スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

笑う子も怯える ボンバルディア機

2007-09-22 05:36:31 | コラム
今年3月に伊丹発 高知行きの 全日空機の前脚の着陸装置が故障し、高知空港に胴体着陸をした。カナダ・ボンバルディア社製のDHC8-Q400型機だった。(別名Dash 8-Q400)
高知新聞社

それ以前にも、主脚や前輪部分などを中心にトラブルが続出していたという。
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そして、また同様のトラブルがSAS(スカンディナビア航空)の同型機で起きている。
写真の出典:SVT
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9月9日、デンマークのコペンハーゲンからオールボー(Ålborg)へ飛行中のSASの国内線機が、着陸直前になってから着陸装置に欠陥があることが判明。前脚を出したものの、固定を確認する表示が点灯しなかったのだ。空港上空を旋回し、燃料を使い切ってから、緊急着陸に踏み切った。

両脚を着地させたものの、右脚がボキッと折れ、エンジン、プロペラ、胴体を地面に接触させてしまった。そのまま、半円を描いて停止した。地面に叩きつけられ舞い上がったプロペラ片は客室内にも到達した。エンジンに引火したものの、消火活動が速やかに行われた。

73人の乗客乗員は無事脱出。大事には至らなかった。

ニュースに使われた動画 ← 鮮明です

その3日後の9月12日、今度はコペンハーゲンからリトアニアのリゾート地Palangaに向かっていた、同じくSASの同型機が飛行途中に着陸装置から異常がみつかり、首都ビリュニスに緊急着陸した。その際に、3日前と同様、脚が折れる事態となった。乗っていた52人全員は無事脱出した。

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デンマーク・スウェーデン・ノルウェーの国内線および国際線を網羅しているSAS(スカンディナビア航空)はこのDHC8-Q400型機を27機所有し、短距離路線に用いているが、この事件のあと、同型機の飛行をすべて取り止めている。

事故後の調査の結果、脚を固定しているボルトが錆(サビ)のために折れたことが分かった。

他の同型機25機の点検も行ったところ、これらのボルトにも同様のサビ侵食が見つかった。

SAS側は「メンテナンスのマニュアルに沿って、きちんと整備を行ってきた。問題となったボルトは15000時間の飛行の後に点検することとなっているが、まだその飛行時間に達していなかった。」と弁明する。世界中では同型機が200機ほど使われており、そのうち5割から8割に同様の問題があるものと見られている。

SASは事故以来、毎日100便近くの欠航を余儀なくされている。一日当たりの損失は1000~1500万クローナ。SASは今年の5月に大規模なストにあい、大きな損害を出したばかり。果たしてこの先、大丈夫か・・・?

そもそも、日本であれだけ同型機のトラブルが相次いだのだが、その際に何か対策は取られていたのだろうか・・・?

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<<<<速報>>>>
上の記事を掲載した直後、新たなニュースが入ってきた。
ドイツの航空会社Augsburg Airwaysが所有するまたもや同型機がミュンヘン空港に緊急着陸。速報のみで、詳しいことは不明。(9月21日23:05)

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3 コメント

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Unknown (hiro4)
2007-09-23 21:17:42
エントリ内容とは関係が無いのですが。

リンク先の映像はどうも関係者撮影では無いように見えます。Planespottersによるものでしょうか。
燃料を減らすべく旋回していたそうですから、航空無線をウオッチしていたマニアがやって来たんでしょうね。
旅客機マニアと言う人たちも少なくないそうで、珍しい機種に乗るべく遠征したりするそうです。
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Unknown (Yoshi)
2007-09-26 07:13:25
なるほど。
私はてっきり、不測の事態発生、の報を受けたデンマーク・テレビのカメラマンが、地上で待ち構えていたのか、と思いました。

なるほど、無線傍受でもしないと、そんな情報は得られなかったのでしょうね。
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Unknown (hiro4)
2007-09-26 23:56:13
えーと、報道関係者なら金網越しにならないと思いましたので。
ホームビデオもハイビジョン時代ですから、綺麗に撮れます。
TV関係の可能性もありますが・・・・。
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