愛着障害などを新書で取り上げている、岡田尊司氏が別名で書いている小説です。
初めの方は軽い感じで始まり、途中までは解り易い葛藤に関することを
テーマとして取り上げています。
途中からは境界例や、愛着や発達などが絡み合ったケースが出てきます。
あくまでも岡田尊司氏の知識と経験から書いている小説なので、
実際にはこれだけ深く関われる診療所や病院は滅多にないでしょう。
やはり著者が精神科医として、医療少年院で勤務した経験が、その後の医師としての
知識や経験の拡がりに大きく影響したことから深い知見を得たので、
深く関われるようになったのでしょう。
ほとんどの精神科医は、患者さんの成育歴や背景などが自分と違いすぎて、
聞いても解らなかったり、想像がつかないようです。