Baradomo日誌

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U17W杯開幕!

2007-08-21 | サッカーよろずごと
先日のU17W杯・日本VSハイチ戦。

これが同じ年齢か?といぶかしく思えるほど、ハイチの選手たちの立派な体格(というか骨格?)ばかりが目立つ立ち上がりだったが、ロングボール主体、個人技主体のハイチの戦術に緻密さはなく、しかもパス、シュート共に粗さが目立つ。
とはいえ、思わぬところから足が伸び、多少の上背のハンデは跳躍力でカバー。解説の清水氏曰く「パスでないものをパスにしてしまう」走力。
さすがはアフリカンの血脈だ。足長くて、しなやかで。うらやまし~。
メキシコに勝ったのは伊達じゃない。波に乗ったら怖いんだぜ~っ!と、闇雲なパワーを撒き散らし、日本選手を蹴散らしていく。
一方、そのハイチに押し込まれっぱなしだった日本U17。
緊張のためか中盤でパスミス連発。
中途半端なパスはカットされ、長めのパスを出せばすかさず受け手がチェックされ、ドリブルしながらパスコースを探す間にかっぱらわれる。
カウンター気味に強烈なミドルを喰らってはディフェンスラインを押し下げられ、守備に奔走していた前半。
1トップ気味に張っているはずの大塚が、プレッシャーがきついのか下がったり開いたりすることが多く、楔のパスを入れようにもターゲット不在の状態(清水氏曰く「トップレス」状態。そういう言い方があるのか!)。加えて、シャドーの端戸、怪我でベンチスタートとなった柿谷の代役八反田ともどもときおりドリブルを交えて相手ディフェンスラインのウラをうかがうものの、気付けば左サイドに押し込められ、ペナルティエリアに侵入できない。
こうなると逆サイドの水沼がフリーになるため、思い切ったサイドチェンジが効果的なのだが、長めのパスが正確に飛ばず、ことごとくハイチDf陣に拾われてしまうし、たまに届いても水沼に対するフォローがないため結局ボールを下げてしまう。
じっくり見ていると、Gk広長の落ち着いた位置取りやCB金井の高さ、SB吉田の粘り、Mf山田の戦う姿勢などなど、けっこうタレントも豊富。しかしどうにも受身のサッカーに終始し、標榜する「人もボールも動くサッカー」にならない。
初戦ゆえの緊張感?
パスミスするくらいならドリブルで突っかけて行けよ!と思うけれど、そこはチーム戦術。なかなかアドリブが効かないのは、日本代表全カテゴリー共通の悩み。
従来のサッカー日本代表は、どの年代の代表でもお約束のようにこういう展開になっていたなぁ~、と、ちょっとした既視感にとらわれてしまう。
あるいは、筋力が足りないためのパスミスか?結局は体格差をエクスキューズにするのかい?一発の怖さにびびって及び腰の守備やってたら、力負けは目に見えたようなもんだ。

ところが。

前半42分、やっとのことでペナルティエリア近くでフリーキックを得た日本は、相手の壁が整う前にボールを横へ流し、ボランチ岡本がロングシュートをねじ込んでしまう。
なんとあっけない得点!
さりげなくリスタートしたため、ボールを全く見ていない相手選手もいたほど。
及び腰なんかじゃなかった。狙ってやがったよ、こいつら。

あるいは、あれが直接シュートだったらやり直しを命じられたのではないか?
というのも、昨夜の審判を見る限り、決定的なシュートに結びつく場合のみならず、セットプレーはすべてその位置について非常に厳格な審判だったことを考えれば、日本選手たちは妙にクレバーな判断をしたと言える。
A代表ならば、遠藤や小笠原、あるいは中田英なんかがこういったプレーを見せていたけれど、それらはむしろ個人のひらめき。チームが連動して見せるマリーシアなんて、日本代表チームとしても非常に珍しいんでないの?

後半、尻に火がついたハイチが怒濤の反撃を見せ、25分程度経過したところで、日本Df陣が居ついた瞬間に豪快な一発をねじこみ、試合を振り出しに戻した。

ここで城福監督はここまでミス連発ながら前線で身体を張って相手をかく乱してきたMf八反田を下げ、Mf河野を投入。
するとすぐさま日本の攻撃がスイッチオン!相手Dfラインを切り裂き始める。
続いて解説者清水氏に「トップレス」と評されたFw大塚を下げ、同じくFw柿谷を投入すると、あれよあれよという間に長短のパスがまわり、ドリブル等の個人技も冴え、残り10分をまわったか?という時間帯に、替わった二人が仲良く連続得点。
やはり柿谷はSpecialな選手なのかも。
上の年代で見てみたい気もするね。

結果的に交替策が功を奏したと言えるが、振り返ってみれば前半から我慢し続け、人とボールを動かそうと地味に戦ってきたスターティング・メンバーの努力が実り、後半ハイチの走力に陰りが見えてきたこと、そして、ハイチが焦れて前に出始め、柿谷らの動けるスペースが開き始めたことが勝因。
1点目はクリーンヒットが打てないのでバントと盗塁でもぎ取った、みたいな、チーム戦術による得点。
2、3点目はしっかりつないで走ってどか~ん!という、戦術+個人技。
こういう二面性があるということがこのチームの強みなのだろう。
ただ、失点は余計だった。CB2人が縦横に連続して揺さぶられて居ついてしまった。

個人的に印象に残った選手は4人。
ボール持てば削られ、ディフェンスに行けば身体ごと吹っ飛ばされ、それでも懸命に走り続けたSB吉田。
ヘディングの競り合いでほぼ全て勝利していたCB金井。
八反田をおとりに影の司令塔を演じたまではよかったものの、前後左右から集まるパスに相手の足までついてきたもんだから、90分間削られまくり、どうにも落ち着かなかったMf山田。次戦はもう少し落ち着いてプレイして欲しい。
そして、パスが来ないためほとんど無駄走りに終始してもなお90分間声を枯らしてチームを鼓舞し続けたキャプテン水沼。
俺はいつでも脇役が気になるのだ。

先日のU20がU17だった頃、現FC東京の小澤が前線で走りまくり、当時のキャプテンだった青山が攻守両面で大活躍したにもかかわらず、アジアを抜けられず終い。
その後メンバーチェンジを繰り返し、じっくりチームを固めた結果、アジアで負けて大泣きしていた青山隼のちょっと暗めの姿も幼かった表情もどこへやら、ふてぶてしいあんちゃんチームに変貌。
あれが大学生的なイケイケチームなら、こっちは甲子園的な根性と粘りのチーム。
いいチームですよ、これ。
2、3年後が楽しみ。

しかし。
あれで水沼がカレン・ロバートの顔をしていたら、人気大爆発だっただろうに。
次のナイジェリア戦までに髪を切るか、染めるかしてみる?
それとも、プロ契約するまでは色気出すな!ってことなんだろうか?
唯一のプロ契約選手である柿谷の頭を見ていて、ふと、そんなことを思った。


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