現代視覚文化研究会「げんしけん」

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地獄少女 第十三話「煉獄少女」

2006年01月08日 22時35分13秒 | アニメ・映像全般
 第十三話のストーリーは「古本屋「江黒堂」で【柴田】が手にした古い一冊の本、そこには地獄通信の話そっくりの「煉獄少女」という小説が掲載されていた。【柴田】は作者である【福本】という男を探し当てる・・・。【閻魔 あい】の行動の目的とは?」という感じに展開されます。
 見所は、戦国時代・江戸時代を越えても存在し続ける「地獄通信」と【あい】の存在意義を描きたかったと思います。言えば、人が生き続ける限り「地獄通信」も【あい】たちも消えないって事ではないでしょうか?それと【あい】は、存在を忘れて欲しくないと感じました。その為に今回は【あい】自身が行動を起し、【つぐみ】に同調させ、【一】が【福本】の所へ行くように仕向けたと思っております。
 物語は、数多くの蝋燭、名の刻まれた蝋燭が描かれる所から始まる。その中に、今にも消えかかりそうな蝋燭が・・・これが【福本】の蝋燭だった。劇中では【つぐみ】が【あい】に同調しているシーンから描かれている。【あい】はどこに向っているか?本屋街・・・喫茶店・・・一軒の古本屋へ・・・インコと店主が見える・・・そして【あい】は店の本棚から一冊の本を手に取る・・・そこで「つぐみ・・・おい!つぐみ」と【一】の呼ぶ声が聴こえた。【つぐみ】が我に返るといつもの家だった。【一】と食事中だったようだ。【一】は「ひょっとして、見えたのか?」「うん」と頷く【つぐみ】。「どこだ?どこが見えたんだ?」「本屋さん・・・古い本が置いてある」「古本屋だな・・・店の名前は?」と首を横に振る【つぐみ】。「じゃあ、どんな本屋だった?どんな本が置いてあった?」と矢継ぎ早に質問をするので【つぐみ】も困った表情をする。「漫画とか、小説とか、外国の本とか・・・」と言っていると【つぐみ】が下を向いて顔を赤くした。「黙っちゃ分からないだろう・・本のタイトルだけでもいいから・・・どうして言わないんだ」と【一】も困り果てるが「さては、大人の雑誌でも置いてあったか?」と言われて、図星の反応をする純情な【つぐみ】。それでも【一】はその反応を面白がっていると【つぐみ】が涙をためて怒り出し「はじめちゃんのバッカー!!!」と持っていた茶碗をぶつけられたらしい・・・【一】の鼻には絆創膏がはってあった(笑)。【一】は【つぐみ】の見た物を頼りに【あい】に関する手がかりの捜索を開始する。
 場面は変わり【あい】の家の裏手の川で会話する【一目連】【輪入道】【骨女】たち。【一】「お嬢は、何をする気なんだろう?」【輪入道】「さあな・・・」【骨女】「いいさぁ、いざって時はあたしたちがあの男を・・・わかっているね?」と2人も同意の意味を込めた返事をする。
 その頃、【一】は【つぐみ】の見た古本屋にたどり着き、本屋の店主に「地獄通信・・・知っているだろ?」と聴くが、分からないとのジェスチャーをされる。そこに、背後から一匹のインコが飛んで来る。そのインコが代わりに答える。【一】も驚きを隠せない。この場面は、摩訶不思議で、かなり怪しい店主とインコ面白かったですね。【一】は「あいは、なぜここに来たか」を考えている。また、店主に「昼前、女の子が来ただろ?」と聴く。インコと普通に会話する【一】。「ここで何を?」「立ち読みだよ」と教えられて、その本棚の前に立ち一冊の本を手に取る。「こっこれは・・・」と『煉獄少女』というタイトルの小説を見つける。内容を読み「地獄通信」との奇妙な一致を感じる【一】。再び、先程の古本屋に戻り、作者の事を尋ねる。その話の中で『煉獄少女』が掲載された雑誌「肉と櫻」の元編集長が生きている事を知り、連絡し本人と会う事にする。そこで作者が【福本】である事を教えられる。その『煉獄少女』の原稿を渡されめくって行くと「違和感を感じる挿絵」と「古い写真」が出て来た。編集長だった人物から【福本】と【大河内】の関係、急死した大河内、死んだ【大河内】の穴埋め的な小説が『煉獄少女』だと言う事も語られた。その「違和感を感じる挿絵」には、雑誌のイメージに合わないと差し替えられた本当の挿絵が存在した。その挿絵は「あっ・・・地獄少女、あい・・・」と驚愕する【一】。
 【一】は【福本】と【大河内】の間にあった事を確めるべく、本人に会う為に【福本】が住んでいるとされる50年前の住所へ向う。2人の関係には【福本】の妻の自殺が絡んでいた。その後、急死した【大河内】も・・・この一連の流れが『煉獄少女』との類似点が多い。その50年ぶりの場所は、かなりの変わり様だったが、その中に建っていた古アパートのベランダに干された洗濯物を見て【福本】が居る事を確信する【一】。「福本さん!福本さん!」とノックをするが居留守を使っているらしい。時間も経ち夕方になり、「この子の事で聴かせて欲しい」とドアの下の隙間から『煉獄少女』の挿絵を差し入れ、実際に会っている事、挿絵の子が地獄少女と呼ばれている事を言うとドアが開いた。「入んなさい」と一人の老人の声がした。その老人こそ【福本】だった。本人も命が消えかかっている事が分かっている様だ。【一】は単刀直入に「あなたは地獄少女に会った事がありますね?」とテーブルの上に「肉と櫻」を置く。咳き込みながら「なっ何をバカな事を・・・」とはぐらかすが、【一】は、地獄通信の事、若者たちがアクセスし行方不明者まで出ている事を説明する。「何の為にこんな事をするのか?・・・何とかして、これを止めたい」と言う。すると今まで黙っていた【福本】が口を開く「私の頃は、新聞の尋ね人欄だった・・・」
 この場面で語られる。【大河内】の【福本】の妻に対する凶行、その事を苦にした自殺による死。【大河内】に対する殺したい程の憎しみが余白だった尋ね人欄に「貴方の怨み、晴らします」の文字が浮ぶ。その書かれた小説の内容が、全てあった事実で書かれた事だと【福本】自身の口から語られるのだった。【福本】は自身の身体に刻まれた「地獄の刻印」を見せて「思えば、私の人生はこの刻印との闘いだった」と言う。この刻印を忘れる為に様々な事をした。「だが、何をやっても心が晴れる事はなかった・・・」とも続けた。この事は運命であり、地獄へ行く覚悟も出来ている【福本】。「私の最後の仕事を見せて上げよう」と奥のふすまを開けると・・・部屋いっぱいに【あい】が描かれていた。数々のキャンバスにも【あい】。正面には大きな肖像画の【あい】が描かれていた。「あっ・・あっ・・閻魔あい」とこの光景に言葉が出ない【一】。【福本】は「地獄に行ったら、またこの子に会えるかもしれない、それだけが楽しみだ」と言う。「楽しみ?彼女はあなたの人生のめちゃくちゃにしたんですよ」と言うが「それは、違う。私の人生をめちゃくちゃにしたのは大河内だ・・・」と告げる。私はこの【福本】さんの言葉は正しいと感じた。そして「彼女には感謝すらしている」とも言う。「いったい、何なんだ地獄少女ってのは・・・」と戸惑う【一】。「人ならぬ者、いや、かつては人だったかも・・・」と言い、【あい】の肖像画に筆をはしらせる。【福本】は【あい】に対する「愛情」としての感情を懐いているのではないかと考えている。「どうして、煉獄少女を書こうと思ったのですか?」と質問する【一】に、「それは、私の意思ではなく、彼女の意思だったのかもしれん・・・兎に角、誰かに伝えねばならなかったのだ・・・」「誰かにって、それは?」【あい】の肖像画に向っていた【福本】が振り返り「そうだ・・・君にだ」と告げる。さすがの【一】も表情が強張り、後ずさりをしてしまう。【福本】はパレットを床に置き、【あい】の肖像画を見つめていると、【あい】の肖像画の目から涙が溢れて来るのだった。「泣いてくれるのか・・・私の為に・・・」と【福本】も笑みを浮べ、涙した。
 最後の船上では、【福本】「ようやく会えた・・・あなたは変わらないな・・・相変わらず美しい・・・地獄で大河内に会えるかな・・・」と言うと目の前に座っていた【あい】が「地獄も結構、広いから・・・」と言う。この言葉の前に一瞬、口を開きかけて何かを言おうとしていたが・・・【あい】は【福本】に何を言いたかったのか?考えると面白いですね。