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八方に二百十日の湖荒るる:稲荷島人
湖水が四方八方に白波を立てている。二百十日前後は日本列島に台風が襲う季節である。一方で穏やかな日は行楽シーズンでもあり山の湖水に遊ぶ人も多々ある。そんな行楽客が釣りを諦め湖水の前に佇んでいる。舞い落ちる木の葉も深い落葉色を帯びている。深まる秋の気配に植物も鳥や獣も冬支度へ突入して行く。急ぐなよ、急ぐなよと誰かが呟いた。<自転車や二百十日の風強し:やの字>:角川書店『合本・俳句歳時記』(2021年3月28日)所載。
俳句喫茶店・つぶやく堂
八方に二百十日の湖荒るる:稲荷島人
湖水が四方八方に白波を立てている。二百十日前後は日本列島に台風が襲う季節である。一方で穏やかな日は行楽シーズンでもあり山の湖水に遊ぶ人も多々ある。そんな行楽客が釣りを諦め湖水の前に佇んでいる。舞い落ちる木の葉も深い落葉色を帯びている。深まる秋の気配に植物も鳥や獣も冬支度へ突入して行く。急ぐなよ、急ぐなよと誰かが呟いた。<自転車や二百十日の風強し:やの字>:角川書店『合本・俳句歳時記』(2021年3月28日)所載。
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