障害年金社労士 吉野千賀 ブログ

障害年金など社労士の仕事を通して感じたこと、知って為になること、面白いことをよしの社労士事務所の代表吉野千賀が綴ります!

病気で働けなくなったらどうしよう 1

2011-10-18 | 社労士の労務管理
こんにちは!社労士の吉野千賀です。

日に日に涼しくなっていますが、いかがお過ごしですか?今日は曇り空ですね。

私は、秋の花粉症なのか、ただ寒いせいか、くしゃみがちです。


今日からしばらくは、病気やケガで働けなくなった時の社会保険について、書いてみます。

生活習慣病やうつ病などの精神疾患により、働けなくなるリスクは、働いている人全員が抱えています。
そのために、社会保険に加入して、保険料を払っているのですから、どういう給付があるのかは、知っておく必要がありますよね。


ケガや病気で働けなくなった場合、段階的に、複数のシステムでカバーされる仕組みになっています。

一般的には、下記のような流れで、治って復帰できるまで会社が支援したり、社会保険から給付がある仕組み になっています。

1 有給休暇を使う
2 長期間休む場合は、会社の休職制度を使う
3 4日以上働けない場合は、健康保険の傷病手当金がでる
4 長期間(1年半以上)働けない場合は、障害年金がでる

今日は、1の「有給休暇を使う」について、です。


1 有給休暇は何日?


休職制度は会社によって設定がマチマチですが、有給休暇は法律で定められている ので、必ず使うことができます。

正社員のみの特権ではありません。

アルバイトやパートさんのような短時間労働者も、労働日数に応じて有給休暇は取ることができます
アルバイト・パート・契約社員・派遣社員などに関係なく、労働者であれば取得することができるのです。

とても身近な制度なので、皆さんご存知かとは思いますが、法律で定められている有給休暇の日数は下記の通りです。

週5日以上または週30時間以上の場合、働き始めてから

6か月後 10日
1年半後 11日
2年半後 12日
3年半後 14日
4年半後 16日
5年半後 18日
6年半以上 20日   付与されます。ただし、全労働日の8割以上出勤の場合です。

アルバイトやパートさんも有給休暇がとれます。
たとえば、週3日勤務で年間の労働日数が121~168日の場合、

6か月後 5日
1年半後 6日
2年半後 6日
3年半後 8日
4年半後 9日
5年半後 10日
6年半以上 11日   付与されます。全労働日の8割以上出勤の条件は同じです。


2 入社して6カ月未満の間に病気になったら?

私は身体が丈夫じゃないので、すぐ風邪を引いたり、熱が出たりします。
入社して半年間も毎日健康で仕事に行ける自信は全然なかったです。環境も変わってストレスもかかりますしね。

なので、入社して6カ月の間に、病気になったらどうしよう、というのは、普通の人よりも心配していました。

会社によっては、病気休暇があったり、入社して3ヵ月目から有給休暇をとれたり、というところもあります。
が、一般的には、法律通りの規定を定めている会社が多いようです。

その場合は、残念ながら、欠勤(病欠)扱いとなって、働けなかった日数分はお給料から引かれる ことになるでしょう。

万一、1日や2日の風邪などではなくて、続けて4日以上働けない場合は、健康保険から傷病手当金が支給されることもあります。

または、会社の規定により、休職が認められることもあるかもしれません。


3 そもそも有給休暇は何のため?

まるで当然にように、病気やけがになった時に有給休暇を使う話をしています。が、それでいいんでしょうか?

本来の有給休暇の目的は、休養・休暇をとって、労働から解放された自由な余暇時間を過ごすためのものです。
リフレッシュに旅行へ出掛けたり、ゆっくり家族と過ごしたり、田舎へ帰ったり。。。

いわゆるワークライフバランスのため にあるんですよね。

私は、20年くらいの間、外資系の会社でたくさんの外国人と働いてきましたが、Expatと呼ばれる外国人社員は風邪や病気のために有給休暇を使うという発想がありませんでした。

ヨーロッパの多くの国では、病気休暇が有給休暇とは別にある のです。

たとえば、スウェーデンの会社にいた頃、スウェーデン人の社員が夏に3週間、お休みをとりました。
帰ってきたので、「休暇はどうだった?」と聞くと、うかない顔で「1週間、インフルエンザで寝込んでしまったんだ」とのこと。

驚いたのは、「だから、その1週間は別にお休みをとることにした」と言うんですね。

私は同じオフィスで同じように働いていても、日本の法律を適用した就業規則があり、ぎりぎりの有給休暇しかありませんでした。

入社して半年間は風邪で休んだら減給でした。しかも、10日くらいしかないので、旅行で5日、病気のために5日はストックしておく、という労働条件です。これで、スウェーデン人から風邪をもらってしまったら、泣くに泣けないではないですか。。。

それでも、日本の会社のように有給休暇がとりづらい雰囲気は皆無でしたから、100%消化できていましたが。

話がそれてしまいました。

日本の慣習では、有給休暇を病気やけがなどの不測の事態のために残しておいて、そのために使用することが多いので、本来の目的とはずれているのですが、病気やけがの時の第一段階として、ここに書かせてもらっている次第です。


4 有給休暇の取り方などで問題になること

今回は、病気やけがになったらどうしよう、というテーマなので、本来の有給休暇にまつわる諸問題はおいておきます。

朝、起きたら高熱がでていて、急きょ有給休暇をとって休むことにした。

この場合、厳しい会社では、「当日の連絡で、有給休暇は与えられない」と言われるかもしません。

会社の就業規則によりますが、通常は事前申請で有給休暇を与えることにしているのではないでしょうか。
これは、お休み中に誰かが当人の仕事をカバーすることを踏まえて設定している妥当な手続きです。

ですから、当日に連絡して「具合が悪いので、有給休暇を取りたい」ということを認めるのは、会社の温情とも言えます。
この場合は、事後請求として処理してくれます。

でなければ、残念ながら欠勤扱いになってしまっても、文句は言えないところです。


さて、明日は、病気やけがで働けなくなったら?シリーズ2の「会社の休職制度」 について書いてみます。


余談ですが、社労士は自営業なので、労働者としての恩恵を受けることはもうできません。
有給休暇も休職制度も傷病手当金も厚生年金もありません。

会社員だったころは、文句を言いながらも、やはり恵まれていたんだなぁと、しみじみ思ってしまいます。

それでも、誰かの命令で働いたり、人間関係に悩んだり、通勤ストレスからは解放されているので、どっこいどっこいでしょうか。

自分のペースで仕事ができるせいか、会社員だった頃に比べると体調は改善されて、風邪も引かなくなっています。

皆さんも、ストレスがかからないような生活方法を探して、健康に過ごしてくださいね!

See you tomorrow!

Chika Yoshino

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