今シーズンの灯油ビジネスは、気候の影響もあり順調な推移を見せています。
石油連盟などの出荷ベースでも、主要油種の中で順調な出荷データが出ているようですが、
リテール部門にあっては、マクロ的なデータよりもそれぞれの企業が立地する地域、
さらに、個々の企業の販売マーケットの独自の動きに留意することが大切です。
全国的な出荷ベースとそれぞれのマーケットにおける販売動向は全く異なるものだと認識しておく必要があります。
よく経営者の方が言われることですが、全国出荷ベースは伸びているのに・・、当社ではといった比較は無意味です。
その理由として、
販売業態を変えないで例年と同じ販売手法をとっている場合には減少しているケースも多いのが現実です。
とくに、店頭で現金売り中心の場合、配送体制を整備確立している競合企業に消費者の購入志向が流れていることが多いのです。
逆に、努力しなくとも増販しているSSも増えていますが
これは、周辺SSの閉鎖やセルフ化などにより販売数量が増加しているわけです。
SS業界の灯油ビジネスでは「勝ち組」には売り勝つ理由とそのための工夫があります。
ただ、価格要因だけが売り勝っ理由だと思っている企業は既に「負け組」なのです。
ここにきて、灯油の収益がSSビジネスの命運を左右するような傾向が明確化してきました。
灯油ビジネスが脚光を浴びていることは我々にとって大変うれしいことです。
そこで、今年の灯油ビジネスのポイントについて考えてみました。
12月に入り、若干気温が落ち着いたせいで、円安と原油高騰による価格高等も落ち着きそうですが、
年明けあたりから、再び寒波の可能性が高まっています。
12月末現在の課題は、いかに仕入れ価格の転嫁を転嫁できるかということになります。
ここまでは、だれでもわかることですし、現在その努力を必死に重ねていらっしゃねはずです。
問題は、2月末から3月頃のシーズン終盤の商戦となるはずです。
現在の仕切り価格が下がる可能性もあります。
昨年同様、仕切り低下に助けられての利幅拡大を期待したいところですが、
私は、その可能性が高いと思っています。
ですから、現在のように販売価格をあげるべき時期にはしっかりとした価格形成が必要なのです。
昨今では、消費者のコスト意識の芽生えにより配送灯油を中心とする灯油ビジネスが圧倒的に優位に立っており
ホームセンターなどの店頭価格も以前ほど気にならないはずです。
今シーズンの灯油ビジネスは後半戦がポイントとなるはずです。
そのためには、いまから適正な価格設定が必要となります。
シーズン終盤のラストスパートに向けた準備がポイントとなります。
基本的なセオリーが判っていれば、
灯油ビジネスの収益的な魅力を享受できるシーズンとなるはずです。
がんばってください。