後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「今日の日記、春のお彼岸の墓参りに行きました」

2021年03月17日 | 日記
今日は春の彼岸の入りです。午前中から墓参りに行きました。
日野市の大昌寺の墓地には墓参りの人が何人も来て、花々と線香を供えていました。
写真は今日撮った大昌寺の風景です。皆様が故郷のお寺を思い出すようにとお送りいたします。
お寺の風景は何故か郷愁を感じさせますね。









「30年戦争によるヨーロッパの荒廃と、EUによる統一と繁栄」

2021年03月17日 | 日記・エッセイ・コラム
いろいろな物事は比較しながら説明するとそれぞれの特徴が分りやすいのです。
そこで今日は昔の戦争による全ヨーロッパを荒廃ぶりと、現在のEUによる統一と繁栄ぶりを比較しようと思います。
今日取り上げる戦争は全ヨーロッパを巻き込んだ中世の「30年戦争」です。それは近年の第一次大戦と第二次大戦の様相に非常に似ているのです。
「30年戦争」はドイツから始まり、宗教改革の後の1618年から30年続いた戦争です。当時のドイツ人の総人口1800万人が700万人に減少し、国土を荒廃させた大戦争だったのです。
簡略化して書けば、ウイーンのハプスブルグ家の支配下にあったカトリック側の神聖ローマ帝国(当時のドイツの国名)とそれに反発するドイツ国内のプロテスタン領主達の反乱と言えます。
しかしこの戦争はヨーロッパの全域を巻き込んで全ヨーロッパを徹底的に荒廃させてしまったのです。
この戦争の実態は宗教戦争を装った領主たちの領土拡大と権益拡大を主目的にしたおどろおどろしい戦争でした。それにスウェーデン、ノルウエイ、フランス、デンマーク、スペインなどの国々も参加し、領土拡大を狙った国際戦争でもあったのです。道義もルールも皆無な戦争でした。兵士たちがヨーロッパ中の農民を殺し略奪をしつくしたのです。
この「30年戦争」の爪痕は現在でも残っています。下にその実例を示します。

1番目の写真はドイツの古都ローテンブルグの風景です。以前私が住んでいた懐かしい町です。
この美しい中世の町が、「三十年戦争」(1618~48)の時、攻め込んで占領した敵に破壊されそうになりました。敵将が市長へ大ジョッキでワインを一気飲みをしたら町の破壊をしないと言います。市長は見事、一気に飲み干してこの美しい町を救ったのです。
それを記念して市庁舎の大きな仕掛け時計には大ジョッキを飲み干す市長の人形が出てきます。
そして毎年キリスト教の聖霊降臨祭の祝日(5月下旬から6月上旬頃)に町を救った市長を称えて祭りが開催されます。

2番目の写真はに町を救った市長を称えて祭りの様子です。民族衣装をまとった市民がダンス をして町の開放を祝っています。写真の出典は、http://allabout.co.jp/gm/gc/45500/ です。
「30年戦争」の爪痕は「アルト・ハイデルベルグ」という恋物語で有名なハイデルベルグ城にもあります。訪れるとガイドがこの城は「30年戦争」であちこちが破壊されました。その傷跡はこれですと城壁の壊れた部分を指さすのです。

3番目の写真は「30年戦争」の爪痕が残っているハイデルベルグ城です。写真の出典は、http://gensun.org/?img=tabidachi%2Eana%2Eco%2Ejp%2Fstorage%2Fphoto%2F978%2F179901_2%2Ejpg)です。
ドイツに居た頃、働いていた研究所のドイツ人達と一緒にビールを飲みます。酔ってくると彼らは、決まって何かを大声で議論を始めるのです。何を議論しているか聞いてみると、「30年戦争」のことだと言います。「30年戦争」の何を議論しているのかと聞くと、「敵味方が複雑に入り組んでいてドイツ人にしか分からない問題を議論している」と答えます。そして、「実はドイツ人にもよく分からないのです」と自笑しています。
戦争には残虐も付きものです。各地で木の枝に吊るした死体があったそうです。

4番目の写真は30年戦争で木の枝に吊るした死体の絵です。
この戦争の死者は800万人。ドイツ(神聖ローマ帝国)の人口が1800万人から700万人に減少したのです。
三十年戦争の第2段階から徐々に国家間の権力闘争の側面が露わになりスウェーデンからイタリーまで全ヨーロッパを荒廃させてのです。
このような残酷の戦争の歴史のある全統一と繁栄を話し合いで統一し繁栄をもたらしたのが欧州連合、EUなのです。それは奇跡です。ヨーロッパは第二次大戦後の76年間平和なのです。

5番目の写真はヨーロッパの繁栄ぶりを示す一例のオランダの美しい風景です。

6番目の写真は現在の27のEU加盟国の地図です。
欧州連合、EUの加盟国の市民は自動的にEU市民になり、次のような特典を持っています。
(1)加盟国の領域内を自由に移動し居住する権利
(2)居住先加盟国における地方自治体選挙およびヨーロッパ議会(欧州議会)選挙における選挙権および被選挙権
このような自由で平和なヨーロッパは「30年戦争」の頃は想像も出来ません。
人類へ与えられた奇跡のような歴史的な展開です。
そして日本もヨーロッパと同じように第二次大戦後の76年間平和なのです。幸運に感謝しています。
今日は戦争による全ヨーロッパを荒廃ぶりと、現在のEUによる統一と繁栄ぶりを比較しました。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)