後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

中東の今後と、「風刺画」へ対するフランシスコさんの常識的な批判

2015年01月18日 | 日記・エッセイ・コラム
フランスの風刺画騒動でヨーロッパは揺れ動いています。
しかし中東ではイスラム国とクルド族の戦いが続行されていて、欧米軍と一部のアラブ諸国が連携し、イスラム国を空爆しています。
イスラム国はすでにイギリス本土と同じくらいの領土を確保し、国家としての統治体制を整えつつあります。
中東ではクルド国の独立宣言も予想され、ますます混迷を深めています。
今後の中東情勢はアメリカやヨーロッパ諸国の数々のテロ事件とも深くかかわり非常に重大な問題です。
イスラム国が提起してる新しい問題や、クルド国の独立の問題に関して国際政治学者の山内昌之教授が実に明快な解説記事を今朝の読売新聞一面に掲載しています。
イスラム国の新しい体制を説明した上で、クルド国の独立の可能性を示唆しているのです。
そうなると現在の中東にはイスラム国とクルド国が新しく加わり、現在の国境線も大幅に変わってしまうのです。それに対してアメリカやフランスは柔軟に対応できるでしょうか?
このような大きな問題に関して山内教授は明快な論旨で中東と欧米の将来について説明しています。
個々のテロ事件の残忍さに目を奪われ、大きな問題を忘れないようにという警鐘のような解説です。記事の題目は、対「イスラム国」・・・クルド国家の独立刺戟という題目です。実に明快な上、中東問題の核心を突いた素晴らしい記事です。ご一読をお薦めいたします。
さて一方「風刺画」の掲載は常識的に考えればやってはいけない事です。それに関してローマ法王のフランシスコさんがパンチを繰り出したくなると話して、「風刺画」掲載を批判しました。ネット版、http://irorio.jp/daikohkai/20150117/196413/ にある記事を以下に引用します。
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現在、アジアを歴訪中のローマ教皇フランシスが、フィリピンから第2の訪問国であるスリランカへ移動する機内の中で、「私だってパンチするだろう」というコメントをした。
これは先日起きた、パリの風刺週刊紙「シャルリー・エブド」襲撃事件をきっかけに、世界中で巻き起こっている、「表現の自由はどこまで許されるか」という議論に対して語ったもの。
法王がパンチを繰り出すそぶり
機内にはこの歴訪を運営している友人のアルベルト・ガスパリ氏がいたが、彼に対してローマ教皇フランシスは、次のように語ったと言われている。
「(表現の自由に対して)暴力的に振る舞ってはいけないのは当然だ。しかし良い友人であったとしても、あなたがもし、私の母親に対して呪われた言葉を言ったとしたら、あなたにはパンチが飛んでくるかもしれない」
そういうとローマ教皇は茶目っ気たっぷりに、ガスパリ氏の方へ、軽くパンチを繰り出すそぶりをした。
「表現の自由には限度がある」
ローマ教皇は、パリにおけるイスラム過激派の襲撃事件について、「表現の自由」を擁護している。しかし同時に、彼はそのような自由にも制限はあると、公の場で指摘した。
「私は宗教の自由と、表現の自由は両方とも人間の基本的な権利だと考えています。全ての人が自由と権利を持っているだけでなく、多くの人に有益なことをいう義務がある」
また教皇は次のように発言もしている。
「(特定の宗教を)挑発したり、他の人の信仰を侮辱したり、また他の人の信仰をからかうことはできない。表現の自由には、限度がある」
さらにカトリック教会が公認した十字軍のイスラム諸国への遠征のような、過去の宗教的な戦争を引き合いに出して、次のように語った。
「私たちの歴史を考えましょう。どのくらい多くの宗教戦争を人類は経験したのか。たとえ犯罪者であっても、神の名の下に人を殺してはいけない。これは正道を外れている
このローマ法王は気楽な伯父さんのような感じです。親近感が湧いてきます。絶対に偉そうにしません。実に人間的です。楽しいです。
これでこの記事終わりとします。
下の写真はフィリピンのタクロバン空港におけるフランシスコさんの写真です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)
===参考資料=======================
(CNN) フィリピン訪問中のローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は17日午前、同国中部レイテ島のタクロバンを訪れ、空港近くで野外ミサを執り行った。参加者は数十万人とされる。
ただ、この日は台風1号の接近で風雨などが強まり、法王の現地到着から約30分後に始まったミサの時間が短縮された。それでもタクロバンの空港には多数の信者が集まり、法王の到着を出迎えた。
台風1号の風速は約36メートルにも達し、レインコート姿でミサに臨んだ法王のフードが風で揺らぐ姿も見られた。法王のミサでの言葉の内容は伝えられていない。
タクロバンは2013年11月に台風30号の直撃を受け、甚大な被害を受けていた。フィリピン全体での死者は6300人に達していた。・・・・以下省略