『海街diary』などの是枝裕和監督が、『奇跡』以来の阿部寛と樹木希林とのタッグで、なかなか大人になれない男の姿を描く感動のホームドラマ?
全体的にゆっくりしたペースですが、ところどころ笑ってしまうところがあって、「カルピスのシャーベット」をスプーンでガシガシ削っても。
リリー・フランキーが安定のチョイ悪オヤジを演じても。良多(阿部寛)が、パンストの中からへそくりを出そうと懸命にもがいても。
樹木希林の演技力の素晴らしさを改めて実感した作品です。多分、ほかの監督なら「樹木希林」さんを、突然倒れたり、入院したりとするでしょう・・・が
監督の都合で、団地にドラマを起こしたりしません。せいぜいラストの台風くらい。こういうのを「品がある作品」というのだと思います。
ダメなお父さんを中心に、分かれた妻、小学生の子供、おばあちゃんのうち、見る人によって感情移入できるか変わってくると思いますが、心が温かく
なります。うまくいかなくても、それぞれ頑張っているんだと思いました。樹木希林さんの、どこまでアドリブなのかと思ってしまう切り返しが面白いです。
阿部寛さんのダメな親父っぷりも良かったです。 少し笑って・少し泣いて・・・ゆったりと流れる時間でした
よりを戻してほしいと願わずにはいられないラストでした。 ★★★★