弁護士のナンシー・ホランダーとテリー・ダンカンは、1人のモーリタニア人青年、モハメドゥの弁護を
引き受けることになる。彼は米国同時多発テロに関与した容疑で逮捕され、その後も裁判すら受けること
ができずに、拷問と虐待が日常化しているキューバのグアンタナモ米軍基地で地獄のような投獄生活を
何年も送っていた。ナンシーは真相を明らかにしようと調査を開始するが、9.11の重要人物と目されて
いたモハメドゥの弁護は、ナンシーにとっても決して低いハードルではなかった。対する軍の弁護士には
ステュアート中佐が待ち受けていた。モハメドゥは罪人か?本当に無罪か?正義を追究していくうちに
恐るべき陰謀によって隠された事実が明らかになる…。
無実なのにグアンタナモに16年も拘束され、結局起訴もされなかった男性とその弁護士、そして軍側で
彼を起訴することを強いられた軍属の弁護士の実話。
わざわざ米国の法も国連の目も届かないキューバに収容所を作っていることからも、確信犯的に違法な
捜査(拷問)をしていた訳で、それはまさに米国の闇であり、弁護士達に対する反感は「愛国の闇」と言える。
一方で文書の開示を請求しても真っ黒に塗ったものが出てくるのはどこかのお国と同じだが、それを覆す
だけの法の力がちゃんと守られており、報道がそれなりに機能している辺りは流石と言えますね。
ま、無罪の判決が出てからもオバマ政権に、更に7年も拘束されていた、というのは闇の深さを感じさせ
られますし、アメリカ政府の過失は大変な事ですが、こうして法を武器に無実の外国人のためにカネに
ならない仕事を担う人がいるところはアメリカの素晴らしいところでしょう
この十年間に数々の政府与党の疑惑が証拠不十分で不起訴になった私たちの国は、むしろこの国の法の支配
が大丈夫か襟を正すべきでは?日本でも政府の都合の悪いことに黒塗り文書の公開が記憶に新しい ☆☆☆★