後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「利根川の鮎料理、坂東簗の風景」

2024年01月18日 | 日記・エッセイ・コラム
坂東簗の料理場の外の廊下に古い写真が沢山飾ってあります。明治、大正時代に前橋の金持ちが人力車で乗り付けています。それには芸者さんの乗った人力車も続いているのです。栄枯盛衰は世のならいという言葉を思い出します。
そこで坂東簗の風景の写真をお送り致します。
関越道路の渋川インターを出て、前橋方向に戻り利根川を渡るとすぐにこの坂東簗があります。
店の玄関を入ると直ぐに左手に広い焼き場があり、菅笠をかぶった職人たちが汗を流して熱心に数多くの鮎を焼いています。
鮎料理はこの塩焼きだけでなく、味噌焼き、鮎の甘露煮、鮎のフライ、鮎のうるか、鮎のお澄まし、鮎ごはんなどが出ます。
客席に座ると木を組んだ簗が見え、その向こうに利根川と榛名山が広がっています。
鮎料理を注文すると、料理が来るまでしばらく時間がありますので、上の写真のような簗に降りて行き、しばし水流を眺めます。簗の先端には時々、鮎の小さなものやハヤが上がってきます。拾って備え付けの木箱に入れて生かしておきます。子供が自由に持ち帰って良いのです。
簗から上がってきると上のような塩焼きが来ます。熱いうちに中骨を抜いて食べます。
上の写真は家内が鮎を食べているところです。子供のころ多摩川の天然鮎を沢山食べたことを思い出すそうです。

このように利根川で取れた鮎を川風に吹かれながら食べる風習はもう無くなってしまったのです。夏の風物詩が一つなくなり、淋しくなりました。

今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)

3 コメント

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残念です (toboketaG)
2015-06-17 17:07:21
坂東簗は私がいつも走るサイクリング道路の近くにあります。高崎にも簗瀬簗というのが烏川にありましたがしばらく前に閉鎖。上流に行くと旧赤城村にありましたが、最近はやっているのでしょうか?これで群馬県を流れる利根川水系の簗は碓氷川の磯部温泉簗だけになってしまいました。しかし天然鮎ではないようです。
数年前に旅の途中で寄った新潟県堀の内を流れるの魚野川の簗は素晴らしかった。簗に打ち上げられる鮎を子供たちが夢中で捕っていました。(小千谷市の手前)
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最近の利根川 (toboketaG)
2015-06-17 17:30:34
最近の利根川の様子をお知らせします。
鮎は冷水病とかで殆どいなくなり、この時期アユ釣り師のさおが重なりあうような時もありましたが、15年ほど前から次第に釣れなくなり、今は殆ど釣り師の姿を見かけません。
秋口になるとサクラマスの遡上があるようで、長い竿やリールで川に入る姿を群馬県庁裏あたりで見かけます。知り合いの話だと殆ど釣れないがかかるとかなりの大物の場合があるということです。したがって釣りの対象としての利根川は殆ど消えてしまったといっていいでしょう。
治水は大切なことですが、ダムに貯えられた下層の冷えた水を放流することで水温が下がってしまっているという説明を沼田あたりのおとりアユの取扱店が話していました。これも10年前のこと。
利根川の役目は農業用水と東京都民への水の供給となってしまいました。でも渋川より上流に行けば木々の緑に彩られた崖を縫って流れる風景は素敵です。
なお私の知識ではアカハラとハヤは同じ魚だと思います。産卵期になるとハヤの腹部は赤く変色します。
正式名称はウグイですが高崎あたりではクキと呼んでいます。
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Unknown (ハルミ)
2021-08-10 18:24:29
しみじみとした良いお話でした。 ただの追憶ではなくて 食文化の変遷などに言及していた点、筆者の 思考の広さがわかり興味深く拝読いたしました。
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