湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

離れるの詩パート2

2022-02-28 16:28:11 | オリジナル
共通テーマ「離れる」でAが書いた詩を投稿します。

神中のトラックに

魂はなかなかの資源だが
あまりリサイクルされない
身体と脳から切り離されて
宇宙を浮遊できたら
大金を使って現世で
宇宙旅行に行かなくて済むのだが
そんなことより
一代飛ばして
孫に乗り移れたら
我が子の落ち度を補う働きを
してやれそうなのだが

市の委託を受けて
資源物を回収する
神中運輸のトラックがやってきた
肉体から飛び移ってみるか
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離れるの詩パート1

2022-02-27 21:35:21 | オリジナル
新しい共通テーマ「離れる」でAが書いた詩を投稿します。

落ち度

壁がありそこに窓もある
それでも不安だったり
閉塞を感じたりするのは
かつて小さな家から
切り離されたから
切り離された と 
受身形で説明したいのだ
自分に落ち度があるとは
思いたくないから

最初から帰る場所はなかった
何も見失ってはいない
最初から見えなかっただけ
残念だがそれも 
君の落ち度ではない
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腰の詩パート1

2022-02-25 18:15:47 | オリジナル
新しい共通テーマ「腰」でAが書いた詩を投稿します。

夢町

もう一度寝付くために呼び戻した夢
出てくる街はいつも同じ

夢町にずっと住んでいるから
夢町には揺り籠があるし墓地もある
夢町ではわたしは腰を落ち着けている

いつもの夢町には
わたし以外の人影が無いのに
さっきの夢町には市が立っていた
どこから湧いてきたのかと思うほど
夢町の市に人々が群がっていた
わたしにも人々にも影が無かった
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奏の詩改訂版

2022-02-24 20:15:27 | オリジナル

先日の合評会で、相談しながらTの奏の詩の題名と最終連を次のように変えました。
39度45分

入浴をしていると
体の中の流れが速やかにいきわたるのが分かる
しばらくすると
中に棲んでいる数えきれない菌が
それぞれの持ち場で騒ぎ出す
賑やかになり
私の中の広大な宇宙で
楽しい音楽が奏でられ始める

地球は大腸で
私たちは善玉菌と悪玉菌
月は膵臓で
太陽は心臓か
宇宙は
超々巨大な誰かの体内かもしれない

湯に満たされた
胎蔵界曼荼羅と
金剛界曼荼羅


改訂版のタイトルは入浴の温度と時間です。
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来月の湘南文芸

2022-02-22 17:47:53 | 文学
 小坪漁港
今日の2月例会で、来月の湘南文芸は次の通りに決定しました。
テーマ「腰」「横」「離れる」
日時 3月22日(火)14:00~
締切 3月19日(土)
モチーフが一緒でも現代詩と俳句では違う表現になって面白いかもと考え、テーマのひとつを湘南句会と同じにしてみました。
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2月句会の結果その2

2022-02-20 20:26:45 | 文学
昨日ご紹介した特選の他に複数の点数を獲得したのは次の4句でした。

前掛を替えた地蔵や春の霜
初霜や水になるまで撫でまわし
うら路を霜やけ掻きかき駆けめぐる
夕陽浴びもう夢見ている桜貝
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2月の特選句

2022-02-19 17:39:12 | 文学

2月の湘南句会は5人でできたので、なんとか句会の体をなすことができました。
最高得点を獲得したのは次の2句です。
霜踏んで光の中に人来たる
中年に幼
(をさな)の輪郭春の暮
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3月の湘南句会

2022-02-17 19:00:07 | 文学
今日の例会で、来月の予定が次の通りに決定しました。
日時 3月17日(木)15:00~
場所 逗子市民交流センター1階
兼題 「子馬」「腰」

3月半ばといえばもう仲春。「腰」の句には春らしい季語をつけてくださいね。
ぎっくり腰遅日の電話鳴らせおく 高澤良一
鳥帰る神父の腰に赤き帯 飯島晴子
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猫の詩パート4

2022-02-16 18:54:41 | オリジナル
共通テーマ「猫」でZが書いた詩を投稿します。

手の感触

木枯らし吹いてる 寒い夜
煙草買いを頼まれて 
ただ一つの 楽しみは
店先で眠るお前を 撫でることだった

あれから随分年経た 冬の山 
アイゼン外して ストックおいて
今晩よろしくと 声かけながら
居なくなったのですか とお前の事を尋ねたら
指さす薪ストーブ近くには 
丸くなって眠るお前の 身体

まだ生きていたのかと 
アタマなでなで 喉なでなで 
お前に挨拶すると 
少し迷惑顔の お前のまなこ

お前は 撫でることで俺の心が 和らぐ
ただ一つの獣 ネコなのだ 
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猫の詩パート3

2022-02-15 12:08:48 | オリジナル
共通テーマ「猫」でAが書いた詩を投稿します。

中途半端
抽斗を途中までしか閉めない
調味料の蓋がきちんと閉まっていない
鞄のファスナーは半開き
批判されても反駁しない
人を睨んで黙って立ち去る
途中で諦めてしまうのだ
猫のように
世界のいろいろなことがばかばかしくて
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