湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

知の詩パート1

2021-10-31 18:23:15 | オリジナル
共通テーマ「知」でEが書いた詩を投稿します。

知るということ

人間にはいろいろな定義がある
ホモ サピエンス(賢い)
ホモ ポリティコン(社会的)
ホモ ルーデンス(遊び)

それぞれ誤りではないが
みな楽観的で その点
お気らくと言っていい
身につまされる定義は

人は死すべき存在で かつ
それを知らされているということ
幼児の意識は
死の自覚とともに始る

人の一生は
死の恐怖と同行二人
若い時分は多忙にまぎれても
老い至れば刃は背中につきささる

時とともに切っ先は
深く肉にくいこみ
疼痛は寸時も忘却を許さない
知るということは 不幸だ
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引っかかるの詩パート3

2021-10-30 16:46:24 | オリジナル
共通テーマ「引っかかる」でEが書いた詩を投稿します。

ひっかかる

若者が投票に行かない
なぜなのだろう
どうにもひっかかる

一票ではどうせ何も変らないよ
その裏にある
なんとかなるさの傲慢と投げやり

それでいて現実は
結婚すらできない稼ぎの乏しさ
このまゝでいいはずはない

権力者は語らないが
四年に一度の一票を心底おそれている
君らは弱点をにぎっているのだ

――なぜ行使しないのか
  怠慢 それとも
  無知
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慰めの詩パート3

2021-10-29 11:23:28 | オリジナル
共通テーマ「慰め」でTが書いた詩を投稿します。

私の街

ホトトギスの花が
地につきそうに揺れている
道で幼稚園時代の先生に会った
「みちこちゃん」
なつかしいひびき
もう誰も言ってはくれない呼び名
無彩色な内奥に
明るい色が浮き出た

いつのまにか
全てが整備され
商店街もきれいになった
それらは現在(いま)また
古くなり始めている街
どこを歩いても
その時々の私がいる
回想シーンを見るように

日常は時々
地につきそうに揺れる
街に内包されている私の73年
に励まされている今
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11月の湘南句会

2021-10-28 14:22:42 | 文学
来月の兼題は切干と、文字や文の並びとしての(一行、行数、行間、改行など)に決まりました。
句会の日時場所は次の通りです。
11月14日(日)15:00~@逗子市民交流センター1階
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句集「つちふる」

2021-10-27 14:27:50 | 文学
逗子市浄水管理センター敷地内にも秋の野原が広がってます。

NHK俳句の司会もしているエッセイスト岸本葉子さんの第一句集「つちふる」を読みました。
新型コロナウイルス蔓延による在宅時間増加と、自身の還暦というふたつの機会が重なってできた一冊。
8章それぞれのタイトルは、収められた句から採られており、第Ⅶ章のタイトルが句集のタイトルにもなっています。
季語を書名にした句集ってあまり見ないけれど、すっきり潔い感じ。
各章の標題になった句を抜き出してみました。
Ⅰ 対岸     対岸のことに明るき紅葉かな 
Ⅱ 水の重さ   釣忍水の重さの加はりぬ
Ⅲ もの炊く匂ひ 叢林にもの炊く匂ひ夏のくれ
Ⅳ だらだら坂  蓑虫の啼くはだらだら坂の果て
Ⅴ 方位磁石   月夜茸方位磁石の回り出す
Ⅵ 人のかたち  黒南風や人のかたちの雨具着け
Ⅶ つちふる   つちふるや汀の線のかく歪つ
Ⅷ 自画像    自画像の右の眼に秋の蝶
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逗子で海ぶどう!

2021-10-26 23:33:00 | 湘南
昨日テレビ東京で放送された「昼めし旅」に、逗子のトラットリア ラ ヴェルデのオーナーシェフ座間さんが出てました。
漁師でもある彼は、小坪で海ぶどうの養殖を始めたんだとか。小坪産海ぶどう、食べてみたい

↓海ぶどうサラダ、アカモク入りタコ飯、伊勢海老の味噌汁と、逗子の海の恵みたっぷりのまかない飯。

秋だからよけいに食欲が刺激されちゃいました。
先日のカナブン入選句から一句。
十月の厨に握り飯の山
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慰めの詩パート2

2021-10-25 17:49:12 | オリジナル
共通テーマ「慰め」でEが書いた詩を投稿します。

なぐさめ

人が生きるとは
かなしみの同義 背中合わせ

なぐさめが わずかだが かなしみを
一時いやしてくれる

大病を病み 入院すれば
それが身にしみる

看護師のなにげないしぐさに
命がほっと ためいきをつく
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慰めの詩パート1

2021-10-22 21:12:51 | オリジナル
共通テーマ「慰め」でAが書いた詩を投稿します。

浸透
癒えることなどない心
命は残るが記憶が途絶える
そんな日が来たときは
知らぬ間に
言葉など要らぬ
明けの空に浸され
誰かに何かを強いることも知覚せず
無窮の 無窮の 最後の幸福に
癒えることなどない心が
浸されていくだろう
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秋の季語「芋虫」

2021-10-20 19:07:31 | 文学
秋の季語「稲架」をレンズでキャッチ@名越緑地

こうしたいかにも秋という季語じゃないものを詠もうということで「芋虫」に挑戦。
カナブン俳句教室で本選に入りました。
芋虫を煮てしまひけり湯切笊
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引っかかるの詩パート2

2021-10-18 18:19:34 | オリジナル
共通テーマ「引っかかる」でTが書いた詩を投稿します。

 うすれない記憶
 イチジクの枝と枝の間に
 クモの巣
 小さな虫二匹とかすかに動いているシジミ蝶
 がひっかかっている
 夕方色の空を
 飛行機雲が切り裂いていく
 この世界をもう一緒に見ることのできない
 友との記憶は
 年々 鮮明になるばかりだ
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