現代舞踊が表現するもの

私は
現代舞踊なるものを
始めて見たのであったが、
今日のダンスは
人間の
表面には表せない、
心の歪みであるとか、
心のねじれであるとか、
顔にあらわせない心の奥の感覚を
実に見事にあらわすのであった。
二つ目の舞踊では、
私は昔、青年時代に神経症であったとき、
心を開放させることができない、
言うに言えない
心のもどかしさ、
うっ屈した心の苦しさを味わったが
その時の心みたいなものが
表現されているみたいに感じた。
最後から二つ目の舞踊では、
源氏物語の末摘花みたいに、
女性でありながら女性としての願いを表現できない、
生命の歪み、女の悲しみのようなものが、
表現されていると感じた。
つまり
現代舞踊は
端的に
潜在意識に沁みこんでいる、
「心」を表現している、と感じた。

女性ダンサーの現代舞踊に感動

私は今日、
現代舞踊をみた。
よくテレビで
クラシックバレエではない、
単なる身体表現だけの現代バレエをかいま見ることがあるが、
要するにあれだ。
もっとも今日のは
トランペットソロに合わせて
一人の女性舞踊家が
踊るのである。
この舞踊家の名前は、
ここでは伏せておくが、
履歴を見ると、
輝かしい舞踊歴のある、
相当の腕の
女性ダンサーである。
四つか五つ
短い前衛のダンスを踊ってくれたが、
私はこれは、
とても素晴らしいと思った。
驚きのダンスだ。
私の印象では、
人間の潜在意識における、
願い、熱望、苦悩、等を
人間の身体表現で
あらわしていると感じた。
見た後で
ティッピングといって、
投げ銭をするということで、
私もお金を用意していった。
人間の心の悶えとか
女性の心の苦しみが
体で見事に表現され、
すばらしいものであった。
見ている私の方も
心の苦しさを感じた。
こういうものなら、
又見たいと思った。