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予想より低かった日本のコロナウィルス感染率

2020-06-14 10:41:12 | 日記

   このブログでは、外出自粛が始まった頃からしばらく、PCR検査数の能力や実施件数などに注目して、厚生労働省や東京都などの公表数字を見てきたりした。なぜなら、ニュースだけでは何が起こっているのか見えないと感じることが多く、不安だったからだ。

   ところが、実際探してみて、統計の数字のオリジナルが、そもそも見づらいこと。まるで隠したい意図が透け出されたような公表だったり、さらには数字が民間や地方自治体で数字の出し方が不統一のために「不揃いな数字」が並べられている事に仰天させられた。

   そこに読み取れたのは、厚生労働省が中心になり得ていないこと。民間や自治体が現実を追いかけていて、厚生労働省はそれを後から追いかけているだけという今回のコロナウィルス対策の状況だ。習近平来日やオリンピック開催にこだわり続け、口では首相が「医師が必要とすれば、PCR検査が受けられるように能力を拡大する」と言いながらも、その貧弱なPCR検査能力すらフル活用されなかった現実。それは、あからさまに統計に浮き出されていた。

   「37.5度以上の熱が4日以上続いたか」、「海外渡航歴か陽性者との濃厚接触のあるか」のいずれかでないと、検査の前段階の診療すら受けられなかった現実は、悲鳴としてニュースとしても流れた。 PCR検査実施件数で、民間その他の検査数も数字がやっと増大してきたのは、オリンピック開催の延期が決まった3月24日以降からだった。

   一時は、最初の頃こそもっと早く入国規制を実施して、許している国からの入国者に全員検査をすべきだったと思うのに、後手後手の政策に業を煮やし、空港検疫を辞めて、そのPCR検査能力を一般の国内のPCR検査に使うべきではないかとも書いた。なぜなら、入国規制が始まって以降は渡航してきた人に、入国後の2週間の外出自粛要請が課せられていたからだ。それに対し、入国者全員にPCR検査を実施を本格的に始めた頃は、すでにPCR検査を実施しても、見つかる陽性者は全体の1%に満たなくて、大きな危険を国内にもたらすとは思えなかったからだ。一方、国内の検査体制の整備は遅れており、多くの感染を疑われる人が依然として「帰国者・接触者外来相談センター」ではねられ検査が受けられない状態が続いていた。国内では、やっと検査に辿り着いた人たちの陽性率が10%以上にもなっていたのだ。

   東京近辺での手薄で貧弱なPCR検査能力の有様に、(無駄な空港検査能力を、国内の検査にどうしてまわさないのか?)と書いたりもしたほどだった。

   他国で医療崩壊が多く起こる様子を見ながら、感染拡大のグラフのカーブは、クラスター追跡に施策の軸を置いている間に市中感染がひろがり、いつ急カーブで延びてもおかしくないと思われ、心配した。慶応大学からの、「コロナの症状のない患者にもPCR検査したら、6%に陽性が出た」という4月21日の発表は衝撃だった。(この知らない間の市中感染の広がりは、院内感染の危険性を増大させ、医療崩壊に直結する!)と思った。市中感染の大きさが検査の少なさで数字で提示されないだけに、不安が増した。

   日本には、以前書いたが、中国からも含め多くの観光客の来日があった。中国政府側が1月27日から海外への団体旅行禁止を実施するまで、日本は1月だけでも中国からだけで100万人近い来日があったことから、その何%かは不明ながらも 無症状のコロナ陽性の観光客が存在し、日本の観光地を巡って感染を広げている可能性は大きいと思えた。市中感染のリスクは非常に高いと想像していた。

   *そう考えていただけに、後の4月末に国立感染研究所が発表した<中国武漢からの入国での感染は早めに終息していた>という見方は、意外だった。

   そんな中、LINEでのアンケートで4月10日の発表で、2万7000人もの人が4日以上熱がでている事実には、市中感染の心配を持った。だが、その後の結果発表において、これも「2020年3月31日~4月1日、 4月5~6日、4月12~13日に行われました。発熱者(37.5度以上の発熱が4日間以上)の回答者における割合(発熱率)は、0.11%、0.13%、0.15%と上昇傾向でした。しかし、5月1~2日に行われた第4回では、発熱率0.13%と、3回目から減少が見られました。発熱率の減少は全国的に認められました(図1)」と感染のピークが下がって来たことが示され、さらにその後も、次々と感染が思ったほどの日本では広まっていないことが、例えばソフトバンクの4万人規模のグループ社員・医療関係者などの抗体検査を実施した結果でも、0.43%の陽性者という数字だったり、裏付けられてきた。その辺りから、市中感染が広がっていない事実がほぼ確信がもてて、必死に検査数を追ってきた私の緊張も解けてきた。

   何より、自宅待機していた仕事に連休明けから復帰。周囲を見回してもコロナウィルス感染をした人は少なく、隣人や友人・家族からの話でも、正直4月頃までは病気や休んだ話がチラチラ聞こえていたものがすっかりないことが、数字の裏付けに実感できた。

   と言うわけで、3月から4月がパンデミックになる危険を孕んでいたと思えるものの、日本においては、少なくとも第1波で他国のような多数の死者を出す最悪の事態を避けられたことを事実として受け止めることができた幸運を確信できた。

   どうして、このような感染率で済んだのかは、日本人の清潔観念(抗菌グッズ、歯磨き・風呂・手洗い・靴を玄関で脱ぐ習慣)、キスや握手などが日常の欧米との文化の違い、BCGや遺伝子ファクターなどによると言われているが、とにもかくにも、幸いだった。ただ、これは、反面 将来への感染への免疫力がない人が大半であることを意味し、油断がならないことにもなる。

   思い返せば、あの3月2日からの突然の学校臨時休業要請は、あまりにも突然で場当たり的で、正しかったかの評価も含め問題はあったものの、コロナウィルスへの国民の危機感や引き締め効果には大きく貢献したと思われる。問題は、長い休校で子ども達に与えた学習の遅れその他へのマイナスの影響をこれからどう回復させるか。そして、第2波にどう備えるかを考える姿勢を緩めず考えることが大切だろう。

   過信は禁物。これからも、ひとりひとりが、自分の家庭で、職場で、コロナウィルス感染の危険要素を避け、いざという時のためのことを考え続けていく努力が、肝要だと思う。おやおや、そういった途端に、東京で今日新たに47人の感染者数が出たという速報が流れている。

(追伸)東京の47人の感染者が何人の検査をして確認されたのかと思い、久しぶりに東京都のコロナウィルスの統計のページ(ココから)を見てみた。随分と以前と表示されている内容が変わっていて、アラートを出すかどうかの指標を中心とした表示になっていた。

 検査数は、この陽性率というところを見ると陰性者数と陽性者数があるので、その合計が検査の実施数となっているようだ。5月7日以降は、長い下の注意書きにも書いてあるように、保健所系以外の保険適用に至るまでを網羅する数字となっている。その分陽性者数のようにはすぐに報告されてこないのだろう、数字は6月12日分までだった。でも、休日の検査数の凹みを除外すれば、ほぼ1500件前後の検査は日々行われ、漸増しているように見える。

 その中で47人なら、内訳が、時事通信のココによると<新規感染者の約7割に当たる32人が接客を伴う飲食店など「夜の街」で感染したとみられる。18人は同じ店のホストで、新宿区や都が店の協力を得て実施した集団検査で陽性が判明した。このほか、7人は集団感染が起きた武蔵野中央病院(小金井市)など医療機関の関連>というので、まずは大きな心配要因ではなさそうだ。

           

コメント
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