ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

今後のSSビジネスを展望。 冷静な対応を・・

2018年12月04日 10時36分16秒 | Weblog

本年も年末に至りました。
私にとっては、あっという間の一年でした。
齢を重ねてくると一年という期間が短く感じられるのは私だけではないはず。

石油業界における近年のSSビジネスマーケットの変化はこれまでの成長期から成熟期、
そして、昨今の「淘汰期」に至り、その変化の速度が速まっているように感じます。

「ガソリン」に関しては、今後も需要縮小が止まるわけではなくて、
経産省の試算によると国内ガソリン需要は、2022年度には2017年度比で1割減る見通しとなっています。
ですから、SS数の減少があるにしても、相対的な販売減の傾向は続くことになるはずです。
リテール部門においては、SS数の減少による「残存者収益」が見込まれるのかもしれませんが、
問題は、既存SS業界における適正な市況形成が可能かという点が注目されています。

実は、最近になりまして某大手コンサルティング企業からの要請により
今後のSS業界動向に関する見解を求められました。
業界誌などからも同様の要請を受けて意見交換などを行いました。

直近の市況動向を鑑みますと、
以前よりも価格競争は緩和され、一応の採算が確保されつつあるという見解が増えています。
SSビジネスにおいては、再投資に向けた経営環境を構築できるような企業が増えてくることで
「次」に向けた展開が見えてくると期待されているところです。
SS業界にとっては、まず基幹収益となる自動車用燃料油の市況環境が適正化することが前提となっています。

確かに、長期的に見れば、自動車用のエネルギーはEVなどの普及により将来的な展望は薄いわけですが、
当面、ガソリン市況の安定化により「次の時代」に向けての投資源泉を確保する必要があります。
既存SS業者はその点を認識し、新たな展開と経営構想を練る最後のチャンスが到来しているともいえそうです。
その中で、次にどう手を打つかがカギになるという事ですから、
大きなチャンスが到来しています。

本年、7月10日、出光興産の月岡隆会長と昭和シェル石油の亀岡剛社長が正式に握手を交わしました。
2015年7月の協議開始から3年、ようやく2019年4月に両社の統合が実現する運びとなっており
昭和シェルは出光興産の完全子会社となるはずです。
2009年に成立した「エネルギー供給構造高度化法」により、
経済産業省が精製設備の効率化や廃止を促したことも再編を加速させたと思います。

今後は、元売り統合による販売競争が緩和されることで、SS業界が安定的に成長することを切に願っています。
ガソリンは53.8円/㍑が税金なのでありさらに二重課税なのですから、
本来は安売りすべき商品ではないと思うわけです。
不当廉売などで業界みずからの首を絞めて、地方には「SS過疎地帯」が多発中であり
消費者である高齢者などの国民が不便を感ずるようでは国の施策にも問題があるといわざるを得ません。

最近でも、一部地域のSS企業がいまだに、ガソリン安売りで集客し、
「油外」と称する関連ビジネスを展開しているようですが、問題ですね。

 

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿