ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
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韓国史劇風小説「天皇の母」190(時限爆弾のフィクション4

2015-07-10 07:36:00 | 小説「天皇の母」181-

ただいま

学校から帰って来たマコは,

いつにない静寂を感じた。

「お母様はご公務?」

「いえ・・・今、宮様のお部屋に」

そう答えたのは古参の侍女で、書斎を指さす。

そう。じゃあ、ご挨拶

「それはおよしになった方が

どうして?」

なにやら御二方で悩んでおられます」

侍女は小さな声で囁いた。

歌会始の歌の事。最後の最後なんです。で、お二人とも同じようなお歌を詠まれて。

ええ、とっても微笑ましいと思いますわ。だけど」

何ていうお歌?」

コウノトリのお歌だそうです

コウノトリ。どんなかしらね

マコさま、お聞きになったら私にもこっそり教えてくださいませ。コウノトリといえば

両殿下は9月にコウノトリの里を訪問されてます。きっとその時の事を歌われたんでしょう

うまく出来ないのかしら」

いえ・・・」

侍女はマコのコートを受け取りブラシをかけてハンガーにつるしていく。それから

お茶の準備をし始める。時折、若い侍女を呼びつけてテーブルをふかせたり、

なかなかに忙しい。が、彼女の口もまた忙しく動いていた。

何でもお二人が同時にコウノトリの歌を詠まれたのが問題のようで。

コウノトリといえば、ほら・・・・ねえ・・・」

マコはよくわからないといった顔をしたが、それでもそれが東宮家に関わる事なのだと

いう事はうすうす気づいていた。

この所、東宮家に関する話はタブーだし、両親は言葉の一つ一つを選んで

話すようになった。

皇太子妃の誕生日。突如夕食会のキャンセルが来たのが1時間前で

準備が整っていた両親は、ため息をついて着替えていたっけ。

 

お姉さま。早くおやつを食べましょうよ」

勢いよくカコが声をかけてきたので、マコはそちらを向いた。

と、同時に書斎のドアがあき、母が出てきた。

お帰りなさい。マコ。早く着替えていらっしゃい。カコちゃんが手を洗って

何も変わったところはみえなかったのだが。

 

12月も中旬になると、恒例の「皇室ご一家」写真とビデオの撮影がある。

その日はマコもカコもおめかしをして参内する。

といってもいつも、パステルカラーの姉妹お揃いのワンピースだったり

ツーピースだったりするのだが。

カコはいつも平凡な形のワンピースを嫌って、何かかにか自分流に

アレンジをしょうとする。好みもはっきりしていて、それを押し通そうとするのだが

母に阻止される。

大きくなったら私、思い切りおしゃれしちゃう

カコはそんな風に言ってる。

マコはどちらかといえば、与えられたものを着るだけでよかった。

贅沢しようとは思わないし、何よりもその場にあってさえいればと考える。

カコみたいに髪型がどうの、リボンがどうのと考えられる頭脳はないなあと。

年に一度の撮影は祖父母に会えるのでマコもカコも好きな行事ではあったが

アイコが生まれてからというもの、一種の「苦行」になってしまった。

一つは皇太子一家の到着がいつも予定より遅れる事。

そしてもう一つはアイコの機嫌を取り結ぶのが大変である事。

予定が遅れるといっても1分や2分ではない。

一時間も二時間も平気で遅れるのだ。

天皇も皇后も公務に追われ、プライベートな時間があまりない。

その中でぎりぎり時間をとっているのだが、皇太子一家はとにかく時間を守らない。

アイコが生まれる前は、撮影の合間に天皇が話し相手をしてくれたり、一緒に遊んで

くれて、それが映像になって流れるという事もあったが、今では祖父母は

とにかく皇太子一家が何事もなく皇居に到着するかどうかで気もそぞろと言った感じだ。

アイコはいつもフランス製の恐ろしく高級な服を着ていて

皇太子妃はそれを自慢したいのか、毎年

そちらはどこで服を買うの?」と聞いてくる。その度に母は

さあ・・・どこだったかしらね」と笑うのだが、皇太子妃は

ベビー服はフランス製がいいと思わない?」などと畳み掛けてくるのだ。

そうでしょうね。娘達はもう大きくて。妃殿下が羨ましいわ」などと母は答えるが

内心はどう思っているのか。

カコはライバル心を燃やしているのか、そおっとアイコのレースに触ろうと

したりするのだが、「汚れるから」とマサコはその手を払いのける。

私の手は綺麗よ」と小さなカコは言うのだが、慌てて母が「ごめんなさいね」と

謝る。

失礼なのは皇太子妃の方だとマコは思ったけど、母の困った表情を見ると

可哀想になってカコの手を引っ張る。

ダメったらダメなの」

父は素知らぬ顔で聞こえないふりをするし。

こんな時、マコもカコも自分達がとても傷ついている事を感じる。

小さい頃から「皇族というのは国民に尽くす存在」であると教えられてきた。

公の場に出ない限りは普通の家と同じであると。

贅沢をしてはいけない。それは国民の税金なんだからとも。

そんな皇族の常識をことぼとく破っている一家が目の前にいる。

あちらは許されてこちらはダメな理由はなんだろう。

 

そしてもう一つ嫌なのは、アイコにはびったりと出仕のフクサコがついてくること。

通常、天皇皇后にお目見え出来るのは女官からだ。

出仕は女官よりも身分が低いので、プライベートな場には入って来ない。

フクサコは「皇太子妃の特別のはからい」で撮影場所にまで足を踏み入れ

カメラの撮影が始まってから終わるまで必死にアイコをあやす。

おもちゃを引っ張り出し、視線をカメラに向けさせようと、とにかく必死に大声で

アイコさまーーこっち。こっちですよ。ほら、うさぎちゃんです。可愛いでしょ?

こっちをご覧くださいーー

とやるのだ。これでは誰も笑えなくなってしまう。

とうとう今年は天皇が「もういい加減にしたらどうだい」と言い出した。

アイコも4歳になったんだから一人でいられるだろう。ここにはカコだっているのだし

フクサコを入れないならアイコは出しません

即座にマサコは口答えをした。その迫力に思わずマコは顔をそむけ

カコはキコに抱き着いた。

アイコはフクサコじゃないきゃダメなんです

アイコの瞳はフクサコではなく、カコの方を向いていた。

大人ではない女の子に興味を抱いたようだった。

しかし、その体はしっかりとマサコに捕まえられている。

もう・・・しょうがないね

壁の時計を見て天皇はつぶやいた。

次の予定が詰まっている。今はとにかく早く撮影を終わらせなければ。

身分違いで本来なら入る事が許されないフクサコは、意気揚々と今年もまた

「アイコ様、こっちこっち。こっちをご覧ください。私がいますよ」と笑顔いっぱいで

声をかける。

それに対し、爆笑寸前の皇太子夫妻とわれ関せずで微笑む天皇と皇后、

微妙な表情のアキシノノミヤ一家、そして笑いもせず、ただ音がする方を見る

アイコの姿がそこにあった。

カコはあからさまにふくれっ面になった。

いくら小学生でもムードの悪さには気づいたのだろう。

そんなカコに母は「にっこりしなくてはだめですよ」と厳しく言っている。

笑える筈がないじゃないかとマコは思う。

大人の事情があるのはわかる。わかるけど、それを今、小学生の妹に

押し付けなくてもいいのではないかとマコは心の中で叫ぶ。

そういう自分だってまだ中学生。

だけどカコとは違う。私は姉だし、宮家の長女。

いつもいつも笑うに笑えず、泣くに泣けず。じっと忍耐の両親を支えなくては。

カコ、ほら、少しお話しましょう

マコは無理に笑顔で話しかけた。

ちょっとおどけて見せる。それを見たカコが笑った。

そして笑ったカコに誘われたかのようにアイコも少し微笑んだ。

 


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9 コメント

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Unknown (美絵理)
2015-07-10 08:32:13
健気なマコ様に、涙が止まりません。
この時のお写真も、カコ様の表情も、
ああ、あの時の、と思い当たります。
出て来なくてよい。 (あさき)
2015-07-10 08:58:56
ふぶき様、

続きをありがとうございます。

それにしても、「フクサコさんがアイコについてないならアイコは出さない」と言い張るマサコ。

「いい加減にしないか。」
「わきまえぬなら、来なくてよい。」
何故、こんな当たり前の筋が通せないのでしょうか。

ミチコが、聖書事件の直後に、皇太后様のお誕生日に、体調を崩して参内できなかった時、先帝陛下は、「そんなことなら、来なくてよい」と、お怒りだったそうです。

何故、今上両陛下は、ナルヒト、マサコごと追い返さなかったのか。

不甲斐なさでいっぱいです。
Unknown (たまき)
2015-07-10 09:31:42
ふぶき様
千里眼?
透明人間になって、その場にいるような
臨場感ですわ
涙がでます (ゆう)
2015-07-10 09:43:56
聡明な眞子様、さぞかしご両親である両殿下やこんな理不尽がまかり通る皇室とは何ですかと、両陛下に訴えたかったでしょうに…
妹は我慢しているけどすぐ顔に出てしまうから、お母様は困り果てていらっしゃる、私がちゃんとしないと!でもお祖母様やお祖父様は何故東宮妃の言いなりなの?東宮のおじさまも微笑むだけで、何もおっしゃらないわ。そういえばお父様と東宮のおじさまが話さなくなったのはいつからかしら?私がとても小さい時は東宮のおじさまは、抱っこしてくださったり、マコちゃん絵本を読んであげましょうかって優しく話しかけて下さった。でも、カコには一度もそんなことなさらないわ。東宮妃(東宮のおばさまなんて呼べないわ)さまは、特にカコには、怖いお目をなさるわ。なぜなぜ…
という眞子様の叫びが聞こえそうです。
ふぶき様のキャラ描写は素晴らしいです!
ぜひ、文庫化して欲しいです。
Unknown (そば茶)
2015-07-10 10:40:16
有難い女性週刊誌によると・・。

「愛子さまが『佳子さまみたいな服装がしたい』とおっしゃったが、雅子様が「あなたはお立場が違うのよ」とおたしなめになった。とか。

ここ、笑うところじゃないんですよね、妃殿下・・。
うっとうしい梅雨なので庶民のためにギャグを飛ばしていただいたのかと思いましたわ。
いろいろ、お気になさるんですね、秋篠宮のことを。お分かりなんでしょう?ご自分の「自己同一性」がハリボテにすぎないことを。
Unknown (千菊丸)
2015-07-10 12:59:09
子ども乍らにも、東宮一家の異常さを感じている眞子様。
あの家族写真の裏側では、こんなことがあったのかと・・
 (波消し)
2015-07-10 19:09:04
天皇皇后さま、身近でかわいい孫がわがまま嫁に邪険にされているのにどうして対処できないのでしょうか?
静養先では眞子カコ様をかわいがる映像がありますが、うわべなのでしょうか?天皇の権威で、雅子なぞ、叱り飛ばせばいいんです。
あまり、言いたい放題させているから、いい気になるのです。
サッサと身分剥奪して、倉庫に住まわせ、掃除係りにさせ、庭掃除担当と便所掃除担当にさせればいい。いやなら勝手に出ていくでしょう。
紀子さま母子が可哀そうです。
ありがとうございます! (ねこ)
2015-07-10 21:39:31
ふぶきさま

続きありがとうございます。
眞子さまの心情としては本当にこんな感じだったんやろうな、と思います。

愛子さまが障害をお持ちだとしても誰も悪くないのだから、ご両親が受け入れて隠すのを止めれば、全てが丸く収まる話ですよね。

無理が通って道理が引っ込み、真面目で責任感が強い真っ当な人が酷い目に遭わされる、今の世の中の縮図ですよね。
紀子様 (波消し)
2015-07-12 13:30:40
ここの場面だけでもドラマにしていただきたいです。
雅子のいやらしさが、世間にもわかるでしょう。(大半は解っていますが)
外務省の同僚が、「どこをとっても、褒めるところが無い人」と言っていた事がリアルにわかります。
紀子様貶め作戦なんて普通じゃ考えられません。一日も早くドラマにしていただければ、紀子様をお救いすることになると思います。
いくつかのブログで、いつも涙しています。

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