後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

『宗教間の争いを防ぎ、世界を平和にするある一つの考え方』後編

2017年07月01日 | 日記・エッセイ・コラム
私のこの欄ではいろいろな方にお願いをしてご寄稿を頂いています。
ブラジル在住の平峰盛敏さんにもお願いし、19歳でのブラジル移民から、ブラジルで体験なさったいろいろな興味深いお話を3回ほどご寄稿して頂きました。
さてそれはそれとして、平峰盛敏さんは「生長の家」という宗教の指導的な立場におられる方です。
私自身はカトリックの信者ですが「生長の家」は穏健で、その上、真面目に慈善事業もしている宗教組織だと尊敬しています。
以前にも日本在住の「生長の家」の幹部の方に、この欄でその教義の説明をして頂いたこともあります。ご記憶の方もいらっしゃると思います。
そこで今回は平峰盛敏さんにお願いしてブラジルにおける「生長の家」に関してご説明をして下さいとお願いいたしました。
お願いしました理由は2つです。
一つは「生長の家」の考え方が世界の平和にとって役に立つのではないかと考えたからです。宗教間の対立や争いが「生長の家」の教えで無くなると考えられるのです。楽観的過ぎるでしょうか。
二つ目はブラジルというキリスト教文化圏のブラジルで日本独自の新興宗教がどのように受け入れられているか興味深いからです。
それでは平峰盛敏さんの文章の後篇をご紹介致します。
なお挿し絵代わりの写真は平峰さんからお送り頂いたブラジルの風景写真です。
===平峰盛敏著、ブラジルに於ける「生長の家」の布教状況(後編)=====
(4)何故、ブラジルで「生長の家」の信者が増大するか?
ブラジルは、2010年の調べで、国民の90%近くがキリスト教信者であり、国民の20% 強が、プロテスタント系の多種の教会に占められているとグーグレに出ています。残りの大部分の国民はポルトガル同様にカトリックです。
私がブラジルに着いた頃感じた事は、キリストの教えと、国旗にある "秩序発展"の 理想が 手を取り合って、この大国に、明るい正直な国民を育てている事でした。
ブラジルではカソリック教が、国の公式宗教でした。
私事ですが、カソリックの慈善病院に、何回も 無料でお世話になりました。 優しい 行き届いた介護をうけました。私は、ひそかに キリストの教えと慈愛に感謝を捧げる無数の人々の中の 一人です。
キリスト教信者の素晴らしいお友達が沢山できました。 谷に咲く 百合に たとえて 学校の先生やお医者の理想を語る風習が有る事を知ってブラジルが 親密な国に思えるようになりました。 子供達が自然に ブラジル人になる事を誇りに 思いました。 いつの間にか、この国を深く愛するようになりました。キリストは素晴らしい教えを残してくださり、生長の家でもその教えの普及に取り組んでいます。上で申し上げましたように、生長の家では「人間は神の子 」と、キリストが本当にお伝えしたかったメッセージをつたえ、イエスの様な、愛が深く明るい生活を進めます。キリストが教えてくださった祈り、主の祈りでは「天に在す吾らの父よ、。。。。」とあります。ようするに「吾ら」とい うと、神はキリストのみの父ではなく、吾らすべての父であることをキリスト自身が説いてくださったことを生長の家はお伝えしています。ブラジルで生長の家の信者が増大する理由の一つとして、他力本願から、自他を越えた、絶対力への本願 に切り換える教えが在ると気付いています。自力本願を 説くと、我がのさばるので、滅我するよう、謙遜に生きる心得を教えると、宇宙の生かす力が、人生にみなぎる様に成ります。
もちろん、"万教帰一" の教えを守り、その家系の元の教会を離れることなく生長の家で勉強するように指導します。
ブラジル人の皆さんいつも生長の家に来られ、また家族本来の教会にも行かれる回数が増えます。また、ブラジル人たちは、すごく楽天家、社交性が良い人が多くて、自分が少しでも幸せを 感じると、友達に隠しておれないのです。
笑いの練習、先祖供養 および 神性開発練成道場では、その国の国旗を掲揚し、 ラジオ体操をする等、これまで体験していない事等も、興味を引いていると思います。

(5)ブラジルの人種構成と「生長の家」の信者との関係
 生長の家は、日本で発祥した哲学/宗教として、先ずは日系人の間で普及しました。1950年代に入ると、日系人社会にも大きな変化が見られました。戦前、戦中は「出稼ぎ」の自覚があった日本人移民者が敗戦後は、移住者としての自覚へと変わりました。その心の入れ替わりに伴い、「多く稼いで故郷へ戻ろう」という思いから、「子孫のため、良い国の建設に向けて全力を尽くす」という意思になり、様々な花を咲かせました。生長の家のブラジル伝道意欲もその中の一つの現れであると考えられます。
日系人から始まった伝道が現地の方々へ発展し、差別なく、神の国を実現するためと進んだ結果、生長の家信者は現在、国民人種構成をそのまま映していると言えると思います。日系人はブラジル南部に集中しており、現下の生長の家の伝道はブラジル全土に広がっているからです。

(6)宗教間の争いを防ぎ、世界を平和にするためには何が重要か?
宗教間の争いは、キリスト教諸宗派間のみならず、もっと大きな視野で観ると、宗教間の争いは兄弟同士の細かい事に拘る幼稚性の現れであると受け止めて良いと思います。
雌鳥が兄弟喧嘩するヒヨコ達をなにも言わず羽の下に抱き込む様な おおらかかな心を全ての教主達は 持つべきです。余りにも人間的な欲望の強い教主はさておき、いやしくも神様仏様の大きな愛を説く使命を生きようと決断した伝道者や布教者は、速く幼稚園を卒業するべきなのです。
万教帰一の真理を広めると、自ずから世界平和が現れると信じています。
神様は太陽の様な、大きな光源。全ての哲学/宗教は、その光線に例えられます。
世の中には色々な形、役割の電球がありますが、光りを出す力は 電流から得ています。発電所を神様とすれば、いかに形体が違っていても、一つの発電所から送られる電流で全電球に灯がつきます。 違う電球を、他の宗教とすれば、同じ神様から出た命、真理が自他の宗教の灯火を光らせている事が分かります。
その様な理解が進むと宗教間の争いが 自然に消えます。
宗教間の共通したところを探し、認め合い、伝える事が重要と、信じています。
千万の花、果物の種類、形態の違いが人類の生活を豊かにしていると同様、千万の哲学/宗教も 違いは、紛糾の始発点ではありません。哲学/宗教の違いは美しい人類の偉大さの実証点と認めてあげるといいと思います。

三代目総裁谷口雅宣先生は、環境科学者の将来に関する不吉な見通しを傾聴され、善い知識を残された先人達の教えを一般信徒に伝えて下さいます。
現下の人類は、自然の上に人間が搾取心で乗っていて、神を精神面から排除しています。
これが、産業革命以後益々募り、これ以上弊害を放置することは出来ないと、谷口雅宣先生は説かれます。神 自然 人間と、縦に三段に位置付ける提案をされます。日本古来の生活法を速く世界に拡大するよう教えられます。これを、ブラジル人は直ぐ理解します。これまで、環境保全に挺身された多くの方々に深い感謝を捧げます。

食料不足、飲料不足、貧富の差から生ずる精神の歪みを緩和する生活を信徒各自に求めておられます。生長の家の信仰は、すなわち人類愛の実践です。
神様の信仰はすなわち大自然尊重です。水 食料 自然資源を、もったいない心で頂きます。生類憐れみの仏の教え、 全ての宗教の教えを 実践して、肉の消費を減らすよう教えられます。なるべく少しで有効に満足するように生活全面を改善します。
自転車で用を済ます生活を奨励されます。原子力発電所は使わない決断をされました。あらゆる処に小型の二酸化炭素発生を抑える発電方法を使うように全人類に勧められます。皆世界平和へ向けての実践です。貧富の差が自然に無くなる生活法です。
肉の消費は、山林を牧場にする害があります。畑を牧場にします。金持ちが喜ぶ肉を沢山生産する為に、貧困者の食卓に安い穀物を届ける生産は後回しになります。
危ない悪循環を回避する為に、肉の消費を減らす、魂の向上に繋がる精進を決意します。

(7)あとがき
説明不足の項目を羅列して、 もうし訳ありません。ご質問、ご意見いただでければ幸いと、思います。 皆様のご健康とご幸福をお祈りいたします。