湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

個性的プレバト句

2016-09-30 00:00:09 | 文学
この3日間、写真が花シリーズになってますけど…
 今日はコスモス。
昨日オンエアのプレバト!! 俳句の才能査定ランキングで「コスモス畑」のお題から生まれたユニークな秀句を紹介したいからさ!
まず特待生3級から2級にワンランク昇格した東国原英夫作品。 大拍手空舞うコスモスのブーケ
結婚式のブーケトスまで飛躍させた発想力と、擬人法の「舞う」の置き方が評価されました。爽やかな幸福感が出てますよね。
もう一句、才能アリ1位に輝いたフルーツポンチ村上作。 コスモスや女子を名字でよぶ男子
「女子」「男子」という言葉が効果的。学校の気分を出し、韻の響きも生んでます。異性を意識し始める微妙な年代の心理を見事に切り取っています。
ありきたりな発想を抽象的な言葉で表現しがちな凡人や才能ナシとは明らかに違う、個性と具体性だね。
これ以外ありえない形になっているので、2作とも毒舌先生の直しはありませんでした。 

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目盛りの詩パート9

2016-09-29 16:27:15 | オリジナル
共通テーマ「目盛り」でAが書いた詩を投稿します。

寸足らず

唇 舌 喉から
向こうの景色が見えて
目玉が洪水を起こす
僕のあくびと涙を咎め
君は雑に羽を震わせた

透けている君を通り抜け
全速で逃げ帰る
そこには
鏡を見ながら
飽きずに
しゃべりつづける君がいた

君のおしゃべりを愛せない
僕のほうが
寸足らずなのだと
君が言うのなら
そうなのだろう
僕は対話の核心を探し
こめかみを痛めている

鏡を割りたい
舌をつかみ出したい
羽をもぎたい
大きくて透けていて
目盛りが緩んでいる君の
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幻の詩パート4

2016-09-28 00:00:08 | オリジナル
共通テーマ「幻」でSが書いた詩を投稿します。

はかないものに

まぼろしは手ぶらである
まぼろしは遊んでいる

まぼろしがダリ展の
壁のうしろに居ると言える

まぼろしは死んでいる
死んでいるが刃物をもっている
手ぶらに感じたのは
手がいっぽんだからだ

はかないものに
身をまかせよう
凶器にはなるな


湘南文芸の次の合評会は10月3日14時からです。その際に取り上げる作品の提出締切は10月1日です。
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目盛りの詩パート8

2016-09-27 00:00:32 | オリジナル
共通テーマ「目盛り」でAが書いた詩を投稿します。

人によって

道具なしには
何も正確に
測れない 計れない 量れない
人間によって
たとえば巻き尺が たとえば秤が
目盛りやバネが常に一定であるように
注意と技術を駆使して作られている

人が作る精密な製品と
海が荒れれば波に乗る人
人が作る堅苦しい規則と
凪げばのんびり櫂で漕ぐ人
比べると
全てが疑わしくなる
世界が遠くに散っていく


「目盛り」「幻」の詩の提出締め切りは10月1日(土)です。
未提出のメンバーさん、よろしくお願いします。
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目盛りの詩パート7

2016-09-26 00:00:05 | オリジナル
共通テーマ「目盛り」でSが書いた詩を投稿します。
 リッラ・カッテン(池子)で
   小鳥の食事

右を見ても 左を見ても
家族愛の賛歌ばかり うるさいなあ
とパパが死んでからママはこぼしてばかり
ぼくは犬ではないが
要求ぼえをしているとママは言う

目盛るのが 苦手なママは
山盛りのごはんをくれる
ぼくは言葉が欲しいのに

朝から 朝まで
歯ぎしりのママは
前歯を痛め 仏頂面だ

ぼくは違うよ だって
ママは ぼくをみつめて
可愛いね を
ぼくが笑いだすまで
言ってくれるんだもの
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目盛りの詩パート6

2016-09-25 06:53:50 | オリジナル
共通テーマ「目盛り」でSが書いた詩を投稿します。

   体温計

セミと秋の虫たち
えんりょがちに鳴いている
窓をあけたり しめたりして
することもない

あたまだけが冴えていて
あたまに目盛りがあるのがわかる
いつまでも秋にならないあたまを
目をつむり 輪切りにしてみる

目をあけて体温をはかっている
わずかな上昇をねがったが
三十六度

夜 友だちがやってきて
「体温計、持って帰りますよ」
と言う
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幻の詩パート3

2016-09-24 15:35:03 | オリジナル
共通テーマ「幻」でSが書いた詩を投稿します。

まぼろし

なんにもないわたしが
コツコツあるいてさがしているのは
まぼろしのりんごだ
(テレビでは江戸時代から
 作られている まぼろしの
 さつまいもが紹介されている)

わたしのさがしものは まず
見つからないだろう
残念なことに形がないりんご
キャンバスに入りきらないりんご まさしく
われわれのような
拒絶者である

常にあばきだされる 赤くならない
孤独で自由な存在
過去もない りんご
わたしのように
強情をはっている
輪郭を持たないりんご

「わたし」という感嘆符に
わたしというひとつの島でつきまとわれて
みじかくなった杖を曳き
すっかり暗くなる前に
まぼろしのりんごを手にしたいのだ
わたしの「存在」を知るために

希望や絶望のまわりを
うろつくな
もう閉じられなくなった愛用の
扇子を捨てるな
わたしの
一切を捨てるな

幻・目盛りの詩(+自由題)の合評会は10月3日(月)14:00~です。
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目盛りの詩パート5

2016-09-23 00:01:06 | オリジナル
共通テーマ「目盛り」でSが書いた詩を投稿します。

恋の目盛

季節のように
恋には悪意のない目盛がある

全力をふるって砂時計の変身!
彼がへやを出る
わたしがカギをかける
そして
すぐ
彼がわたしの名を呼んだ
澄子さん 開けて下さい
アア産まれたてノ赤ン坊ノヨウニ
湯気ヲ立テテイルわたしノ名前

卵がうまれるだろう……
わたしは今日は眠られるだろう
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リベルテ

2016-09-22 22:40:04 | 

雨の中、東京都美術館で開かれているポンピドゥー・センター傑作展最終日に行きました。
制作年順に1年1作品ずつ並べてあり、1953年の作品はフェルナン・レジェの「自由」でした。
この絵に書き込まれているLibertéというエリュアールの詩、詩集じゃなくて漫画で読んだ覚えがあるな~と思って帰ってから探してみましたよ。

大島弓子「ローズティーセレモニー」でした。
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幻の詩パート2

2016-09-21 00:00:06 | オリジナル
共通テーマ「幻」でTが書いた詩を投稿します。



夜の中を歩いていると
ライトを点けた白い自転車に乗って
あなたが並走している
「お帰り きょうは良い日だった?」
耳元で質問する声
その先に青く光る海が見える
「赤潮だったの」
あなたが言う
違う
今夜は波を青く照らすイベント
ナイトウェーブの日

夜光虫で発光した波打ち際を
バシャバシャ走った時
私達は二十才だった

霧の中でオスを探し
まあるい巣を作って
産卵
そしてヒナはまたたく間に
巣だっていった

霧の中で迷い倒れ
飛べない鳥は
保護
森の奥のコロニーで
日々を送っていた

私が照らしたのは
私の中に蹲っていたあなた
幻のあなたが 今夜
となりを並走していた
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