚ができるのに
あんな娘と付き合うなんて

親御さんの困った顔に同調しているのではない
エリートでモテモテという定義を
頭から否定したら失礼だから困っているのだ


   この詩は7月6日(月)14:00~市民交流センターで行う合評会で取り上げます。
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「勘違い」の詩パート4

2015-06-21 20:41:02 | オリジナル
 
↑CAN-ZILLA follow me    by Flip‐Flop   葉山元町で

共通テーマ「勘違い」でEが書いた詩を投稿します。

ゲームのゆくえ

―思い上がりの勘違いほど
 恐ろしいことはない―

想像出来えない世界?
いいえ違います
七〇年前におきた出来事
核によって
消滅した人々・住居・電車・橋・商店街
消滅した未来・夢・愛・希望
傷は現在も続く
悶え苦しんだ あなたの心に
焼けた大地を歩いた 幼子の心に
忘れてはいけない
静かに目を閉じて 想像する事を
そして そして そして そして
許してはいけない
いまだに 核投下によって
あの戦争を終わらせたのだと
嘘を言い続ける男達は
焦熱の実験場にした大地から
観察記録をカードにし
ホクホクとした嬉しい気持ちを心に隠し
スマートフォンを
指先でカンタンにあけるように
核のボタンを押そうとしている
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渚ホテルの朝食

2015-06-20 00:40:59 | 湘南

江藤淳の随筆集「渚ホテルの朝食」の中から、本のタイトルになったエッセイの一部を引用します。
渚ホテルからは海水着のままで海に行けるようになっていた。それも気分を浮き立たせる一因だったが、それ以上に昂奮させられたのは、浜辺の磯の香りとホテルのなかの匂いとの対照だった。
 ホテルの匂い、これこそきっと西洋の匂いというものに違いない。それは一歩渚ホテルに足を踏み入れた瞬間から、あたりに充満していた。部屋のベッドにも、バス・ルームの西洋式のバス・タブにも、日常自分の周囲に漂っているのとは異質な匂いがあり、それが譬えようもなく快かった。
 ひょっとすると、それは、洗濯が行き届いてアイロンの利いた、リネンの匂いに還元されるものだったかも知れない。翌日の朝、ダイニング・ルームに行くと、眼の前に置かれた純白のナプキンから、まさにその匂いが漂い出しているように思われたからである。
 永橋為成さん描く逗子なぎさホテル
嗅覚が刺激される文章です。上の絵を描いた永橋さんと共に逗子文化の会で重要な役割を担っている田中さんは、なぎさホテルで結婚式を挙げたのだそうです。
文芸評論家・江藤淳(1932~1999年)は、湘南中学で石原慎太郎の一級下でした。昭和55年から亡くなるまで、鎌倉西御門に居住しました。
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明日とあさってはエコフリマ

2015-06-19 11:02:20 | イベント
毎年、環境月間の6月に開催されるエコフリーマーケット。

今までは亀岡八幡宮境内でやっていましたが、今年は文化プラザのフェスティバルパーク(交流センターと逗子小学校の間の広場)に場所を移して開催されます。
日時は6月20日(土)・21日(日)10:00~15:00
 
↑フェスティバルパーク

私たちの会も、逗子小寄り手前端っこに出店します。

共通テーマで詩を書いて楽しく語り合いましょう 湘南文芸TAK

現代詩を一緒に書いていくことを目的に逗葉文芸サークルの中から2014年
に発生したサークルです。メンバーは詩誌や新聞に掲載されたり詩集を出したり
した経験があり、講師はいませんが、適切な批評を交換できます。
地域に詩を書く仲間と詩作の動機をもつことで、各々が自分のペースで日常
生活の中で創作を続けることができます。

例会:逗子市民交流センター1階市民活動スペースで、毎月1回3時間程度(何回でも見学可)
   日時は次回参加予定者で合議の上、前月に決定し会のブログ(「湘南文芸」で検索)で告知します
   次回は7月6日(月)14:00~
活動内容:共通テーマで執筆した詩作品の合評会を毎月開催

…というようなチラシを用意しておくので、詩の創作・合評会に興味のある方はお声をかけてくださいね!
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