マチンガのノート

読書、映画の感想など  

新宿スペースインベーダー 昭和少年凸凹伝 玉袋筋太郎 武田ランダムハウスジャパン

2020-11-04 06:49:48 | 日記

長年お笑い芸人として活躍し、テレ東の「トラック乗り継ぎふれあい旅」などに出演している

著者の書いた自伝的小説ですが、昭和の小学生の暮らしが生き生きと描かれています。

子供や高齢者が遊びに来る公園で暮らしているホームレスの方たちがゴミ箱を焚火に使っていたり、

何らかの依存症らしき人がその一人を日本酒の瓶で殴って重傷を負わせた後にも、

拘束されずにその公園で暮らしていたことや、傷痍軍人の方がアコーディオンを弾いている

所が出てきたりなど、時代の違いを感じさせる描写が多い一冊でした。

描かれているようなおおらかな子供時代を過ごしたことが、その後の芸人としての活躍や、

トラック乗り継ぎふれあい旅の収録に活かされているのでしょう。

映画化されるといいと思います。


マイ・ブラザー(2009)監督ジム・シェリダン 出演トビー・マグワイア ナタリー・ポートマン ジェイク・ギレンホール

2020-11-04 05:15:52 | 映画

アフガニスタンに派遣され、部下と共に捕虜になった将校とその家族の物語です。

海兵隊大尉のサム(トビー・マグワイア)は派遣されたアフガンで

搭乗していたヘリを撃墜され、部下と共に捕虜になります。

しかし家族にはサムが戦死したとの報せが行き、家族は彼が死んだものと思い生活しています。

サムは部下の兵士と共に囚われますが、敵は部下に激しい拷問を加えます。

しかし部下は何も言わず、敵はサムを脅して部下を殺害させます。

脅されたとはいえ、自分の手で部下を殺させられたことで、将校として、また米兵としての

アイデンティティを潰される事をさせられたので、サムは味方に救出され

帰国したのちに不調をきたします。

亡くなった部下の妻と娘も近くに住んでいることもあり、彼女たちと交流のある自分の妻

(ナタリー・ポートマン)にも打ち明けられないので、徐々にサムは追い込まれていきます。

最後にサムは妻に自分がさせられた事を言いますが、それは妻にとっても

あまりにも重いことでした。

「帰還兵はなぜ自殺するのか」(デイビッド・フィンケル著)では、戦友を助けられなかった事で

自分を責め、病んでいく米兵が取り上げられていますが、この映画のようなことだと、

さらに大変そうです。

最初の方では誠実な好青年の印象を与えるトビー・マグワイアさんの演技が鬼気迫っていました。

「中動態の世界」(國分功一郎著)を思い出させる映画です。

映画『マイ・ブラザー』予告編