como siempre 遊人庵的日常

見たもの聞いたもの、日常の道楽などなどについて、思いつくままつらつら書いていくblogです。

真田丸 第46回

2016-11-24 21:34:25 | 過去作倉庫15~
 ラス5の1です。
 いやあ、なんだかこの後がうんざりするくらい長く感じますね。あと5回。個人的には、2回まえの最悪にくだらないコケおどかしで完全に見放し、もうこのあと面白くなるなんて期待もしてないし、消化試合以外のなにものでもないと思って見ています。
そういう心境なので、まあ今回はそこそこ面白かったけど身を乗り出すほどじゃないし、特にジーンと感動するわけでもなし。なんか、たんたんと見てました。こんな気分で終盤を迎えたくなかったですねえ。もうあと5回、これを続けるノルマ感だけです。ってこんなの別に誰に頼まれてもいませんけど。
 そんじゃま行ってみましょうラス5の1、第46回「砲弾」


今週のざっくりしたあらすじ

 真田丸の大勝でテンションハイになった秀頼王子(中山大志)は、幸村(堺雅人)をよび、膝つき合わせて絶賛します。戦の面白さにめざめた王子、この勢いにのって敵の本陣を総攻撃して一気にやっちゃおーよ、とか言って、ハイになった深夜のゲーマーみたいな状態なんですが、王様がこーゆー状態になるとやばい。幸村は淡々と現実的に、とりあえず籠城、といいます。この城は堅固で兵糧もじゅうぶんあるので、当分は籠っていても大丈夫。どんなに攻めても落ちないとわかれば、相手も動揺して、そのうち寝返るものが出てきますから、それを待つのです、と。
 っていうかそれ、幸村が最初に猛アピールした「なんで籠城する必要があるのか。守りに入ったら負けでござるぞ」ってプレゼンテーションの真逆やんか。自信満々に真逆のことを言っては周りを揺さぶり、自分のペースに持っていくのは、完全にお父様譲りですね、この人。
 秀頼王子はそーゆーホラやハッタリみたいな世界に免疫がないので、すっかり巻き込まれ、「なんでも気が付いたことは言って、言われて伸びる男だからボクは」とか言って、完全に幸村に心酔しています。
 そういう王子に幸村は、「とりあえず自分の言った言葉の重さを考えてくださいね」とくぎを刺すのですが、この子はまだママや大人に言われるままで、自分の言葉なんか持っちゃいません。大坂城の主はあくまで秀頼様ですからね、お母さんやほかの大人が何と言っても自分の意見を曲げるんじゃありませんよ、と、幸村はさりげなく自分の仕事のしやすいようにマインドコントロールしていきます。
 一方、大負けした徳川軍では、いったん退却して膠着状態。イラついた秀忠(星野源)が、「父上、なぜ総攻めをお命じになりませぬ」と家康(内野聖陽)をせっつくのですが、家康は「兵を損なわないのも大事だ」と、こういうところは幸村と考え方が共通してるんだよね。というか、この人たちって基本は同じ考えで、戦も本当は好きじゃないし、頭を使って打開策を考えるほうが好きなのです。
 そして家康は、奥の手を繰り出します。そう、長く番組内遭難して行方不明だった真田信尹(栗原英雄)を。家康は信尹に、幸村に会い,知行10万石でヘッドハンティングをかけるように命じます。信尹叔父様、しばらく遭難してた間にすっかりロマンスグレーの美初老になっちゃって。
 最初は断った信尹ですが、徳川家の碌を食む立場上、やるだけはやらなくてはならない。ということで、渡りをつけて大坂城内に侵入し、幸村と会います
 ひさしぶりに再開した叔父甥、叔父は調略しに来たし甥もそれは承知、そのうえでいっさいそういう話をせず、お互いの情報交換もしないで、ただ世間話に花を咲かせます。
 信尹は信之の二人の息子のことも話すのですが、叔父さんの目からみても稲のうんだ次男の方はちょっと心配だ、と。兄さんを立てるということを知らないから。なるほどねえ、次男が人の話を聞けないバカだったり、兄ちゃんが気が弱いとか、そういうことが後々災いの種になるのを、いやってほど見てるからな、この人たちは。また、「兄を立てる」ということを自分の立場とわきまえて、ひたすら陰になり、生まれた家まですてて生きてきた信尹叔父さんから見れば、言いたいこともあるのでしょう。
 といっても、信之の跡取り世代のことなんか基本的には関係ないので、言いたいことはあってもいいません。そもそも、そんな将来のことに興味を持ってないふたりは、淡々と旧交を温めて、あっさり別れていきます。別れ際に信尹は家康の勧誘の手紙を幸村に渡すのですが、「読まんでいい」と。幸村もなんの関心もなくその場で破って炉に放ってしまいます。
 このくだりは非常にかっこよかったです。たぶん二度と会えない最後の別れだとよくわかっていての、このあっさり加減。おたがい若いころは「叔父上みたいになりたい」「オレみたいになるな」とかいって、お互い似た立場に共感するところ大だったふたりが、ある程度人生の結末にいたって、おたがいの進路にはなにも言及せずに、ただ健康を祝して別れていく。ハードボイルドだなあ。男大河はこうあるべきですよ、うん。
 家康も、信尹が幸村を調略してくる気がないなんてことはわかってたんでしょうね。「調略できませんでした」とあっさり言われて、べつに執着もせず、さっさと次の手を考えます。
 家康は全軍を三つに分け、三交代で、昼夜休みなく鬨の声を挙げて大騒ぎをさせます。そういうことで大坂城内に心理的なプレッシャーをかける手にでたんですね。
 いっぽう、先週「大坂城に兵糧を送ってひそかに支援する」ということを持ち掛けられた伊豆守信之(大泉洋)。「なにもできない俺だけど、せめてこのくらいのことは源次郎にしてやりたい」などと完全に情緒的な理由だけでうごかされ、平野長泰(近藤芳正)なんかと同調してひそかに計画を実行に移します。が、これを妻の稲(吉田羊)に強く止められ、それでも「許せ、これだけはやらねばならぬ」と強行するのに、今度は、これもお久しぶりに登場の出浦昌相(寺島進)が立ちはだかります。お前の行動が真田家を危険にさらすのがわからんか、亡き父上が命を懸けた家を潰させるわけにはいかんといって、不自由な体を張って止める出浦を振り切り、突破しようとする信之に、「やむを得ぬ」と、出浦はある手を繰り出し…。
…っと、まあ、この部分は大ウケした方も多かったかもしれませんが、私はやっぱりだめでした。このあと、出浦が繰り出した粘着性素材の網みたいなもの(?)にからめとられた信之が、身動き取れなくなっている間に「ということで、このたびのことには当家は一切かかわりませんので」と平野に丁重な断りが入れられます。あんまり言ってもしょうがないけど、この兵糧応援計画のくだりは、本っ当に無駄だったと思うし、無駄を承知でやったなら(たぶんそうだろうな。「大坂城に兵糧は十分」て何度も強調してたから)、ただ信之をバカにするために入れたギャグシーンとしか思えません。とすると、必然的にムカつく。腹がたつ、という循環で、もうほんとにこういうシーンはいやですね。
 なんの関係もない信之がばたばたしてる間に、包囲された大坂城。昼夜止まない鬨の声が、パフォーマンスとわかっていても、やはり心理的に大きく影響していきます。そんなころ、スパイの織田有楽斎(井上順)がひそかに家康の本陣を訪ねていて、本多正純から「大御所様は和議をお望み」と耳打ちされています。
 大坂城に帰った有楽斎は、勝ち戦の勢いに乗じて和議を結ぶ、それが最善の策ですと秀頼を説得。大蔵卿も同調して、和議です、和議しかありませんといって秀頼をせっつきます。もともと自分の意志があるようで無い秀頼は、ふたりがかりで和議和議といわれると強く反対しきれずに、押し切られて、停戦して和議を結ぶほうに流れてしまいます。
 そんな、とんでもない。この状態での和議などは降伏したのと同じことだと強く反対する幸村たちでしたが、なまじ「自分の言葉に責任を持ちましょう」などと言われてその気になっている秀頼王子は、これも自分が決めたことだから、従うみんなに責任を持たなくちゃあ、などと無駄なところで意志を固くして、かえって聞く耳を持ちません。
 やむなく、幸村は茶々(竹内結子)に相談します。秀頼の裁定を覆せるの母親の茶々の一声だけですから。実のところ茶々は「私ははっきり言って城がどうなってもいいのよね」と、意外な本音をいいます。どっか遠くの国に追われるとしても、秀頼と一緒にいられればそのほうがいいのよ。それと、源次郎と。
 などと誘うような目で言われた幸村は、前なら拒否したりするところですが、こんどはちょっと違います。茶々の自分への執着と、あるようでない彼女の責任感を、うまく利用する方向で動き出すんですね。
 徳川軍の鬨の声攻撃に極限までイライラした後藤又兵衛(哀川翔)は、単身特攻して敵軍に打って出る、と言い出します。何の役にも立たない単発攻撃ですが、何もしないでイライラしてるのは耐えられない、という理由で。誘われた長曾我部元親(阿南健司)は「長曾我部家の当主の自分がそんなつまんない特攻は出来かねる」とわざと尊大な態度をとって逃げ、そのことを幸村に注進します。
 ふつうなら止めそうなところですが、幸村は逆に「私も一緒にいく」といって、特攻する又兵衛と塙団衛門に合流。徳川軍に夜襲をかけると、自ら刀を振るって大暴れし、ぞんぶんに日頃の憂さを晴らします。まあ、やっても大して効果はないけど、害にもならないわけで、死なないように気を付ければ憂さ晴らしにはなるわけですね。
 そうして城にもどった幸村たちに、あらためて秀頼の「和議して開城」という決定が伝えられるのですが、そこに茶々が現れて「和議などとんでもない。許しません」と。大坂城の主は私ですと抗弁する秀頼に、「お前を産んだのは誰じゃ、大坂城の主はこの私ぞ」と一蹴。これで秀頼のプライドはメタメタになり、さらに、自分に「言葉に責任もて」とか言った幸村が茶々を使って自分の決定を潰してきた、と知ってさらにダメージを受けます。何が本当なのだ、私はいったい何なんだ、と。
 それに対して幸村は言い放ちます。「断をくだすのはもちろん殿様です。しかしそれが誤りであれば、わたしはいかなる手を使っても食い止めます。わたしは戦に勝つためにここに参ったのです」…と。こういう「手段を選ばない」ところ、またそれに道義的なこだわりをもたないところ、ほんとにお父さんに似てきましたよね。
 さて、鬨の声なんかで時間つぶししている間に、家康軍にはイギリス製の大砲という最終兵器が到着していました。この時代、まだ誰も見たことのない大量破壊兵器です。それを使用するにあたり、家康は片桐且元(小林隆史)を呼び寄せ、淀殿の部屋は大坂城のどのへんかと尋ねます。驚愕する且元に、どこに淀殿がいるか聞いておいて、そこを避けて砲撃するんだよ……と甘いことをいいますが、実際は逆の意図であることを、且元もわかってるんでしょうね。苦汁をのむ思いで教えた茶々の居室を、家康は砲撃目標にするようにと指示するのでした。
 かくして大砲は大坂城に撃ち込まれます。この時代の大砲はまだ火薬弾じゃないのですが、前触れもなく天から降ってきたものにドカンと破壊される衝撃は半端なく、あっという間に崩れた屋根の直撃を食らって茶々の侍女たちが犠牲になり、茶々は呆然……というか、その破壊的光景に魅了されたように、フラフラとその場に近寄っていこうとします。
 この回、途中で妹の初(はいだしょうこ)が、「姉は死んだ父や母と同じように、落城とともに死ぬのが自分の運命だと思い込んでいる節がある」と幸村に警告するくだりもあるのですが、茶々のメンタルの壊れはどんどん複雑になり、戦国のいろんな悲劇を一身に追っている様相を呈してきました…というところで、次回につづく。


今週のざっくりした感想。

 といっても別に…。良くも悪くも、取り立てて書きたくなるようなこともありません。まあ、いまさら腹立ててもホントに無駄なんですけど、なんで信之をこんなにおバカさんにしてしまうのか、ほんとにわかりませんし、見てるとやっぱり腹立ってきますよね。
 あと、出浦昌相という人をふざけた処理にしたのも感じ悪い。先週もいいましたが、このあたりに前作(真田太平記)をコケにして笑いを取りに来てる感がにじみ出て、どうにもこうにも気分悪いです。
 結局のところ、このドラマって大きな尺での物語はスッカラカンのまま、ただの小ネタの集大成という趣でおわるのかと思うとむなしいものがありますが、ただ、その小ネタでも、ちょっと引き付けられるものがないわけではないので…。今週でいえば、信尹叔父さんとの再会なんかよかったですね。信尹という人の、ドラマ場外にに流れた歳月を想像させるものがありました。。
ただ、こういうのがもっともっと深くしみじみと心にしみるのが、ほんとうに良いドラマの終盤なんでしょうけどねえ…。

そんじゃまた来週。