マチンガのノート

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「臨床ユング心理学入門」 (PHP新書) 山中康裕著

2014-05-16 00:31:07 | 日記
この本の中で、山中康裕医師は
「分裂病患者は、苦しみのあまり、人間の尊厳を放棄している」
ということを書いているが、そこまで見て、治療しようというところが、
他の医師のように、「陽性症状」がどうだ、「陰性症状」がどうだ、
と表面的に見て、治療しようとするの違うのだろう。
そこまで見て接して治療するので、境界例患者などの重症例についても、
基底部分の「欠損」ではなくて、「ずれ」「断層」という、
治療可能性が見えるのではないのだろうか?
人間の尊厳を放棄している方を、暖かく見守って長期に渡り接することが
臨床家には必要なのではないのだろうか?