障害年金社労士 吉野千賀 ブログ

障害年金など社労士の仕事を通して感じたこと、知って為になること、面白いことをよしの社労士事務所の代表吉野千賀が綴ります!

職場でのメンタル不調者への対応

2011-10-26 | 社労士のメンタルヘルス対策
こんにちは!社労士の吉野千賀です!

今日は風が冷たい日でしたね。昨日は暖かだっただけに、寒さが堪えます。そういえば、寒くなると、歩くの速くなりませんか?

昨日は、住吉のティアラこうとうで開催された「産業保健フォーラム2011」に参加してきました。産業保健の中でも4分の3は、メンタルヘルス対策でした。どの分野の企業でも、いかにメンタルヘルス対策が喫緊なのかを実感しました。

フォーラムの特別講演は、「現場ですぐに展開可能なメンタルヘルス対策ー現代型うつへの対応を含めて」という筑波大学大学院の松崎一葉先生の講演でした。

非常に興味深く聴きました。宇宙飛行士のメンタルヘルス対策のお話もありました。いかにストレス耐性に優れている人を宇宙飛行士として選抜するか、ということが大事だそうです。そこは、メンタルヘルス対策の重要なポイントだと思いました。

私たちはみんな、大小様々なストレス要因に囲まれて生活していますよね。その中で、自分で意識して考え方を変えることにより、ストレス耐性を向上していく努力は必要なのかもしれませんね。

ちなみに、私は、いやなことがあるとその場はスルーして、その後も、そのことはなるべく考えないように、何か気分を変えられるようなこと(ウインドウショッピングなど)を努めてするようにしています。

その「いやなこと」にいつまでも執着しないように、自分の心をコントロールすることが重要と思います。

今日は、職場でのメンタル不調者への対応について書いてみます。


1 どこからが病気なのか?

誰でもストレスを抱えて仕事をしていますよね。

私も会社員時代を振り返ると、朝の通勤ラッシュが苦痛だったり、会社へ行くのがイヤだなぁ、と思うことはしょっちゅうありました。

実際、体調が悪くて、午前中は休んだりすることもありました。

他の病気で体調が悪い、ということもありますよね。単に風邪かと思って休んだら、全然治らなくて会社へ行けず、うつ病と診断されることもあるかと思います。

どこからが「うつ病」と言われる病気なのでしょうか?

最初に気づくべきは上司や同僚、と言われていますが、医学的な専門知識のない上司や同僚が適切に対応できるのでしょうか?

うつ病などの気分障害、不安障害、発達障害などのうち、軽度の症状は探せば誰にでもありそうな気がします。

何かに妙にこだわりを見せたり、何かに依存したり、閉所や高所恐怖症、トラウマなど、程度の違いはあっても、探せば誰にでもありそうです。何もない人の方が少ないかもしれません。

私は精神科医の話を聞けば聞くほど、どれもこれも軽度ながら自分も何らかの病気にあてはまる、ような気がします。

松崎先生は、講演の中で、「職場で気づくポイントは、普段から早めに出勤している人が、時間ギリギリに出社したり、1・2分くらいの遅刻を繰り返すようになる」とおっしゃっていました。

うつ病の症状として、「何をやるにも億劫になる」が顕著になるそうです。

億劫で朝の準備ができない→ギリギリまでやらない→結果、遅刻として現れる

そこで、心配した上司が、遅刻を咎めるのではなく、どうしたのか?と聞くことの難しさを感じます。

夜に眠れず、朝起きられず、遅刻してしまう、ということも考えられます。

よく言われていることですが、「夜、眠れているのか、食事はしているのか」を聞いて、眠れない・食べられない状態が長く続いている ようなら、念のため、クリニックへ行ってみたら?と促してみましょう。

試しに、遅刻がちな部下や同僚と一緒にランチを食べてみてください。完食していれば、問題ないかもしれません。

職場から病院へつなぐところまでが、会社に求められる安全配慮義務の第一段階と考えます。


2 本人が病院へ行かない場合は?


病院の受診を促しても、「いや、大丈夫ですから。」と一蹴されては、それ以上言えなくないですか?

「心配だから、xxx病院へ行ってみたら?」←業務上、というより、個人的に心配していることを伝える。

「眠れないなら、xxx病院に行ってみたら?」←病気よりも、睡眠がとれないことが治るようなニュアンス。

何度か促して、早めに受診すると、休職まで至らずに回復することもあるようです。

うつ病は10人に1人が罹患しているそうです。誰にでも罹りうる病気で特別なわけではありません。自分の部下がメンタル不調になったのは自分のせい、と思わない方がいいですよ。

それでも、病院へ行かず、遅刻や欠勤を繰り返し、メンタル不調の様子がある場合は、どうしたらいいでしょう?

会社として、勤怠記録などのデータを元に、きちんと注意する。←注意点は、感情的にならないこと

病気ならば、休職発令も考えられるので、きちんと受診して診断書をとってくるように、と伝える。

勤怠記録や休職発令というと、当然、人事総務も絡んできます。現場だけで解決しようとしないで、人事総務や産業医に相談しながら、対応することが重要です。

だからといって、面倒になって、人事総務に丸投げするのもどうかと思います。

「本人を心配している」というスタンスで接し続けることが、重要なポイントではないでしょうか。


明日は、休職中の対応 について書いてみます。

昨日、フォーラム後に、江東区の猿江恩賜公園を散歩しました。江戸幕府公認の貯木場だったそうで、その名残は小さく残されて、おじさん達が釣りを楽しんでいました。東京の公園めぐりは、これからも続きそうです。

See you tomorrow!

Chika Yoshino


よしの社労士事務所 吉野千賀

http://www.cyoshino-office.com/
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コメント
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