ミネラルウォーターの売り上げは、毎年伸びる一方だ。一人当たりの消費量は年間27リットルと、15年前に比べると3倍近くになるという。スウェーデン製のミネラルウォーターはもちろん、隣国ノルウェー製のものや、フランスやイタリアから遥々運ばれてくるものもある。一方、スウェーデン製のミネラルウェーターは国外にも輸出されている。
スウェーデン製のRamlösa
(ちなみに、売り上げが伸びているとは言っても、ヨーロッパ内では25位とかなり低い。1位はイタリアで200リットル、その後にスペイン、フランス、ベルギーと続く)
一方、スウェーデンの水道水は、一般にとても水質が良いといわれている。ヨーロッパの中でも有数だとか。広大な自然から良質の地下水がとれるし、人口も少なく汚染源が限られているためだろう。上記の通り、スウェーデンのミネラルウォーター消費量は他のヨーロッパ諸国と比べたらかなり低いが、一つの原因は良質の水道水があることだろう。
とはいえ、消費量が伸びている事実は確かである。これは大きな無駄遣いではないか、と指摘する声があるが、もっともだ。まず、ペットボトルの使用によりゴミが増える。それに加え、トラック輸送に莫大な量のガソリンが消費されるので、エネルギーの無駄遣いになる。さらには、水道水に比べたら1000倍以上値段が高い。
スウェーデンの水道水がそれだけ良質なのだから、一番いいのは水道水を飲料水にしたり、ペットボトルに入れて持ち歩くこと。ストックホルム大学の地質学のAnders Nordström教授も「スウェーデン人がミネラルウォーターを買わなければならない理由は全くない。スウェーデンの水道水は世界一とも言えるほどだから。」と断言した上で、「むしろ、ミネラルウォーターのほうが塩素やナトリウムの濃度が高いケースが多い。ペットボトルからも微量の化学物質(アンティモン)が流出している。」と指摘してる。
ストックホルム消費者協会の試算によると、去年一年間にミネラルウォーターの輸送のためにトラックから排出されたCO2は3.4万トンと、12500台の自動車の年間排出量に匹敵する、という結果が出ている。
アメリカでも一人当たりの年間消費量は125リットルと多い。その一方で、アメリカの多くの地域の水道水も良質で飲料水に適しているという。サンフランシスコでは、市長の提案で、今年の7月から行政機関でのミネラルウォーターの販売や設置は禁止され、職員は水道水を飲まざるを得なくなったという。ここでの根拠も、莫大な量のペットボトル廃棄物と輸送エネルギーの削減らしい。ただ、地元のミネラルウォーター業界の反発は根強い。ニューヨークでも、ミネラルウォーターをレストランで出すことを止め、水道水をフィルターに通したり、自前で炭酸化してテーブルに並べる動きもあるという。
スウェーデンでは特に目立った動きこそないが、多くのレストランでもミネラルウォーターではなく水道水がテーブルに並んでいることが多い。だから、今後の課題は、家庭や職場、外出中でのミネラルウォーターをいかに駆逐していけるか、ということだろう。温暖化対策や省エネへの関心の高まりと共に、無駄な長距離トラック輸送は極力減らそう! 生鮮食品や牛乳もなるべく地元の物を購入しよう! という動きが広まりつつある。ミネラルウォーターも例外ではない。
環境党(Miljöpartiet)所属で私より少し若いある議員のブログには、「スウェーデンでミネラルウォーターをペットボトルに入れて売るのは、サハラ砂漠で砂をビンに詰めて売るのと同じ」との皮肉が書かれていた。全くその通りだ。
一方、スウェーデンのボトル飲料水製造業者協会のホームページを見てみたら、「消費者はあえてミネラルウォーターを選んでいるのに、水道水を飲めと強いるのは非論理的だ」と不快感をあらわにしている。そう、最終的には消費者が選択権をもっているのだ。でも待てよ・・・、彼らは水道水とミネラルウォーターをちゃんと飲み比べた上で、あえてミネラルウォーターを選んでいるのだろうか・・・!? それより、むしろ広告や習慣につい流されているだけなのではないのだろうか・・・?
(注:スウェーデンの水道水の水質は良い、と書いたものの、水の硬さ・柔らかさが日本人の体質に合うかどうかは分かりません。ちなみに私自身は、困ったことはありませんが。)
スウェーデン製のRamlösa
(ちなみに、売り上げが伸びているとは言っても、ヨーロッパ内では25位とかなり低い。1位はイタリアで200リットル、その後にスペイン、フランス、ベルギーと続く)
一方、スウェーデンの水道水は、一般にとても水質が良いといわれている。ヨーロッパの中でも有数だとか。広大な自然から良質の地下水がとれるし、人口も少なく汚染源が限られているためだろう。上記の通り、スウェーデンのミネラルウォーター消費量は他のヨーロッパ諸国と比べたらかなり低いが、一つの原因は良質の水道水があることだろう。
とはいえ、消費量が伸びている事実は確かである。これは大きな無駄遣いではないか、と指摘する声があるが、もっともだ。まず、ペットボトルの使用によりゴミが増える。それに加え、トラック輸送に莫大な量のガソリンが消費されるので、エネルギーの無駄遣いになる。さらには、水道水に比べたら1000倍以上値段が高い。
スウェーデンの水道水がそれだけ良質なのだから、一番いいのは水道水を飲料水にしたり、ペットボトルに入れて持ち歩くこと。ストックホルム大学の地質学のAnders Nordström教授も「スウェーデン人がミネラルウォーターを買わなければならない理由は全くない。スウェーデンの水道水は世界一とも言えるほどだから。」と断言した上で、「むしろ、ミネラルウォーターのほうが塩素やナトリウムの濃度が高いケースが多い。ペットボトルからも微量の化学物質(アンティモン)が流出している。」と指摘してる。
ストックホルム消費者協会の試算によると、去年一年間にミネラルウォーターの輸送のためにトラックから排出されたCO2は3.4万トンと、12500台の自動車の年間排出量に匹敵する、という結果が出ている。
アメリカでも一人当たりの年間消費量は125リットルと多い。その一方で、アメリカの多くの地域の水道水も良質で飲料水に適しているという。サンフランシスコでは、市長の提案で、今年の7月から行政機関でのミネラルウォーターの販売や設置は禁止され、職員は水道水を飲まざるを得なくなったという。ここでの根拠も、莫大な量のペットボトル廃棄物と輸送エネルギーの削減らしい。ただ、地元のミネラルウォーター業界の反発は根強い。ニューヨークでも、ミネラルウォーターをレストランで出すことを止め、水道水をフィルターに通したり、自前で炭酸化してテーブルに並べる動きもあるという。
スウェーデンでは特に目立った動きこそないが、多くのレストランでもミネラルウォーターではなく水道水がテーブルに並んでいることが多い。だから、今後の課題は、家庭や職場、外出中でのミネラルウォーターをいかに駆逐していけるか、ということだろう。温暖化対策や省エネへの関心の高まりと共に、無駄な長距離トラック輸送は極力減らそう! 生鮮食品や牛乳もなるべく地元の物を購入しよう! という動きが広まりつつある。ミネラルウォーターも例外ではない。
環境党(Miljöpartiet)所属で私より少し若いある議員のブログには、「スウェーデンでミネラルウォーターをペットボトルに入れて売るのは、サハラ砂漠で砂をビンに詰めて売るのと同じ」との皮肉が書かれていた。全くその通りだ。
一方、スウェーデンのボトル飲料水製造業者協会のホームページを見てみたら、「消費者はあえてミネラルウォーターを選んでいるのに、水道水を飲めと強いるのは非論理的だ」と不快感をあらわにしている。そう、最終的には消費者が選択権をもっているのだ。でも待てよ・・・、彼らは水道水とミネラルウォーターをちゃんと飲み比べた上で、あえてミネラルウォーターを選んでいるのだろうか・・・!? それより、むしろ広告や習慣につい流されているだけなのではないのだろうか・・・?
(注:スウェーデンの水道水の水質は良い、と書いたものの、水の硬さ・柔らかさが日本人の体質に合うかどうかは分かりません。ちなみに私自身は、困ったことはありませんが。)
ありがとうございます。
・微生物などの繁殖を抑える
といったところでしょう
突然で、申し訳ないのですが質問をさせてください。
スウェーデンで、ミネラルウォーターで注文するとガス入りが 出てきますが、なぜなのでしょうか?
教えて下さい。
www.slv.se
また時間のあるときに見てみますね。
実は私もここで売られている野菜などの農薬について以前から心配でした。有機栽培の物を買う・・・まではないのですが、どのくらい農薬が使われているのかが分からなくて。でも調べ方がまだ見つかっておらず、分からないまま購入しています。一応、野菜は水に一定時間浸して使うようにはしているのですが・・・。Yoshiさん、スウェーデンの野菜・肉・魚について何か聞かれたことはないでしょうか?またどなたかご存じの方はおられませんか?
いつも皮ごと食べていますね。
スウェーデンに入ってくる果物にはスウェーデン産だけでなく、スペインやイタリアや、中南米やアフリカなどから来るものも多くありますよね。遠くから運ぶためには、やはり防腐剤などの散布がされているのではないかと思えて仕方がありません。
またいくらスウェーデン産でも商品化するために栽培されている果物には少なからず農薬が使われているのではないかと思うのですが、まだハッキリしたことは知りません。
それにしても「皮は栄養たっぷりよ」とのコメントは面白いですね。私も経験ありますが、スウェーデン人が「健康にいい」と言ったとき、①実際にミネラルや栄養分を豊富に含むことを指すこともあれば、②単に繊維質が多いということもあるし、はたまた③単に脂肪分が少ない、ということもあるので、話半分に聞いておいたほうがいいかもしれませんよ。
ある友達は「クネッケブロードは体にいい」と私に言いましたが、おそらくこれは②や③のことだとでしょうし、別の友達が「パスタはアルデンテに茹でたほうが体にいい」と言ったときは、おそらく②のことを指していたんだと思います。
これからもよろしく
少し内容と違うのですが、この秋からストックホルム大学に留学中で、いっつも気になってるのは、みんながリンゴやらマスカットやらをぼりぼり皮ごと食べてることです。
一回「汚いよ~、農薬ついてるよー。」と言ってみたら、「それは、日本の話でしょ。農薬なんてないよ。皮は栄養たっぷりだよ。」ってかえってきました。あんまり、一つの商品に関して競合してる相手も日本より少なそうだし、雑草も害虫も育ちにくそうだしホントなのかなあ、と最近思ってきました。事実とすれば、リンゴの皮をむくのは、ソフトクリームのコーンを剥ぐのと同じ??やっぱり、一般農家の農薬使用量は日本と比べてもずっと少ないんでしょうか。
そうですね。塩素の臭いなんて、夏でもほとんどしませんね。
京都に4年ほど住んでいたときには、塩素の臭いがきつくて、米を炊いても全然美味しくなかったです。だから、せめて米を炊く水にはミネラルウォーターを使っていました。
私の実家のある鳥取県米子市の水道水は、地下水を使い、消毒もごく微量できれいだということでしたが、それでも実家では山のふもとのきれいな湧き水を飲み水に利用していました。
硬水と軟水の違いがあるかもしれませんが、きれいなみ水であることには間違いなさそうですね。