【アリカ・ユメミヤ】の恋のバトルも終盤戦の第14話のストーリーは「突如湧き上がる国同士の不信感。ガルデローベの審議会でルーテシア・ロムルスとレムスの代表が激しく言い争っていた。互いに主張を譲らない両者。国境で起きた競り合いが、オトメ同士の戦闘にまで発展してしまったことに【ナツキ・クルーガー】は頭を痛める。世界情勢は緩やかながら、不穏な方向へと向かっていた。先日の【アカネ・ソワール】の件も相まって、ますます心ここにあらずの【アリカ】は授業にも身が入らない。オトメになるのが自分の夢と、言い聞かせるようにつぶやく【アリカ】だったが、【エルスティン・ホー】に本心を突かれ、つい泣き出してしまう・・・。ロムルスとレムスの紛争の影に「シュバルツ」の影あり、【エルス】から聴く夢と恋を実現した【レナ・セイヤーズ】の事、【セルゲイ・ウォン】がつかんだ15年前の事件の真相、そして、【アリカ】が貞操を奪われる危機に!?」という展開が描かれる。 物語は「ルーテシア連合王国」のロルムス・レムスの2国からなる連合国家の代表同士の怒号から始まる。お互いを「簒奪者の末裔」「毒婦の一族」との言い争いの緊迫した緊急審議会。いつ2国間の戦争になってもおかしくない状況だった。【セルゲイ】の機転をきかせた行為(キーホルダーを落とす)により、ロルムスとレムスの代表も少しだけですが落ち着きを取り戻し、お互いに席に座る。もちろん【ナツキ】のマイスター同士の戦闘が巷に広がる前に対策を講じる事が審議会の使命と言う。その時【セルゲイ】の顔がいっそう険しくなり「始まるのか・・・」と呟く。 既に、ガルデローベ学園の女生徒たちにも、その噂話が広まっていた。場面は、星組の教室。オトメに必要な要素の一つでもある「お化粧」を生徒同士で行なっていた。【イリーナ・ウッズ】「やっぱ、あの噂でもちきりだねぇ」と【リリエ・アディーン】の顔にお化粧をしながら「ねぇどう思う?エルス・・・」と【エルス】と【アリカ】の方を見ると、こちらでは【アリカ】が【エルス】に行なっていたが、【アリカ】は上の空でお化粧をしていて「うわぁぁ~アッアッアリカちゃん!何をやってんの?」とその光景と【エルス】の顔を見て驚いている【イリーナ】。その声に【アリカ】「えっ・・・あれっ?」と気が付くと【エルス】の顔がピエロの様な顔になっていた。【エルス】も「いや~ん」とかわいそうな事になる。それでも「ごっごめん・・・はっは・・・」とやる気の感じられない【アリカ】だった。一方【ニナ・ウォン】と【トモエ・マルグリット】もお互いにお化粧をしていた。【トモエ】から「あなたは何か、ルーテシアの事をウォン少佐からお聴きでないの?」と話しかける。すると【ニナ】は「えぇ、私の口を出す事ではないもの」と素っ気ない返事。「でも、あの2人がかわいそうで・・・ヤヨイさんがロムルスでミーヤさんがレムスの出身、辛いわよね。これでは・・・」と【ヤヨイ・オールター】と【ミーヤ・クロシェット】を見ながら言う。見ると【ミーヤ】が【ヤヨイ】に化粧を施していた。【ミーヤ】が表情も暗く、手を震わせて行なっていたが、手元がくるってしまい口紅を・・・はみ出してぬってしまう。「ごっごめんなさい!わざとじゃないの・・・信じてヤヨイちゃん」「やだ・・・そんな謝り方しないでよ、それじゃまるで・・・」と口をつぐんでしまう【ヤヨイ】。【リリエ】「カルデアもフロリンスもアカネお姉様の一件以来微妙だし・・・噂が本当ならこんなお化粧、役に立たなくなっちゃうかもね・・・」そんな生徒たちの気持ちを察しているのかこの授業を監督する【マリア・グレイスバート】が口を開く。「どうしたのですか?あなたたちつまらぬ噂に振り回されていては立派なオトメになれませんよ」と言う。【ミーヤ】「噂なんですよね・・・私のルーテシアでマイスターのお姉様たちが戦ったなんて・・・」【ミス・マリア】「仮に、事実だとして何か変わるのですか?」「だって・・・」「人々の憧れとなり、美しく装うのもオトメなら、主の命を国家の命運を預かり、己が命をとして戦うのもオトメ、あなた方はそれを覚悟して、この学園の門を叩いたはずです」【ヤヨイ】も顔を下に向け涙ぐむと【ミス・マリア】は続ける「泣いている暇などありません。進級試験も、卒業の記念舞闘となる、予科、本科の代表対抗戦も近いのです。あなた方が真にオトメとたろうとするなら顔を上げなさい」と言う。【ミス・マリア】の言葉には厳しさだけではない、重みがある。自身も「竜王戦争」を体験し、様々なオトメの末路を見て来たからこそ言える言葉でもある。オトメの華やかさだけではない闇も知っているのだ。 チャイムがなり、休み時間。星組の教室では【ヤヨイ】が机で伏せて泣き、【ミーヤ】も机に座ったまま立とうとしない。【アリカ】も何事もなかったかのように、教室の窓から外を見ていた。【イリーナ】「やっぱ、複雑?マリア先生に戦争なんか起させないって、たんかを切った身としては・・・おっ」と聴こえない【アリカ】「えっ!」と振り返る。ここで【アリカ】は【ヤヨイ】と【ミーヤ】の気持ちを理解せず、周囲の状況も察せずに「あっ・・・でもさ~ちょっとした喧嘩みたいなものでしょう。そんな真剣にならなくても・・・よくあるしさぁそう言う事」と軽々しく言ってしまう。すると【ミーヤ】が立ち上がり「気楽で良いわね!私の国とヤヨイちゃんの国が戦うかもしれないのに!よくそんな事言えるわね!戦争をなくす!なら今すぐ何とかしてよ!ガルデローベに入れば、マイスターになれなくても将来は安泰だからって!なのに、何で・・・どうしてこうなるのよ!誰か何とかしてよ!」と【ミーヤ】の本音、言い知れぬ不安、怒りが表現されたシーン。【アリカ】も「ぅん・・・えっ・・と・・・ミーヤちゃん・・・ぅん・・・」と言葉が出ない。落ち着かせる為に【トモエ】が教室の外に連れ出す。【イリーナ】と【エルス】がなぐさめる事を言うと【ニナ】がロケット時計を持ちながら「今のはアリカが悪いわ。地域紛争とはいえマイスター同士の戦闘なのよ、軽々しく喧嘩に例えるものではないわ」と言う。【アリカ】も下を向いてしまう。その【アリカ】の煮え切らない態度に【ニナ】「ねえ、アリカ。あんた普段から変だけど、最近は特に変よ、何かあった?」と「へっ・・・」と【ニナ】の持つロケットに目が行くと【セルゲイ】の事を思い出し「なっ何でもないよ・・・」と下を向く。 またも審議会は、2国間のお互いの代表同士で紛糾していた。【ナツキ】が机を叩き審議会を休会にした。ロビーで疲れた様子をみせる【ナツキ】に【セルゲイ】が来る。【ナツキ】「今回の件、アルタイは無関係なんだろうな・・・」と言う。【セルゲイ】「もちろんですよ。こんな紛争、我々アルタイには何の益もないですし」と【ジュリエット・ナオ・チャン】や【ニナ】にも本当に戦わせる為ではないと気遣いをみせる。もちろん、【セルゲイ】には【アリカ】も本気で戦わせたいとは思っていない。 その頃、エアリーズ共和国では【ハルカ・アーミテージ】がルーテシアに行き、マイスターのお尻をペンペンしに行くと聴かないが【ユキノ・クリサント】に軍事介入だよと言われ諭され、カルデア帝国の【アルゴス十四世】は紛争の起きた2国間の情勢分析をしていた。それほどに「アスワド」が取られた遺跡のデータは重要なものだった様だ。それとヴィントブルーム王国の【マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルーム】も【鴇羽巧海頭忠頼】との一件以来すっかりとその御転婆でワガママさが消えてしまっていた。【アオイ・セノー】から内務省から緊急会議への出席を促せれるが【マシロ】「他国の争いなぞ知った事か」と【ミコト】を抱いたままベッドでダラダラしていた。【巧海】から貰った花もすっかりと枯れていた。まるで【マシロ】自身を表す様に。【アオイ】の気遣いにも「うるさい!出てけ!わらわはどうせ無能な女王なのじゃ!大臣たちに告げよ、そなたらの好きにすれば良いと・・・どうせ、わらわに期待なぞしておらぬのじゃ・・・」そして、アルタイ公国では【ナギ・ダイ・アルタイ】と【ジョン・スミス】がある映像を観ていた。【スミス】「これは、先日ルーテシア、ロムルス・レムス国境付近で行なわれた運用実験です」と多数の「スレイブ」が写り、攻撃している映像が流れ【スミス】が説明している。【ナギ】もその科学力に驚いている様子。そして「本気で仕掛けても良いかな」と意味深な発言をする。「シュバルツ」と提携しているが、その狙いとは?何なのか?その【ナギ】から今回の仕掛けを知らせる信書が【セルゲイ】の元へ。【ナギ】の狙いとは?「・・・楽しくなりそうだ・・・」と映像が逆光し【ナギ】を怪しく照らすのだった。 【アリカ】は学園内のガルデローベ霊廟に居た。今の自分の気持ちに対して、どうして良いのか?が分からなく、悩んで考えていた。自分が何者なのかも問われる時期にも来ていた。そして【セルゲイ】に叙任式で掛けて貰った言葉、【アカネ】と【カズヤ・クラウゼク】の駆け落ち。特に恋に生きる【アカネ】の姿。【アリカ】は自身の『蒼天の青玉』見つめ「あたし、オトメになる!絶対になってみせる!」と決意した時の事、【ナツキ】に言われた「オトメ」の覚悟を問われた時、【シズル】「何が一番大切か、それを決めるんのは自分だけどすから」と【アリカ】の脳裏に様々な出来事、言葉が駆け巡る。「・・・っ・・・あたしはなるの、絶対!ぜっ・・・たいっ・・・オトメに・・・やだっ・・・こんなの・・・どうして・・・あたし・・・」と小さな身体と心は戸惑い震えていた。このまま、一人では壊れてしまうかもしれない【アリカ】。そこに【エルス】が「恋、しっちゃったんだね・・・」「はっ・・・違うよ」と涙を拭く。「ウォン少佐に・・・」と続ける。「ちっ・・・違う!・・・違うもん・・・」感情が溢れて涙を流し、その場に座り込んでしまう【アリカ】。【エルス】が優しく支えて抱くのだった。「違うよ・・・こんなの・・・あたしじゃないっ・・・ばっちゃも教えてくれなかったっ・・・こんなのやだよぉ・・・怖いよ・・・」と【エルス】の大きな胸で泣くのだった。【エルス】も背中をさすりながら、あの歌を静かに歌うのだった。やっと落ち付く【アリカ】「ありがとうエルスちゃん・・・」「踏破試験のお返し、綺麗な歌だったから覚えちゃった」「何かよく分からないけど、お母さんに抱かれているみたいだった・・・」「あっ・・・それがオトメだったって言うお母さんの形見だとね?」と『蒼天の青玉』を見ながら言う。「えっ!」とコミカルな表情をする【アリカ】。「結構、前から気付いていたんだけどアリカちゃん、一生懸命隠そうとしていたから聴けなくて・・・」と照れた笑いをする【アリカ】。「うん、これっ『蒼天の青玉』って言うんだって」「やっぱり、それってヴィントブルームの前の王様に仕えた「レナ」お姉様のものだようね」と「うん」と見つめる【アリカ】「って・・・えっ!エッエルスちゃん知っているのぉ!この石の事っ!」「だってアリカちゃん凄く有名なオトメだよ」「お願いっ!教えてその人の事!」と【エルス】に教わる。その2人の光景を見ている【トモエ】の口元が笑みを浮かべるのだった。 学園長室では【ナツキ】が今の状況を考えていたのだろう。お茶を入れてくれた【ヨウコ・ヘレネ】に「ありがとう、シズル」と言ってしまう。言って気付き恥しがる【ナツキ】。【ナツキ】の審議会を踏まえた個人的見解の中で出て来た「アスワド」の言葉に動揺を隠せない【ヨウコ】先生が印象的だった。 【シズル】もマイスター同士が戦った国境付近を調べていた。周囲を見渡し何かの異常さを感じ取る。地面に残る何かが動いた様な痕跡に「これは・・・」と見ていると、背後から話し掛ける【ミユ】「スレイブです。度々出現した劣化コピーとは違い、チャイルドにより近いものです」と言う。【シズル】も「後ろ取るんは好きどすけど・・・取られたんのは初めてどすわ、どなたさんどす?」質問に答えず続ける【ミユ】「封じられたはずの黒い力が動き出しています。注意しなさい嬌嫣の紫水晶」と言って去ろうとする。【シズル】も決して戦う気は無いと思いますがいきなり立ち上がるが【ミユ】は消えてしまうのだった。 夜の学園内。一人で歩く【ミーヤ】に【トモエ】が「もう、落ち着いた?」と話し掛ける。「あっ・・・うん、もう大丈夫」すると【ミーヤ】に絡み付くように話をきり出す「そぉう良かった。それでねぇミーヤさん、あなたに一つお願いがあるの・・・」と。 【セルゲイ】は街角の酒場で、【ナギ】からの信書を燃やして、酒を一気に飲んでいた。飲まなきゃやってられない状況になっていた。【セルゲイ】の隣に【ヤマダ】が座り「珍しいな・・・あんたのそんな飲み方は・・・」とそして続ける「見つかったぞ、14・・・いや、そろそろ15年になるか、あの事件を知る宮廷女官の生き残りが」とそれを聴いて顔色が変わる【セルゲイ】。 【ニナ】は自室で【エルス】と勉強をしていた。【ニナ】は【アリカ】の事が気になって勉強どころではない様子。「はぁ・・・遅いわね、アリカ。全くあの子ってば、いつも心配かけさせて・・・」とひとり言の様に言う。すると【エルス】「変わったよね、ニナちゃん。少し前ならアリカちゃんの心配なんか絶対にしなかったのに・・・」と言われて「べっ別に私はそんな・・・」と顔をまっ赤にする【ニナ】。「久しぶりに2人きりだから甘えちゃおうかな」と立ち上がり【ニナ】を後ろから抱きしめ、頬ずりをする。しかし【エルス】は心の中では「ごめんね、ニナちゃん」と【エルス】は【エルス】なりに考えた事だと思う。【アリカ】の為に・・・。 【アリカ】は「風華宮」を目指して街中を走っていた。【エルス】との会話を思い出しながら。【エルス】からマイスター【レナ】の凄さを聴いた。歴代の記録に残るオトメ、『蒼天の青玉』を継承して10年くらいし石を外す決心をし好きな人を結ばれる為に、15年前の事件で自分の赤ちゃんと一緒に行方不明になっている事、夢を叶え恋を手に入れてオトメとして、一人の女性として鮮やかに生きた人だったと・・・。【アリカ】「恋も夢も・・・」と『蒼天の青玉』を握りしめる。その時【エルス】に「確めなきゃだめよ!」と肩を押されて走る。迷いと不安を断ち切る為に【アリカ】は走るのだった。「ばっちゃが言ってった怖い時とほど、前に進めって」と【セルゲイ】を思い出し「何で、あんなキザで!イジワルで!オジサンで!でも・・・だから確めなきゃ!あたしの本当の気持ち」と胸に手をやる【アリカ】。 【セルゲイ】は【ヤマダ】と共に下水道のスラム街に来ていた。【アリカ】の事で茶化されて、異名で呼ばれ【セルゲイ】の眼光に鋭さが甦る。一軒のバラック小屋に入る。その中で一人の老婆が寝ていた。 【アリカ】は路地裏でロープを使用した罠に捕まり、逆さ吊りにされてしまう。「何よ!これっ!・・・この~放せっバカッ!何なのよ!あんたたち!」と抵抗をみせる【アリカ】。「うさぎちゃん、いくら力が強くても、その格好じゃなんも出来ないって」と数人の男たちが現れる。「白かぁ~流っ石はガルデローベのコーラルオトメ、清く正しく可憐だねぇ」「なあ~こいつメチャクチャにしちゃっていいんだろう」「あ~オトメの資格を失う様にだってよ」とこの男たちは誰かに言われて行動している様だ。【アリカ】もようやく自分の置かれた状況を、この男たちの発言の意味を理解した。 【セルゲイ】は、その宮廷女官の生き残りから話を聴いていた。「なんだって!」「そうです、間違いありません。レナ様はご自分の子供を私の同僚に託すと王家のお守り『蒼天の青玉』のペンダントを姫様の首にかけて城を出られたのです・・・」「それでは・・・」老婆は頷き「『蒼天の青玉』を持つ方こそ、このヴィントブルームの真の女王陛下なのです」と告げた。 その頃【アリカ】は男たちに捕まり、貞操を奪われる危機に直面していた。「さあっ~てショウタイムの始まりだ、カメラ忘れんなよ、高く売れるぜ」「一足早いオトメの卒業式の始まりだぁ」と男たちの笑い声と手が【アリカ】に迫ろうとしていた。「あっ・・・いっいやっいやっっー!!!」と路地裏に響く悲鳴とカメラのフラッシュがたかれていた・・・。 果たして、【アリカ】の運命は?【ナギ】の企みを知って、15年前の事件の真相と本物の姫君を知った【セルゲイ】の取る行動は!?