後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

山百合の花の写真を撮りに奥多摩までドライブしてきました

2017年07月18日 | 写真
奥多摩には山百合が咲く季節です。
昨日はその花を求めて奥多摩町の海沢の集落まで分け入りました。そしたら山道の石垣の上に何年も生育したような山百合の束状の花があったのです。集落の人々が大切にしていたのでしょう。
その山百合の写真をお送りします。お楽しみ頂ければ嬉しく思います。









絶対君主制国サウジアラビア王国に何故米軍基地があるか?

2017年07月18日 | 日記・エッセイ・コラム
中東地域における戦乱と欧米国でのテロ事件ほど複雑で理解し難いものはありません。
そこで今日からこの複雑な国際問題を少しでも整理して分かり易くしようと思います。
まず3つほどの記事を次のように書いてみようと考えました。
(1)サウジアラビア王国とはどのような国だろうか?
(2)サウジアラビア王国を含めて米軍基地のある国々は?
(3)アメリカとロシアの介入が混戦の原因か?
自分は中東問題の専門家でもなく、まったくの素人です。しかし素人としての素朴で明快な問題提起を続けて行くとある程度この複雑な国際問題が理解しやすくなると信じています。
それではまず中東の地図を覧下さい。

この地図の出典は、http://www.i-ise.com/jp/column/salon/201501.html です。
この地図で親米の国々はアラビア湾に沿った湾岸諸国のクエート、バーレーン、カタール、アラブ首長国連合です。それにヨルダンとイラクは親米国です。そしてアラビア半島の大きな部分を有するサウジアラビア王国も強い親米国なのです。
一方、ロシアと仲の良い国はシリアです。ロシアの空軍基地や海軍基地があります。

さてこれらの中東の国々の多くは絶対君主制をとっています。分かり易く言えばそれらの国はそれぞれの王様の所有物なのです。法律は無く王様とその一族が直接統治しているのです。
その絶対君主制の国は以下の通りです。
アラブ首長国連邦
アブダビ(首長)
ドバイ(首長)
オマーン国(国王)
カタール国(首長)
クウェート国(首長)
サウジアラビア王国(国王)
バーレーン王国(国王)
中東にはヨルダン王国のように形式的には立憲君主国のように装うっている国もありますが、実態は政教分離されていなくて欧米の立憲君主国とは非常に違います。

それでは原油埋蔵量が世界一で米軍基地のあるサウジアラビアの政治機構をもう少し詳しく見てみましょう。以下は、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%93%E3%82%A2 からの抜粋です。
首都はリヤドでサウード家を国王に戴く絶対君主制国家です。アラビア語による国名は「サウード家によるアラビアの王国」を意味しています。サウード家一族があの広大な国を領有しているのです。
ですからサウード家による絶対君主制となります。従って国家の統治は厳格なイスラム教義に従ってなされています。
ですから以前は憲法をもたなかった政教一致の政治でした。
要職は王族が独占しており、ギネス世界記録には王族の数が世界最大と記載されているそうです。
サルマーン現国王は第2世代であるが現在は第6世代まで誕生しているそうです。
建国以来、長年にわたっ憲法がありませんでしたが、1993年3月1日に公布された統治基本法が憲法の役割を果たすと主張しています。
同時に諮問評議会法や地方行政法も発布され近代法治国家らしい体裁が整えらました。
政府は統治基本法が憲法であると主張していますが、その第1条に「憲法はクルアーンとする」と明記されており、実態はクルアーンこそが『憲法』なのです。そして同じイスラム教でも、シーア派を敵視しています。
それでは行政や立法はどのようになっているでしょうか?

従来は内閣も議会も存在せず、勅令が法律公布と同義となり、行政も勅令の他、クルアーンに則って施行されてきました。
しかし、統治基本法公布によって選挙が行われ、内閣に相当する閣僚評議会や国会に相当する諮問評議会、そして地方議会も設置されたのです。ただし首相格の閣僚評議会議長は国王の兼任です。

国内は13の州に分割されています。各州には勅任の知事(アミール)が就任しますが、サウード家出身者以外は認められないのです。
さて税制を見てみましょう。
税金のない国と言われることもありますが、実際には統治基本法にザカート税(喜捨の義務)が明記されており、ザカート税法の規程が存在します。徴税担当は「所得税およびザカート税省」が当たります。
油田発見以前の貧しい国だった時代にも初代国王が欧米式の税制を導入しようとした時にイスラムに反するとして猛反対されて実施されなかった過去があるそうです。この税金に対する考え方が分かり難いですね。
司法についてですが、サウジアラビアでは宗教が法律となりクルアーランに基づくイスラム法(シャリーア)により裁判が行われています。ですから近代国家のような刑法も民法もありません。

結論を言えば、国名の通り、「サウード家によるアラビアの王国」で、その統治は国内を13の州に分割し、各州には勅任のサウード家出身者が知事として就任し統治しています。当然のことながら民主主義は一顧だにされないし、欧米流の人権など存在する筈もありません。

このように全ての価値感がまったく異なる国にアメリカ合衆国は何故、軍事基地を持っているのでしょうか?
これは問題提起ですから回答は皆様それぞれでお考えください。
そして中東への米軍の介入が無かったら世界の将来の歴史はどのようになるでしょうか?
こんなことを考えると中東の複雑な戦争や国際関係が少しでも分ってくるのではないでしょうか?

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)