障害年金社労士 吉野千賀 ブログ

障害年金など社労士の仕事を通して感じたこと、知って為になること、面白いことをよしの社労士事務所の代表吉野千賀が綴ります!

病気で働けなくなったらどうしよう 4

2011-10-21 | 社労士の障害年金
こんにちは!社労士の吉野千賀です!

昨夜は、お金のセミナー「老後に備える」を受けてきました。

ねんきん定期便から遺族年金の額を計算して、必要な額だけ生命保険に入る。
健康保険の傷病手当金の額を把握して、必要な額だけ医療保険に入る。
老後の年金額を見積もって、足りない分を個人年金や終身保険に入る。  

など、社会保険を組み合わせた保険の入り方の提案は、社労士&FPとしても是非提案してきたい分野です。



さて、今日も「病気やけがで働けなくなったらどうしよう」シリーズです。

一般的には、下記のような流れで、治って復帰できるまで会社が支援したり、社会保険から給付がある仕組み になっています。

1 有給休暇を使う
2 長期間休む場合は、会社の休職制度を使う
3 4日以上働けない場合は、健康保険の傷病手当金がでる
4 長期間(1年半以上)働けない場合は、障害年金がでる

今日は、4の障害年金 についてです。

おさらいですが、風邪や体調不良で1日2日、あるいは1週間くらいお休みする場合は、日本の慣習ですと有給休暇を利用する場合が多いです。

もっと長引いてしまう場合は、会社の規定(就業規則)により、休職制度を利用させてもらうことになるでしょう(決めるのは会社)。4日以上仕事ができない場合は、健康保険から所得保障として傷病手当金がでますから、休職中の生活は傷病手当金でなんとかなるかな、というところでした。

傷病手当金は1年6カ月支給されます。その後をつなぐ制度として、障害年金の制度があります。


1 障害年金ってうつ病や生活習慣病でももらえるの?

もちろん、もらえます。

傷病手当金の後をつなぐ制度としての役割上、うつ病や生活習慣病(三大疾病など)で長期間働けない場合 に、支給されます。

健康保険の傷病手当金というと、感覚として「病気の時にもらえるんだな」と思いますよね。


ところが、障害年金というと、どうでしょう。

なんだか、交通事故にあったり、日常的に車いすを利用するなどの状態でないと該当しないのでは?と思いませんか?

健康保険の傷病手当金と比べると、申請の手続きが複雑だったり、窓口も年金事務所になったり、年金の仕組みを理解していないと難しいところがあります。

でも、多くの人が罹患する生活習慣病やうつ病などにより、働けない状態が続いている場合は、障害年金を受けることができます


2 障害年金はどうすれば受けることができる?

障害年金を受けるには、3つの条件↓があります。

1 初診日はいつ だったか。← その病気で初めて病院へ行った日。たいてい、近所や会社近くのお医者さん。

2 初診日前までに、保険料は納めていたか。← 会社員であれば、問題ありません。

3 障害認定日に障害等級に該当しているか。← 医師の診断書で判断します。


上記の条件を全てクリアすればいいのですが、簡単にいかないことが多々あります。


3 初診日はいつ?

まず、1の初診日です。

初診日を証明する ことが必要になります。

2・3年前でその病院もまだ存在して、カルテもあれば、問題ありません。初診日を証明する書類をその病院で書いてもらえます。

カルテの保存は5年と法律で定められているので、5年以上前の初診日になると、病院によっては証明できないこともあります。その時には、証明できないことを証明する書類を書いてもらいます。

いずれにしても、初診日を確定しないと、次のステップに行けません から、社労士としては様々な手段で病院の証明をもらう手助けをすることになります。


4 保険料は納めていたか?

これは、年金事務所で簡単に調べることができます。

ねんきん定期便も届いていますから、自分でも調べられますね。

会社員の場合は、まず問題ないでしょう。

国民年金の場合は、納付率59.3% という数字もでており、4割の方が未納ですから、納付要件に該当しない方がでてきますね。

いずれにしても、初診日がいつだったか、を思い出して、その初診日前12か月に未納がなければOKという緩和措置もあります。(本来は、全体の3分の2以上の納付が要件です。)


5 障害認定日に障害等級に該当しているか?

初診日から1年6カ月後が障害認定日です。

障害認定日がいつか?を知るためにも、初診日がいつか、を確定する必要があるわけです。

その障害認定日に、厚労省で決めている障害等級に該当していないと、障害年金は受けることが難しくなります。

会社員の場合の厚生年金では、1級~3級
自営業の場合の国民年金では、1級と2級  です。

ざっくりですが、

1級:身体の機能障害または長期間安静が必要なため、日常生活を送るために、他人の介助が必要な状態
   例えば、入院しているなら病室のみが活動範囲、ご自宅にいるなら寝室が主な活動範囲の状態。

2級:身体の機能障害または長期間安静が必要なため、日常生活に著しい制限があり、他人の介助は必要ない。
   働いて収入を得ることができない状態。
  例えば、簡単な家事などはできるが、入院しているなら病棟が活動範囲、ご自宅にいる場合は家屋内が活動範囲である程度の状態。

3級:仕事をするうえで支障が生じ、著しい制限があったり、著しい制限を加えることが必要な程度。


上記の障害状態を証明するために、医師の診断書(障害年金専門のもの) が必要となります。


6 障害年金っていくらもらえるのか?

ここは重要ですね。基本的には、老後の年金とほぼ同じです。

国民年金の2級は、満額の老齢年金と同じ額です。年額788,900円、月額 65,741円 です。
これに、高校生までの子どもがいれば、加算があります。

国民年金の1級は、2級の1.25倍です。年額 986,100円、月額 82,175円ですね。 子どもの加算は1.25倍ではありません。

厚生年金は、国民年金にプラスして加算されます。加算額は、お給料により上下します。お給料の額により、保険料も違うので、仕方ないですね。配偶者加算があります。

ざっくりと、35歳会社員で、給料30万、妻とお子さん3名の場合は、2級で200万くらいです。

厚生年金3級は、60万くらいです(年額)。



障害年金だけで生活することは難しいかもしれません。家族で支え合っているのが現状です。それでも、治療費や生活費には大いに役立つものと思われます。


傷病手当金はほとんど会社が手続きしてくれます。それと比べても障害年金は準備する書類も多いし、ハードルが高くなります。

ご自分ですべてを行うのは困難かと思われますので、是非、社会保険労務士に相談してください。


See you next week!

Chika Yoshino


よしの社労士事務所 吉野千賀

http://www.cyoshino-office.com/
障害年金請求サポート
コメント
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