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もの言うて歯が美しや桃の花 森澄雄

2018年03月10日 | 俳句
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森 澄雄
もの言うて歯が美しや桃の花

妖艶な桃の花の下に佇む麗人。話を聞いている中に相手の歯の美しさに感動した。その人格全てが美しく思えてくる。容姿の美しさもさりながら話から迸る知性の輝きが美しい。美しい歯並びを見ればこの丈夫な歯で心身ともに健康である事も想像出来る。物が噛めて有難く思うのも丈夫な歯があっての事。町内に虫歯は一本も無いよと粋がった男、実は総入れ歯と言う落ちを付けた。:角川「新版・俳句歳時記」(1990年12月15日版)所載。