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春満月うす目して見む死に際は 大木孝子

2018年03月17日 | 俳句
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大木孝子
春満月うす目して見む死に際は

春の満月がどここか朧げに浮かんでいる。それをゆったりと心和ませて見ている。こんな死に方だったらいいな、とふと考える。最後の時間は日常の茶飯事や仕事の煩わしさが霞んでただぼーとなって一切の苦しみが消えるのだろうか。いやいや断末魔の苦しみと言う事もある。一寸先は不明で想定外の時であろうと覚悟はしているが。そんなこんな考える年齢に私はなった。:俳誌「角川・俳句」(2018年3月号)所載。