読売ホールの初日の一回目、見ちゃいました。っていうか、我が家の姫が「何だかわからないけどぴーすけが出るからチケット取った」言い出して、数日前まで作品名も知らずにいたという・・で、タイトルみてびっくり。
「TARKIEじゃん!水の江滝子だよ!」
「誰それ?」
「男装の麗人。松竹歌劇団のスターでママのママが好きだった人。でもこの人は初めて労働争議を起こした人なんだよ」みたいな話になって。
昭和生まれでも興味ない人はわからないでしょうね。
芦原邦子、同時代を生きた宝塚のトップスターがケンちゃんのおばあちゃんで、笠置シズ子がCM出てたおばちゃんで、水の江滝子がワイドショーに出てたおばちゃんだった事。
戦前が大好き私が、晩年でもそういう人達をちゃんと画面で見る事が出来たと言う事は昭和生まれとして誇れることではないかと思います。
「男装の麗人」と言えば川島芳子・・・じゃなくて水の江滝子。
髪をばっさり切って男役になり切りました。で、宝塚では芦原邦子。
ヅカOGが松竹歌劇を演じる。戦前は考えられない事ですよね。
でも私は彼女達が活躍した昭和の始めから15年くらいまでが一番好きです。
レビュー劇団があって、しのぎを削っていたし、女学生も男子学生もレビューが大好きで、普通に劇場に見に行って色々批評し合っていたっていう時代です。
けれど、今回の舞台を見て、なぜ松竹は亡び、宝塚は生き残ったのか、すごくよくわかりました。
凰稀かなめ演じる水の江滝子は東京の松竹歌劇部に入団。大阪の松竹歌劇部の方が格上でお客も呼べた時代、浅草のそれはなかなか厳しかったようですね。
そこから断髪して男役になりスター街道まっしぐらの中で、「1日3公演を毎日やって睡眠時間が3時間なのに給料上がらず」で桃色争議と呼ばれた労働ストライキをやって首になったり出戻ったり。(スターにこんな事させる時点で終わってると私は思うけど)
戦争中は大陸に慰問をやらされ、戦後は劇団たんぽぽを立ち上げるまでのお話です。
松竹をやめた時ですらまだ20代だったと言う事にびっくりですけど、当時は28歳じゃ十分に年増だったんでしょうね。
物語を引っ張るのは、ストーリーテラーの未沙のえる、彼女が21世紀のラジオでアイドル辞めた男の子に「ターキーを目指せ」と引っ張り込み、ナレーションをしていく。宝塚ではお馴染みの役ですね。
そしてターキーの同期というか仲良しの役で出てくるのが妃海風演じる笠置シズ子。彼女は大阪の松竹歌劇部で最初は東京グループに敬遠されるけど、「東京に宝塚が進出してくるんやで!」と関西弁バチバチでみんなの競争意識に火をつける。
そして宝塚歌劇団のトップスターを演じるのが天華えま。
宝塚VS松竹のいかにも女の子らしい意地悪な掛け合いがあまりに面白くて笑ってしまいました。
蓮つかさは松竹の下級生。彩凪翔は実際に松竹にいたオリエ津阪という男役。
凰稀かなめと彩凪翔のかっこいいダンスは見ものです。
妃海風が歌う「ラッパと娘」は聞きごたえありでさすが妃海風だなあと・・主役を食う程に刺激的。
「桜咲く国」というのが松竹歌劇団のテーマ曲で、傘を閉じたり開いたりする振付。
これは今のOSKでも受け継いでいて、これこそ松竹って感じですよね。
また戦後並木路子役の音咲いつきが歌う「リンゴの唄」もすごくよかったです。
芝居も音楽満載ですが、なんとショー付で昭和の歌謡曲メドレーの後に、凰稀かなめ退団公演の「PHENIX宝塚」が!
もう何というか、ファンのお願い聞いてくれたのね!と非常に盛り上がり、久々に楽しかった~~~と思いました。
出演者について
凰稀かなめ・・・相変わらず背が高いしかっこいいし、TARKIEの役は彼女だから出来たんだと思います。現役時代には色々思った事もあるけど、下級生の頃からず~~っと見てて、今やっと、大人になられてみたいな。丸くなったというか可愛くなったというか、これからが本当の凰稀かなめの道なのかもしれないと思いました。随分な言い方ですけどやっぱり大河ドラマに出演した事が大きな転機になったんじゃないかなと。
今回は非常に作品に恵まれ、これを機会に飛躍をしてほしいなと思いました。スターオーラは今も健在だし、おみ足も相変わらず綺麗だし。
妃海風・・・この人のあまりに流ちょうな関西弁がすごくて、ザ・笠置シズ子でした。主人公がちょっといい人すぎてどこが欠点なのかわからないから、こっちがどんどん押していく役柄になったんだろうなと思います。
彩凪翔・・・最初、おかっぱで出て来たので「あれは誰?」と思ったら彩凪さんでした。現役から遠くないので非常にダンスがかっこよくて、しかも凰稀かなめとのデュエットダンスまで。眼福でしたね。
蓮つかさ・・・意外と背が高い事に驚きました。宝塚マジックってなんだろう。凰稀かなめとそんなに変わらないんじゃ?と思ったり。今回が退団後初めての舞台だそうで、でもまあ、可愛い娘役でした。ラストの燕尾の方がいいけどね。
天華えま・・・宝塚トップスター役で髪が長いままかっこよく歌って踊って素晴らしかったです。髪型が「麻丘めぐみ」だ~^と思ったんですが。
未沙のえる・・・この方はいつまでも変わらないと。出て来るだけで芝居が締まるというか。欠かせない人ですよね。
他には根津という警察官をやった渡辺大、トランスジェンダーの振付師の室たつきがいい味出してました。
演出が植草克秀で、総合監修が植田紳爾とくれば成功しないわけがない。
自前の劇場を持っていたこと。
後進の育成をちゃんとやったこと
全国規模のヒット曲、ヒット作に恵まれたこと
芝居とれショーの二本立て
これが宝塚が戦後も生き残った理由です。
その他に言えるとしたら、劇場が宝塚という田舎に合った事、小林一三が政府と関わっていたから軍の全面支援を受けられたことが大きいと思います。
スター一人に何かを追いかぶせたりしない、歌劇団が生徒を守った結果が今にあると思います。そういう意味では水の江滝子は苦労した人ですよね。
戦後は石原裕次郎を見出し、プロデューサーとしても活躍。
本当にロス事件さえなかったら…と思います。当時私は「何でよ!」と思った一人ですから。
だけどあまりに潔いからこそ水の江滝子で、そういう部分を凰稀かなめが再現してくれたんだなと感じます。
だけど、一言言わせて頂ければ、主役があまりにいい人すぎるとかすむんです。
凰稀かなめは意地悪言われても、松竹から文句つけられても首になっても反抗するわけでもなく、チャンスが向こうからうやって来る人物として描かれていますが、やっぱり少々の毒は欲しいなと思いました。
それと「中国は大した国だと」というセリフがあったんですけど、当時「中国」ではなく、満州国だった筈です。日中戦争と今は言いますが当時は日華事変といいましたし。わかりやすく「中国」と言ったと思うのですが、ここは満州国と言ってあげないと。
それと、生バンドの演奏がすごすぎて、歌が聞こえない事がありました。
二階席の一番前で見ててこれだったので、マイクの音量を上げるか何かしてほしい。
さらに言わせて頂くとTARKIEさん、顔、白すぎ。白い衣装を着ると真っ白になってしまいます。
ロビーに出るとリピートチケットが売れに売れておりまして、すごい事だと思いました。
私も時間とお金があったらリピートしたいものね。
初日なので写真撮ってもいいよ~~タイムがありました。
本当にいい作品なので、チャンスがあったら見て欲しい。というか、スカステでやってくれないかな。
女性アタッカー?というのでしょうか、レポーターに清水クーコやキャシー中島がいたような。
番組のコーポレートマーク?がハサミの形したみたいなハートで、オープニング曲は軽快なトランペットの音で始まりました。
内容はよく覚えてないけど、下世話な内容だったなと、ぼんやり記憶があります。
宝塚で有名な人とは知りませんでした。
私は絶賛観劇貧乏期間で、観劇少し控えています。
歌舞伎を見てます。
読者様のコメントにありました「女の60分」という番組覚えています。
ターキーさん「ロス疑惑」の関係者のお母さん疑惑がありましたよね。
少し前にすごい割引のあった「屋根の上のバイオリン弾き」をみました。
美弥るりかさんが主人公の長女役で彼氏役が妃海風さんの別れたご主人でした。
明治座ってはじめて行きました。
ほんとにロス疑惑事件が無くちゃ、もっと最後までTVに出られたかもしれませんね。
ネットでタ−キ−が上演されるのは知ってましたが、御用繁多でいけませんでした。
今日やっとWi-Fiを設置、ユ−NEXTで宝塚千秋楽4月からバンバン見ます。取り敢えず、雪組、それと宙のサヨナラ公演でね。こんな公演も千秋楽やってくれると嬉しいのですけど。星組チケットB席になりそうです。トホホ