ひよりみっ!

ディープインパクトが三冠馬になった年からやってる日記

true tears第8話a

2008-03-04 01:14:20 | アニメ
それでは、「true tears」第8話、「雪が降っていない街」のあらすじ感想を。

オープニングシーンは石動家のダイニングを雪が降っている外から映していて、部屋の中では乃絵がおばあちゃんの写真に語りかけています。

「おばあちゃん、私見つけたの。とっても、とっても大切な人。おばあちゃん、私の涙、きっとその人が……」

そう言って写真に微笑みかける乃絵の瞳は潤んでいて、あるいはそのまま泣けるのかもと思えるほどです。
そこへ、純が帰ってきて部屋の明かりをつけます。
前回もそうでしたけど、乃絵は暗いところのほうが落ち着くのかな。
そして、乃絵は純に告白。

「お兄ちゃん、眞一郎が、私のこと好きだって」

純は、これを聞いて驚いたような表情を見せます。眞一郎に「乃絵と付き合え」とは言ったけど、「好きになれ」とは言わなかったからじゃないですかね。
実際、純は比呂美と付き合ってますけど、恋愛感情は介在させてないですし。
まあ、結果としては同じだから、そのへんはどうでもいいのでしょう。
純は、本当に嬉しそうに頬を染める乃絵を見て、
「そうか……よかったな」と言って乃絵を抱きしめます。

そのころ、眞一郎は自室でスケッチブックに向かっていました。
しかし、いいネタが降りてこなかったようで、眞一郎はエンピツを置いて、ベッドに転がります。
そして、自分に関わった3人の女の子のことを回想。
まずは、乃絵に石文字で告白したときのこと。
このとき、乃絵は「今、とっても泣きたいわ」と言ってました。
次に、比呂美がふたりの関係が兄妹かもしれないとぶちまけたときのこと。
比呂美は「言っちゃった……」と言って、涙を浮かべていました。
最後に、あいちゃんにキスされたときのこと。
あいちゃんも「私のことも見てよ……」と泣いてましたね。

で、最後のことを思い出して「柔らかかった……」とか言ってる眞一郎は正直者だ(笑)。
とにかく、三者三様の涙模様を思い出して、眞一郎は「何やってんだ、俺……」と落ち込んでました。
あいちゃんじゃないですけど、「あんたさあ、抱え込みすぎなんだよ、いろいろ」ですね。

さて、前回はあいちゃんとのキスシーンで引いたんですけど、続くシーンは最後のお客さんを見送るあいちゃんのシーン。
あいちゃんは、お客さんには笑顔を見せましたけど、誰もいない店内に戻ってから、
「何で私、笑えるの……」とモノローグ。
ここから、キスのあとに何が起こったかという回想が入ります。

「私のことも見てよ……」とあいちゃんに言われた眞一郎でしたが、動揺したまま後ずさって、

「ごめん、俺あいちゃんのこと、そんなふうに見れない……。幼なじみの姉ちゃんで、三代吉の彼女で……。俺、忘れるから、今日のこと、なかったことに……!」

と言って、逃げるように店から去っていったのでした。
キミキスの光一が摩央姉ちゃんにこういう態度を取ってくれればありがたいのに(笑)。
まあ、あいちゃんには酷いかもしれませんが、眞一郎のキャパを考えれば、ここで謝ったのは間違いじゃないと思います。
そして、それを思い出したあいちゃんは店内で大泣き。
さて、ここから三代吉の見せ場が来るものと期待しておきますか。
あまり急に三代吉にくっつくようだと、ビッチの誹りは免れないように思うので、あいちゃんのほうから少し距離を取ってくれるものとは思ってますが。
実際、少し先のシーンで、店に来る三代吉を「忙しいから、ごめん」というジェスチャーで帰すという光景が描かれていて、これは現状においてはいい距離感と思ったんですよ。

で、その三代吉は翌日の放課後に「あいちゃん行かね?」と眞一郎を誘うのですが、眞一郎はそれを断ります。

「俺、その……デートとかしたりしちゃったりするかも……」

まあ、この理由はその場のでっちあげでしょう。単に、あいちゃんと顔を合わせるのが気まずいだけで。三代吉をはさむとなればなおさら。
三代吉は「誰とすんだよ?」と不審そうに聞くのですが、乃絵とだと聞かされてあっけにとられた顔をしてました。

というわけで、自分ででっちあげた話を現実にするために、眞一郎はニワトリ小屋のほうをたずねていきました。
乃絵の姿がなかなか見当たらないので、「約束したわけじゃないし……」とあきらめかけていた眞一郎ですが、



なんと、小屋の中に乃絵の姿を発見します。
地べたを抱っこしてうたた寝してるところがキュート。
乃絵は、眞一郎に声をかけられて目を覚ますのですが、何をしてるんだと聞かれて、

「地べた、寒そうだったから」

と優しそうに答えるんですね。
これ、1話のころの乃絵では考えられないことです。
裏読みすれば、「飛べない鳥=比呂美」に対する情が、乃絵の中にわいてきたということかと思われます。それを明確に示すシーンがBパートにありますし。
そして、そういう意外なところを見せた乃絵に、眞一郎はにっこり。眞一郎の笑顔を見て、乃絵もにっこり。

そんな光景を、比呂美と朋与が目撃します。

「あっれ~、あのふたり、付き合ってるの?」
「……みたいね」

比呂美からすれば、以前に純から聞かされていたことが現実になっただけですけど、実際に目の当たりにすると、やっぱり面白くないようです(笑)。

「石動乃絵って意外~。私、仲上くんって比呂美のことが好きだとばっかり思ってた~」
「……そんなわけないじゃない」

これについては、自分のことが好きだったら、純から自分を奪うくらいのことするだろうという意味だと思います。
その一方で、そう思っておかないと自分の気持ちを抑えきれないという部分もあるでしょう。
とにかく、比呂美はその場からさっさと立ち去ってしまいました。

で、眞一郎は乃絵と放課後デート。
防波堤の上を元気に走っていく乃絵を見て、眞一郎は「転ぶぞ~」と声をかけています。まるで兄妹みたいだ(笑)。
眞一郎は、海風をあびて「気持ちいい~」と言ってる乃絵をじっと見つめてましたが、そんな眞一郎に乃絵が問いかけます。

「眞一郎、元気ないのね」

そして、眞一郎にしゃがむように促し、小屋の中で地べたにしていたように、乃絵は眞一郎を抱擁して、「眞一郎が、寒そうだったから」と言います。この動きがスローになってて、まるで天使みたいでしたよ。
それから、乃絵は「私の向こうに、何が見える?」と眞一郎に尋ねます。このとき、乃絵の向こうに雷轟丸の羽が見えていたのは演出ですわね。

「……空」
「私、眞一郎にはいつも空を見ていてほしい」

それを聞いて、眞一郎は瞳に輝く空を映しながら思います。

(……こんなふうに空、見たことなかった……)

んー、これは眞一郎が「飛びたい」と本気で思えるようになったという解釈でいいのかな。
その直後に、雷轟丸の絵本のことを乃絵に話し始めますし。

「……雷轟丸が空を飛びたいと思いはじめたのは、夜に大風の吹いた次の、ある晴れた、心地よい風の吹いている午後のことでした」

それを聞いた乃絵はもちろん大喜び、目をきらきらさせながら、お話の続きを眞一郎にせがみます。
ここで「リフレクティア」が挿入歌として流れ、絵本の続きが語られます。
ちなみに、あいちゃんが三代吉を帰したりするシーンが流れるのはここね。

「昨日の大風で、折れたりちぎれたりした木の葉や草の茎が、地面にたくさん落ちていました」
「そのせいか、いつも探すのがたいへんな虫たちも、簡単に見つけてえさにすることができました」

デートの時点で完成していたのはここまでなので、眞一郎は乃絵に早く続きを書いてと言われ、その晩さっそく気合いを入れて執筆活動に入ります。
そして、続きはニワトリ小屋の前で。乃絵は手を組んで神様の言葉を聞くかのように、うっとりとしています。

「雷轟丸は、約束された処女飛行の夢を見ながら眠りました。それから何日も何日も雷轟丸は、空を飛ぶ訓練をします。大風の中、風に向かい立ち続けました。ついに明日は、それを飛ぶ日です」

ここまで聞いての乃絵の感想。

「嬉しいわ……。眞一郎が雷轟丸のことを描いてくれて、絵本の中で雷轟丸は蘇って、きっと羽ばたくことが出来るんだわ。眞一郎も、羽ばたくことが出来る、きっと、これが眞一郎の翼になる!」

そして、乃絵は「ありがとう」と眞一郎に言って、



ほっぺたにチュッ。
これで、あいちゃんと乃絵は眞一郎にキスしたことになりますが、比呂美と眞一郎のキスはありうるのか。あれば、一番ディープになる期待がもてるんですが(笑)。
それはそれとして、眞一郎の顔は一瞬で真っ赤に。乃絵が眞一郎に「乃絵が好きだ」と言われたときを思い出しました。
そして、乃絵はそんな眞一郎を見て、
「眞一郎の顔、ニワトリのトサカみたい」と笑いました。眞一郎は、急にボールが来たのでそんなことするからとごまかそうとしますが、乃絵はまっすぐな目で眞一郎を見上げ、眞一郎の頬に手を寄せて、

「私、どんどん眞一郎が好きになっていくわ。もっともっと、好きになっていい?」

と告白。それを聞いた眞一郎も、「ああ」と嬉しそうに答えます。
で、そのまま仲睦まじく下校するふたりを、比呂美がひとり見送っているところでBGM終了。
前のシーンでもそうでしたが、比呂美の目の中では、乃絵はいつも無邪気に笑ってるんですね。
ここが、のちのシーンで意味を持ってきます。

ここで場面が移って、いつぞやに見た月夜。
比呂美の回想と思いきや、竹やぶを走っていく比呂美は、制服をきた現在の比呂美です。
どうやら、比呂美の夢のようですね。
比呂美は、走っていった先に眞一郎の姿を見つけて、安心したかのように笑うのですが、眞一郎の目の前には乃絵がいて、比呂美の表情は一瞬で曇ります。
そして、ふたりの顔が近づいていくところを見つめている比呂美の姿が、かつて竹やぶの中で泣いていた幼き日の比呂美に変わって、

「置いてかないで……置いてかないで」

「置いてかないで!」

ここで、声が今の比呂美のものに戻って、比呂美は自室の机の上で目を覚まします。比呂美が顔を起こしたとき、涙が飛び散るのが印象的。
それから、一呼吸おいて落ち着いたところで、比呂美が机に身体を伏せて、
「私……」とつぶやいたところでBパートへ。
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true tears第8話b

2008-03-04 01:14:05 | アニメ
Bパート。
眞一郎は目覚まし時計が鳴る中で、何やら幸せそうな顔で眠り続けてました。
まあ、ちゃんと起きられたみたいですが、とさか状態になっている頭を坊主の人に目撃されます。これについて眞一郎は、
「これは……幸せの形なんだ」
と笑顔で答えます。
今回は、別にごまかす理由もないので直球で答えたんですが、坊主の人には髪の毛がないので、「俺には無理っす」と帰されてました。
今まで適当に言ってたのが真似されたというのに、今回に限って無理というのは何だかね(笑)。
で、眞一郎は洗面所で顔を洗って、鏡に映ってる自分の姿を見てにやついてたんですが、そこに比呂美が現れ、ぎこちなくあいさつを交わしたあと、

「……仲いいのね。石動乃絵と」
「あ……うん」
「……変な頭」
「う……」

比呂美に幸せの形を否定されて、眞一郎軽くショック(笑)。
これを見てると、洗顔フォームで歯磨きした眞一郎を見て大笑いしていた比呂美が懐かしいです。
あれははっちゃけすぎでしたが、それにしてもとさか頭を笑う余裕すら比呂美にはなくなっているみたいなので。

さて、ここでお父さん登場。
中の人の関係で、某所では勝手にヒロシと命名されてます(笑)。
お父さんは、今で新聞を読んでたんですが、比呂美が「行ってきます」とあいさつしたところで、比呂美を呼び止めます。

「比呂美。うちにいて、不便はないか? 何かあったら言いなさい。比呂美は、うちの子なんだから」

ここで、比呂美は微笑みながら無言でうなずくんですが、

「そういうしぐさ、君のお母さんに、よく似てる」

とお父さんに言われて、一瞬はっとしながらも、また微笑んだのでした。
でも、障子を閉めたあとの比呂美の表情は、何か辛そうでした。
そんな比呂美に、外からママンの攻撃。

「本当にそっくりね。大人しそうな顔して、簡単に男の心つかんで」
「え……」
「うちの人も、眞一郎も味方にして。大したものよね」


こういい残して、ママンはふぃっと立ち去っていきました。
お父さんに聞かれてる可能性とかは気にしてなかったのか(笑)。
もっとも、ママンは比呂美に対する負の感情をお父さんに対しても隠してませんでしたが。
お父さん自身、眞一郎に「母さんから何か聞かされたか?」と聞いているので、ママンがあんなふうになった理由は察してそう。

そして、場面は雪の公園に。
今日は休日で、比呂美は純と待ち合わせしてたようです。

「いつも雪だな。あんたと会うときは。……どこへ行きたい?」

そんなふうに声をかける純に、比呂美は純から顔をそらし、軽く空を見上げて答えます。

「……雪が降っていない街」

その言葉を聞いて、純は面食らいます。この季節、近辺で雪が降っていない街なんてないですから。
しかし、「嫌いなものがないところへ行きたい」という比呂美の心情は察して、純は「いいところがある。俺とあんたの唯一の共有点」と言って、麦端高校の体育館まで比呂美を連れて行きます。
なるほど、バスケはふたりの共通点だわ。
そして純は、

「ゲームだ」

と言ってフリースロー勝負を提案します。互いに3本打って、決まった分だけ相手に質問できるというルール。
このとき、純は比呂美は通常のラインからシュートし、自分は3ポイントラインの外から打つと言うのですが、

「ダメよ」
「ん?」
「あなたはここ(センターサークル)から」
「あんた、意外に根性悪いな」
「イヤならいい」
「……わかったよ」
(ニッコリ)



比呂美、腹黒ーい(笑)。
しかし、これでも比呂美が笑顔を見せるというのはレアなことで、今となっては一番心を開けるのは純になってしまってるのですね。

と、ここでいきなり絵本のシーンに。
雷轟丸が、エサを勝手についばんでいる地べたに怒っているところです。
まるで、1話の乃絵のように(笑)。

「朝起きると、コココと声がします。それは、何と地面の落ちたエサをついばむ地べたでした。雷轟丸は、それは自分の分だと言おうとしましたがやめました。まだ、エサはたくさんありましたから」

それから、雷轟丸が土手の上に立っている絵にページが移ります。

「雷轟丸は、裏庭の土手に登ります。それは、10mはあろうかという巨大な土手でした。そこから見た下界は、まるで地の底のようでした」
「さあ、飛ぶぞ!」

絵本を読んでいたのは乃絵で、乃絵と眞一郎は神社でデートしていたのでした。
そして、乃絵は「地べたに会いたくなったわ」と言って、眞一郎と一緒に学校へ行こうとします。

そのころ、フリースロー勝負は終わっていて、結果は比呂美が2本、純が0本でした。
若干悔しそうにしながら、純は比呂美に質問を求めます。
比呂美は、非常に不機嫌そうな顔で、

「石動乃絵が、付き合った男の数」

とたずねました。

「……何のために」
「何だっていいでしょ」

質問の意図は大方見当ついてるはずですが、純は一応確認してみます。
そして、やっぱり答えてもらえなかったので、純はため息をついてから答えます。

「……ゼロ」

これを聞いて、比呂美は驚きの表情を見せました。本気で意外だったみたいです。
まあ、自分が何年も思い続けてきた眞一郎の心を何ヶ月かでつかんじゃったんだから、どんな悪女だと思う気持ちもわからないではない(笑)。

「あんた、乃絵のこと誤解してないか」
「……」
「人と違うから、いろいろ言われる。噂が一人歩きして、乃絵もそれを否定しない」
「強いのね」
「……昔は、泣いてばかりいた」

ここで、今学校に向かっている乃絵と、おばあちゃんが死んだときの乃絵の回想が映し出されます。

「でも、あるときを境に、あいつは泣くことをやめた。そして、強くなった」

これを聞いてるときの比呂美の表情が、



こんな感じで。
おそらくは、自分の気持ちを封印することによって状況に耐えようとした自分の弱さを乃絵と比較して、自分のことが嫌いになりそうなのだと思います。
乃絵のことをことさら悪く思おうとしたことも、それに拍車をかけているでしょうね。
が、純が「でも、本当は……」と言ったところで比呂美は立ち上がり、

「シスコン」

と言って、純のことをからかったのでした。そして、思いっきり恥ずかしがってる純に萌え(笑)。
純は、それをごまかすように次の質問を促します。
比呂美は、再び表情をこわばらせてたずねます。

「あなた、何で私とつきあってるの?」

すると、純は立ち上がって答えます。が、顔は比呂美のほうを向いてません。

「仲上眞一郎に言われたんだ。あんたと付き合ってくれって。そのかわり、あいつは乃絵と付き合う」
「なにそれ」
「そういうこと」

んー、大筋ではあってるけど、順番がおかしい(笑)。
正しくは「眞一郎に乃絵と付き合ってくれと純が頼んで、眞一郎が『かわりに比呂美と付き合えって言ったらどうする?』と言ってきたもんだから、その条件に乗った」という流れで、こう説明していれば、比呂美も多少は考えを変えたはず。
だいたい、これだとすべてが眞一郎の仕込みと思われても仕方ないです。
まあ、こういう誤解を仕込んだということは、物語的にはちゃんと誤解はとけるということだと思いますけど。
で、比呂美は離れたところでボールをついている純にたずねます。

「……それって、どちらかが別れたら、片方も別れるってこと?」

すると、純は手を止めて「それは困る」と答えました。

「あんたの頼み、何でも聞いてやるから」

これを聞いた比呂美は、純にとって自分が「眞一郎と乃絵をつき合わせるための手段」にすぎないということにおそらくは気づいたことでしょう。
そして、どうしてそこまでするのかという疑問が生まれたことかと。

そして、ようやく乃絵と眞一郎が学校に到着。
乃絵は「人のいない学校に、眞一郎といるのが好き」とか言ってましたが、乃絵は眞一郎と一緒なら何でもありですよね(笑)。
と、ちょうどいいタイミングで比呂美と純も出てきて鉢合わせ。
意識は、乃絵と純、眞一郎と比呂美の間で交差していて、比呂美に見つめられた眞一郎は、思わず目をそらしちゃってました。

で、なぜか乃絵と比呂美はニワトリ小屋に。
それを男ふたりが遠くから見ていて、

「……うまくいってるみたいだな」
「あなたも」

とかいう会話を交わしています。
純は妙にぎこちないしゃべりで、眞一郎の口ぶりは皮肉っぽかったです。
共通しているのは、本音ではあまりうまくいってほしくないけど、状況的にそうも言ってられないという点ですか。

一方で女子ふたり。
乃絵は「私、少しあなたのこと見直してるの」と言って、比呂美を軽く驚かせます。

「私とちゃんと喧嘩した人、初めてだわ」

そう言って、いつものようにニッコリ。
しかし、その表情が比呂美の心を波立たせます。

「……かわいい笑顔」
「ん?」
「そんな無邪気な顔で、簡単に眞一郎の気持ち、つかんじゃうのね。……すごいわ」


そこまで言って、乃絵がけげんそうな表情をしたのを見て、比呂美は我に返ります。
でも、あくまで平静を装って「私……帰るわ」と言って、純のことすら置いて立ち去っていこうとました。
で、追いついてきた純にぽそりと。

「思わず口から出た言葉って、本心だと思う? そんなふうに思いたくないのに」

……さっき比呂美が言ってたセリフって、ママンのセリフにインスパイアされてましたからねえ。本人もちゃんと気づいてましたが。
だから、逆にママンの言葉も本心じゃないかもという考え方が出てくるわけで。
で、純はこのように答えます。

「そんなこと、よくあるだろ。自分の気持ち、理想どおりにコントロールできたら、どんなに楽かしれないさ」

純と別れて比呂美が家に戻ると、庭に何かを燃したあとが残っていました。
その燃えかすに残されていたのは……。

比呂美は、台所で洗い物をしていたママンのところに姿を現します。
「びっくりするじゃない、そんなところに突っ立って」とつっけんどんに言って、比呂美を無視して洗い物を続けるママンに、比呂美は先ほど拾ったものを見せます。

「これ、私のお母さんですね」

そう、それは例のアルバムの写真。比呂美の母親の顔だけくり抜かれた、ね。

「無理もないわ。私だって、おばさんの立場なら同じことをしたかもしれない。でも……」
「あなた、それはね……」
「それでも! 私のお母さんだから!」
「比呂美!」
「私、ここに来ちゃいけなかった……。ここに来たのが間違いだった。……今まで、ごめんなさい!」

こうして、比呂美は家を飛び出していったんですけど、ママンの顔はいかにも後悔してるって感じでした。
写真のことについても、何やら理由があったようですし(葬式用に使ったんじゃないかという説がどこかに挙げられてた)、比呂美のことを名前でちゃんと呼んだのも、特別な意味を感じます。
ここまでの流れを考えると、ママンも今の比呂美と同じで、そうするべきではないとわかっているのに、比呂美に自分の感情をぶつけずにはいられなかったといったところかな。
だからこそ、比呂美母が何をやらかしたのかという真相が知りたいです。
お父さんと仲良さそうにしてたのは多分間違いないとして、それがどういう意味合いだったのか。
比呂美母がお父さんかママンと単純に血が繋がっているという線も考えたんですが、そうなると眞一郎と比呂美はいとこになって、幼なじみという枠からは外れるんですよね……。

家出した比呂美が涙を浮かべながら走っていったのは石動家。
比呂美は純を呼び出して、玄関に顔を出すなり「バイクに乗せて」と静かに頼みます。むしろ、命じているというべきか。

「言ったろ、雪だとバイクに乗れないって。俺、死にたくないし」
「私の言うことなら、何でも聞くって言ったでしょ」

そう言って、純の言葉をたてに取った比呂美の表情があまりにも思いつめたものだったので、純は「そうしなければ、何をやらかすかわからない」と思ったのでしょう、「そこ行きたい?」とたずねます。
このタイミングで、やんでた雪がまた降り出して……。

「雪が降っていない街」

画面には黒い空と白い雪しか映っていませんが、比呂美が泣きそうになっているのは声でわかります。というか、ここは次回予告で聞いたセリフ回しね。
今回、同じセリフが別の場面で使われていましたが、そちらではもう少し落ち着いた声でした。

ラストシーン。
眞一郎が乃絵を家に送っているところです。
乃絵は、麦端祭のときには、一番前で眞一郎を見ると今からわくわくしています。

「ねえ、約束して。踊りながら私を見つけたら、雷轟丸みたいに飛んで!」
「無理だよ、そんな。振り付け決まってるし」
「私にだけわかればいいのよ、ねっ!」
「ああ……うん」

これは、本当に乃絵にだけわかる方法で飛ぶってことかな。それを表現できたらすごいなと思います。

「それと絵本! 早く完成させてね。眞一郎の晴れの姿と、絵本……冬の終わるころには見れるよね!」
「ああ……そうだな」

……って、何その死亡フラグ(笑)。
病気フラグが発動する気配がないので、深読みしすぎたのかとか思ってたんですが、案外生きてたのかもしれません。
もちろん、死亡フラグ自体立ってない可能性も十分ありますが。

と、このときバイクの走る音が聞こえてきます。
こんな雪の中、バイクが……と眞一郎が思っていたところで、

「あっ」
「あ……」

バイクの後ろに乗っていた比呂美と、目があってしまいました。
このときの「あ……」というつぶやきが、ウィスパーボイスでいい演技。
こうして、乃絵と眞一郎が純と比呂美の走り去る姿を見送るところと、純につかまりながらも不安そうな表情をしている比呂美の表情が映し出されたところで引き。


ママンが比呂美に対して折れるような態度を見せたので、次回あたりでわりとはっきりしたことがわかりそうです。ていうか、関東ではもうわかってるんだよな……。
そうなると、眞一郎と比呂美との間の障害はなくなるはずなんですが、ふたりは想いを確かめ合いつつも、結局眞一郎は乃絵とくっついちゃうんじゃないかな~というのが私の予想。根拠はとくにありません。そっちのほうが、私的に泣けそうな気がするだけ。

乃絵のほうも、いいかげん純が乃絵と眞一郎をくっつけようとした理由を解明してもらいたいところ。
「乃絵が泣けなくなったこと」と、関係があるように思ってますがはてさて。
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