沖縄の友人が「スゴイ脂の乗った刺身を昔のお客さんから貰ったから、寿司でも握ろうよ。なんか大東島で漁師から譲ってもらったっんだって」と。
魚の名前はインガンダルマというらしい。水産会社で働いていた俺が聞いたこともない名前。その上素性の知らない出所。
「なんだか怪しい名前だが、とりあえずパクパクやりましょう」と普段なら言っちゃうところなのだが、よくよく調べてみると実はその脂が問題なのである。なんと、この魚、吊すとボタボタ滴り落ちるほど脂が多いのである。しかも、その脂には人間の消化器官では吸収できないワックス成分が多量に含まれている。だから、(5切れ以上)食べすぎるとワックス成分が知らずに肛門からじわじわと染み出してくるというのである。どんなに肛門を締めてもだめらしい。
したがって、厚生省から昭和の時代に流通禁止措置が出ているのだが、ただ、脂そのものは毒物ではないので自分で食べるぶんにはけっこうとのこと。
産地の大東島では昔からこれを食する習慣があったのだが、インガンダルマ(地元ではインギャンダルミィと発音する)とは「犬がダレる」という意味らしい。こんな呼び方をしているぐらいだから、地元の人も食べ過ぎにはよほど注意してきたのだろう。
で、犬がダレル魚をどうしたのかって?
やっぱりパクパクいっちゃいましたよ(笑)。味はカンパチみたいでねっとりしてて美味しかった。フライなら冷めてもいけそうな感じ。
今のところ、お尻は濡れておりません。
↓お皿に注目ください。