後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

心がシーンと静まるような冬のヨット・ハーバーの風景写真

2015年01月22日 | 写真
数年前のある冬の日に東京湾レインボーブリッジを越えて夢の島マリーナへヨットを見に行きました。
この東京のヨット・ハーバーは都立夢の島公園の一部として都民に開放されています。冬の強い西風で、ヨット達のハリヤードがマストを打つ音がカンカンと澄んだ音を響かせていました。青い海面、白い船体、そしてハリヤードの音を聞いているとすっかり寛ぎます。
このハーバーの西隣の高台は都立夢の島公園になっていて大きな熱帯植物園の温室もあります。
そしてハーバーの北側にはビキニ環礁の水爆実験の死の灰を浴びた第五福竜丸が整備、保存されています。展示館は立派な建物です。戦後の歴史の遺物です。そんな所をゆっくり見て回るのも良いかも知れません。ヨットの写真をお送りします。(終わり)







なお追加として熱帯植物園の写真と第五福竜丸の展示館の写真を下に示します。



日本人人質殺害予告の衝撃的な事件をどのように理解するか?

2015年01月22日 | 日記・エッセイ・コラム
数日前にイスラム国が非常に衝撃的な事件を起こしました。日本人2人を人質にとり日本政府が約240億円の身代金を72時間以内に支払わなければ2人を殺すと宣言したのです。しかもその宣言の場面を、衝撃的な映像を使って世界中に公開したのです。
多くの日本人は大きな衝撃を受けたと思います。私も頭が混乱してどのように理解してよいのか戸惑ってしまいました。2、3日考えてからこの事件が何を物語っているかを整理してみました。
結論的なことは書けませんが以下のような3つのことを考えました。
(1)難民の人道支援はイスラム国にとって敵対行為と判断された。
(2)安倍総理はこの時期に中東諸国を訪問したのは必然性に欠ける。
(3)日本人はイスラム国の脅威を軽視し過ぎている。

以上の3点に関して私自身の説明を少しつけ加えます。
(1)難民の人道支援はイスラム国にとって敵対行為と判断された。イスラム国の考え方を想像して、以下に書きます。
イスラム国による占領を歓迎しないで、その統治へ反対し、クルド自治地域やトルコやヨルダンへ逃げて行った人々はイスラム国の敵です。その敵を支援する日本はイスラム国に敵対行為をしていると彼等は解釈します。
安倍総理は人道支援はあくまでも中立的な立場であってイスラム国に敵対するものではないと繰り返し言明しています。しかし死闘を続行しているイスラム国にとっては、そんな甘い考え方は通用する筈がありません。安倍総理が人道支援を繰り返すたびに虚しさを感じます。
これでは話し合いが出来ません。
(2)安倍総理はこの時期に中東諸国を訪問したのは必然性に欠ける。
安倍総理は就任以来、外国訪問を繰り返し外交上の成果をあげてきました。その外交成果は歴代の総理大臣に比較しても立派なものでした。私はそのような活躍を称賛し、この欄の記事にも書いてきました。
しかし複雑怪奇な内戦の起きている中東諸国を訪問する危険性を充分研究したのでしょうか。いささか軽率と言えば言い過ぎになりますがどうもそんな感じが少しします。
それよりも中国と韓国との正常な外交関係を作るほうが急務の仕事だったと思います。中東で人道支援と称してお金を出すという行為は敵対行為だと理解する勢力が必ず存在します。中立だとか人道支援は日本人が好きな言葉ですが、それが通用しない国々があるのです。
(3)日本人はイスラム国の脅威を軽視し過ぎている。
イスラム国の構想と現在の統治の実態については放送大学の高橋和夫教授が詳しい解説をネット上に幾つか発表しています。それによると、イスラム国は広い「領土」で住民サービスも提供しているのです
 イスラム国の特殊性は、余りに国らしい点にあります。つまり「テロ組織」の域を超えているわけです。それは、既にイラクとシリアの2つの国にまたがってイギリス本土と同じくらい広い「領土」と数百万の人口を支配しています。
しかも、徴税や電気や水道の供給など国家としてのサービスも住民に提供しています。一定の領土と人口を一定期間以上にわたって有効に統治しているわけです。アルカーイダのような、これまでの「テロ組織」とは全く違うのです。
この高橋和夫教授のような研究をもっと行いイスラム国の脅威を深く理解すべきだと思います。その上で人質解放の交渉をしなければうまく行かないではないかと危惧されます。実に困った事態です。以上、現時点における私の感想を書いてみました。多くの人の心の混乱と衝撃を和らげるために先日撮って来た蝋梅の花の写真をお送り致します。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)