障害年金社労士 吉野千賀 ブログ

障害年金など社労士の仕事を通して感じたこと、知って為になること、面白いことをよしの社労士事務所の代表吉野千賀が綴ります!

病気で働けなくなったらどうしよう 3

2011-10-20 | 社労士の労務管理
こんにちは!社労士の吉野千賀です!

昨日は夕焼け がきれいでした。夕方の短い間でしたが、ご覧になりましたか?

昨日は、丸の内で開催された「短時間正社員シンポジウム」に出席しました。終了後、丸の内を歩いていたら、皇居の方からの夕焼けがとてもきれいで、ビジネスマンの皆さんも足を止めて、携帯写真を撮っていましたよ。

短時間正社員シンポジウムは、基調講演が東京大学の佐藤博樹先生だったので、楽しみにして参加しました。佐藤先生の講演はいつも興味深いのですが、昨日は30分と短くて残念でした。2時間くらいは聞きたかったです。

その後は、日本ユニシスさんや三菱UFJリサーチ&コンサルティングさんなど、大企業での成功事例の発表がありました。改めて、日本の大企業って本当に恵まれた環境でお仕事されているんだなぁ、と感じました。

それはともかく、短時間正社員制度の導入は、パートやアルバイトと正社員との格差の解消にもなるし、正社員にとっては育児や介護との両立ができることで退職しなくて済むし、メリットが多いと思います。社労士として、導入に協力していきたく思います。

さて、今日も「病気やけがで働けなくなったらどうしよう」シリーズです。

一般的には、下記のような流れで、治って復帰できるまで会社が支援したり、社会保険から給付がある仕組み になっています。

1 有給休暇を使う
2 長期間休む場合は、会社の休職制度を使う
3 4日以上働けない場合は、健康保険の傷病手当金がでる
4 長期間(1年半以上)働けない場合は、障害年金がでる

今日は、3の健康保険の傷病手当金 についてです。


1 傷病手当金ってどんな制度?

健康保険には、全員加入されていることと思います。が、「傷病手当金」のことはご存じない方がほとんでではないでしょうか。

健康保険のメイン給付は、皆さんご存じのように、医療費の7割負担や、入院した時などの「高額療養費」の支給です。

このような病院関連の支給とは別に、「傷病手当金」といって、病気で働けなくなった時の所得保障制度 もあります。

残念ながら、自営業の方が入っている国民健康保険には、「傷病手当金」の支給がないことがほとんどです。
会社員が加入している協会けんぽや健康保険組合には「傷病手当金」制度があるのです。

ですから、病気やケガで入院したり、その後自宅療養しても、会社員であれば、所得保障があることを踏まえて、民間の保険に加入するといいでしょう。

保険の見直しを考える際は、是非とも、このことを思い出してくださいね。


2 傷病手当金を受けるには?

傷病手当金が支給される条件は3つです。

1 療養のために働けない こと

病院へ行って保険給付を受けていることに限らず、自費診療や自宅療養(医師の診療を受けない自宅での静養期間)でも対象になります。が、美容整形手術などの自費診療により労務不能となっても支給されません。

支給申請書には、医師の意見を記入する欄がありますから、医師の診断は必要です。


2 労務不能 であること

今までやってきた業務に就けない状態 が該当します。

例えば、休業中に家業の副業を手伝ったり、内職したり、一時的に軽微な仕事をした場合は、どうでしょうか?

この場合は、もらった賃金との差額が支給されます。

会社に半日出勤して、今までやってきた業務に就いたり、配置転換でやや軽い業務に従事する場合は、支給されません。


3 休んだ4日目から支給

労務不能の日が連続して3日経過した後(=4日目)から、支給されます。

この3日間に有給休暇を取得した場合は、どうでしょうか?

有給休暇を取得しても、公休日が含まれていても、3日間としてカウントします。


傷病手当金の申請は、会社の人事部に相談するといいでしょう。人事でサポートしてくれるはずですから。


3 傷病手当金の支給額は?

傷病手当金の額は、お給料の3分の2 に相当する金額です。働けなかった1日につき、支給されますから、日額です。

例えば、お給料が30万の場合、傷病手当金は6,667円/日となります。

1か月休んだ場合は、6,667円×30日=約20万円 が支給されます。

30日に土日も含むのは、雇用保険と同じです。

会社によっては、病気やケガで休んだ場合でもお給料がでることもあるでしょう。その場合は、傷病手当金は支給されません。

病気やケガで働けない場合の所得保障制度ですから、仕方ありませんね。お給料が一部出る場合は、差額が支給されます。

健康保険組合によっては、3分の2+α を支給するところもあります。

ご加入の健保組合でご確認ください。


4 傷病手当金の支給期間は?

傷病手当金の支給期間は、4日目~1年6カ月です。

例えば、途中で復職して3ヵ月勤務し、その後再発しても、1年6カ月の期間は伸びません。

また、1年6カ月の間に退職しても、そのまま続けて支給されます。

たぶん、1か月以上も働けなくなると、有給休暇の消化も終わって、会社としては、休職扱いにすることと思います。その場合は、支給開始~1年6カ月 です。

その間、お給料の3分の2の所得保障をして、回復して復職するのを待つ、という手厚い社会保険制度です。


私の父がもう高齢なのですが、6月に心臓のバイパス手術を受けました。

入院期間は3週間でした。

最初の1週間は手術前の各種検査。残りの2週間は、手術後3日間の集中治療室後はリハビリに当てられました。

退院後、通常の生活に戻るまで、3ヵ月くらいかかりました。8月には電車に乗って、外出できるようになりましたよ。


現役で働いている方は、このような心臓の大手術でも、もっと回復が早いかもしれませんね。

そうすると、1年6カ月という期間は、かなり余裕を見た期間と言えるかもしれません。

メンタル不調の場合は、復職後に再発してしまうこともありますが、それでも1年6カ月の間は所得保障もあるし、いろいろ不安に思わずに治療に専念して欲しい と思います。


1年6カ月を過ぎても、まだ回復して仕事ができない状態が続いている場合は、4の障害年金が支給されます。

障害年金については、明日、書くことにします。


See you tomorrow!

Chika Yoshino



よしの社労士事務所 吉野千賀

http://www.cyoshino-office.com/
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コメント
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