como siempre 遊人庵的日常

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塚原卜伝 第2話「御前試合」

2011-10-16 01:22:10 | 過去作倉庫11~14
 はい、なんだかノッタリマッタリ安全運転の第1話拡大SPから、尋常のペースにはいってまいりました第2話です。
「おおっ、普通に面白いぞ!」と思いました、わたし。そして、この「時代劇が普通に面白い」ってことが、いかに長らくお久しぶりのことだったか…ということを思ってそっと涙したりもしました。いつ以来?「鞍馬天狗」以来かな。地上波の時代劇が30分のライト版に路線変更してから、ついぞこういう安定した見ごたえある時代劇というのは無かった気がします。うん(大河は大河で、なんだか変なのが4年も続いてしまったし)。
 まあ、BS時代劇も3作目にしてやっと、「むかし毎週やってたような、ふつうの時代劇」というラインに戻ってきたってことなんでしょうか。
 そんなわけで、裏大河もようやく裏大河らしく、本来の役目を自覚しだしたようで、重畳重畳。むかしやってた裏大河の目的というのは、「安心して見られる時代劇で、オールド大河ファンの需要に応える」っつーことだったからね。
 まあ、それで7話というのは短い気もしますけど、こうなったら続く作品も、おかしな韓流まがいとかに手を出さず、裏大河の役目をまっとうしてほしいと切に思いますわ。

第2話「御前試合」

 前回、「こんな結構づくめで毎回続いて7話で終わりじゃ世話はねえ」とか虚無的なことをチラッと思ったりしましたけど、この2話を見た限り、そんなもんでもなかったようです。
 まあ、今週も新右衛門(堺雅人)が華々しく強敵を打ち負かして、天晴れ無双の使い手よ、とかマンセーされるだけの話…っていったら、まあ、そうなんですけど、なんかちょっと、それ以上のものもある気がする。その「ちょっと、それ以上」ってのが案外重要なんだよね。あんまりカッとんで、「フツーの時代劇とは違うんだ!人間臭い熱いドラマなんだぜ!!」みたいに張り切ってるのほど、やってることは案外へーぼんで、古臭かったりするわけだしさ。
 そんなへんから見ると、今回の「卜伝」は、あえて、失笑するほど平凡な古きよき昔ながらの展開を見せます。その梗概は、以下。

「武者修行中の旅の武芸者。旅の途中で、野党におそわれている美女の危機を鮮やかにすくう。で、その美女は由緒正しい名門のお姫様で、是非にと請われてお邸に滞在することになった武芸者は、なりゆきで、そのお家のために一肌脱ぐことになり…」

 わはははは。なんだこのベタベタ。こりゃまた古今東西グローバルな黄金の雛形じゃ。ベタといってわるければ、超正統派ね。 

 んで、まあ、そんな次第で行きずりのお姫様(京野ことみ)を救った新右衛門と左門(平岳大)の、滞在先の宿に、管領代大内家の家老の家からお迎えがきます。お姫様は、鹿野姫様といって、そこんちのお嬢様だったんですね。
 で、お邸に迎えられた新右衛門を、平賀丹後守(風間杜夫)というお殿様は、ご馳走の前にいきなり、剣客をけしかけてオーディションするわけだな。剣客たちを10秒で撃退した新右衛門に、「聞きしに勝る腕前。ぜひその腕で当家のために一肌ぬいでくれまいか」、とこうなる。
 というのは、将軍足利義尹が(本田博太郎)が応仁の乱を逃れて大内義興(吉見一豊)の地元の周防に疎開してたんだけど、このほど都に戻って将軍職に復帰、細川高国(安田顕)は管領に、大内義高は管領代に就任するので、、お祝いの御前試合が催される。その試合に細川家から「海内無双の剣士」と呼び声たかいのが出場するのが評判で、大内家からもメンツにかけてそれ以上の使い手を試合に送らなきゃならん…という事情で。
 これに勝ったら、鹿島の名を高めて観光客を呼び戻し、神社の普請代を捻出するという、回国修行の目的も楽々達成されます。ラッキー!と新右衛門はそれに乗っかることにしました。あんまり何にも考えずに。

 でも、地元鹿島では、パンダうさぎ(中尾彬)のところの御前試合1回で、けっこう新右衛門のファンは獲得できてて、剣術修行を希望してくる入門者の月謝とか滞在費とかで、いい稼ぎになっており、観光大使業も軌道にのってきてるわけです。これで将軍の御前試合に勝ったりなんかしたら、ますますネームバリューがアップして、収入も倍増!!と父ちゃんや先生はウハウハ。そのわりに、物忌様(江波杏子)のお邸の修繕は進んでないようだけど…収入はどこに消えているんでしょうか。
 んで、御前試合。世界255の国と地域から選手が集まり華やかに開催される大イベント…のはずが、直前に決まったのが、一次リーグも決勝トーナメントもなくって、緒戦いきなり決勝戦、という。ようは、参加者ふたり。なんじゃその簡単さは。というのは、細川から出る剣士が「海内無双の剣客にて敵はいないでござーる!」と豪語し、大内もそれに対抗して、いやいやいや天下一の剣士は当家にゴザール!!とやりかえし、海内無双と天下一じゃ、勝ったほーが世界一ってことで、それでいいんじゃね??と。サクサク予選を省略したそうなんですね。なんじゃそりゃ。そのかわり、決勝を闘う二名には、真剣勝負の殺し合いでプレッシャーをかける、と。グラディエイターか。
 まあ、とにかく受けた以上は「必ず勝ちます」と宣言した新右衛門は、御前試合に集中します。集中するんだけど、「なんかカラダが重い…」と。
 この時点で、すわっ風間教官(古い…)が毒を盛ったのか?!と思いました、ワタシ。このおっちゃんも、妙にテンションが高くて陽気なんだけど、新右衛門をリクルートするために自分の娘を野党に襲わせたりくらいのことはする人で、腹にいちもつありそうな。
 よくわかんない女も邸に出入りしてます。黒い手袋して物陰からドロリと現れて、ヒ~ロ~シ~~……(←それ古すぎて誰にもわかんない)、あ、いや、片平なぎさちゃう、有森也美。まあ、出入りの唐物商人ってことなんすけど、何者か、まだわかりません。忍者かもしれない(それも安直)。

 んで、なかなかテンションが上がらない新右衛門は、鹿乃姫にも「たかが公開腕比べじゃないですか、そんなんに命をかけてバッカじゃないの」なんてひどいことを言われてしまい、キレて、心乱れて京の町を歩いていたところ、ひらひらと派手な衣装に身を包み、竹下通りで輪になってラジカセを持っておどっている竹の子族…じゃないや(それも古すぎるよ奥さん)、風流おどりというものに遭遇します。
 で、なんか流れのままに、左門といっしょに踊りに参加して、ヒラヒラと踊りまわっているうちに、なんか楽しくなっちゃって、心のツカエもカラダのハリも取れて、肩の力が抜けてきた、と。
 この踊りのくだり、堺さんより、平さんのほうがめちゃくちゃ可愛くてキュン死でした。みょうにホノボノとした顔をして、口半開きにしてフワフワおどってる姿、なにこのキュートさ。もう、この人はシリアスな貴公子やら悪役の路線は封印し、この手の癒やしキャラで売っていったほうが絶対いいと思う(いや、悪役も上手なんですけどね)。

 ってな個人的感想は置いといて、御前試合ですね。今週のみどころです。
 あの、この「塚原卜伝」てドラマの趣旨じたい、「今後の映像表現における、カッコイイ殺陣というものを、いろんなやり方で試してみる」というふうにワタシは解釈してまして、だから毎週の殺陣は、とっても楽しみだし、どんなお料理がでてきても歓迎なんです。今週は、前回のワイヤーアクションとうってかわって、ドッシリ重厚な正攻法です。
 御前試合で相対した、自称・海内無双の剣客、大野秀孝(鈴木 豊)。巌の如く動かぬ真の剛の者、という設定で、そのとおりの臨場感を出すのに、つばぜり合いの両剣士のアップを主に、あまり軽々と動かず、スロー&早回しの緩急でアクセントをつけていく…という。これカッコよかったです。痺れました。こういう殺陣は超好みです。三池崇史カントクの映画みたいよ。
 この殺陣がすばらしくカッコよかったので、ギャラリーの主賓・足利義伊@本田博太郎の怪しいメイクなんかに、必要以上に萌えたりもしませんでした。でも、あれも好みなのよ。つねづね大河ドラマなんかでも、お公家さんやなんかは白塗りにお歯黒で出てくれと思ってたもんで。本田博太郎さんがやってくれましたおかげで、そういうのが板についている梨園のかたなんかと違う、まことにグロテスクな怪しさがただよって、いやよかったヨカツタ。ほんと楽しみです、これからが。
 で、まあ、そういう変なふうな萌えと、正統派のチャンバラ燃えが同じシーンに…という、えもいわれない味のある場面でしたけど、ここで新右衛門はみごと勝ちます。その勝ち方も、先週チラッとおもった「イケメン剣士が毎週1分の殺陣でさわやかに強敵を倒すだけ?」みたいな軽いノリではなく、新右衛門が試合のなかで、天然自然と一体となる境地に目覚める…みたいな?そんなのを、なかなか重厚に表現していて素敵だったとおもいます。

 で、まあ来週は、満座のなかで恥をかいた細川管領が、刺客をはなち、お歯黒将軍を襲う…という展開をみせるようですが、まあ何が楽しみってあの将軍の露出が楽しみww
 いや、それだけでなくて、予告編かなり面白そうだったし、楽しみだな、うん。
 来週は、もっと早めにみてレビューあげられたらいいなあと思います。んでは。


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