goo blog サービス終了のお知らせ 

後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

自動翻訳の功罪の徹底検証(3)文化の深部は翻訳できない

2008年08月21日 | うんちく・小ネタ

このブログのメイン・テーマは「外国体験のいろいろ」のシリーズ記事です。(1)から(61)まで掲載済です。外国に住んでみたり、外国人と一緒に仕事をしてみて理解したことは「文化は翻訳不可能だ!」という事実でした。そこで外国で体験したことをいろいろ書いて、外国の文化の深部を感じとって頂きたいと思った訳です。

例えば、アメリカのアーミッシュという原始キリスト教の人々の文化を言葉で伝えるとします。「電気ガス水道、電化製品、自動車など近代文明を一切拒否して生活している村の人々です」と説明します。ご理解できますか?

でもその村の夜はどのような感じで、昼間人々に会ったときはどのような態度をとるのか、生活費はどうしているか? など体験の切れ切れを説明して、やっと少しその文化の性質が伝わるのではないでしょうか?

明治維新以来、日本人は欧米の文化に憧れて、それを輸入しようとして来ました。しかし現地に住んで、体験しないと理解できない文化領域があります。それを見落としすぎてはいないでしょうか? この問題は明治維新以後、続いて来ました。今後も起きるでしょう。

それに対して、ささやかながら警鐘を鳴らしたい。そんな気持ちを低音基調にしてこのブログを書いています。

それなのに、軽率にも「自動翻訳」に飛びつくとは、穴があったら入りたくなります。

こういうのを自己矛盾というのです。それで一番初めに謝罪の文章を掲載したのです。

さて我々日本人が外国語を勉強するとき何を考えながら勉強したのでしょうか?

英語やフランス語、そしてロシア語を習うときはイギリス文化、フランス文化、そしてロシアの文学を少しでも理解して、それを自分の教養として身に着けようという目的を持っていました。イギリス、フランス、ロシアの文化に憧れ、ロマンを感じて辞書を根気よく引いたものでした。過去形で書いたのは昔の日本の学校教育ではそうだったということを強調したいからです。従って大学への受験英語もその延長にあり、実用的な会話能力は範囲外でした。

日本の昔の学校での外国語教育は実用目的を度外視して教養としての外国語を教えていたのです。

そしてこれが日本の固有の文化の特徴の一つですが、「言葉は単なる道具ではない。全ての言葉には精霊や文化がまとわりついている」という暗黙の了解があります。

そのような性質を持っている日本語を欧米語へ自動翻訳してしまえば誤訳が起きるだけでなく、日本の文化が誤解されてしまいます。誤った理解を与えてしまうわけです。

ブログの内容は色々でが、商業活動と文化活動(日記・グルメ情報を含んで)の2つに大別されます。後者の場合は、自動翻訳による文化破壊の危険性を考慮に入れて、慎重に使用した方が良いと思います。(続く)


商品広告のためのブログのアクセス数の増加

2008年08月21日 | うんちく・小ネタ

ブログを運営する目的は色々あるようです。小生は一切の広告・宣伝はブログへは入れない主義です。

でも社会の良俗に反しないように慎重な配慮をしながら、真面目にブログを商品の広告に利用している人々も多くいます。このような真面目な経済活動は応援したくなります。

特に宣伝・販売している良質の商品が外国でも売れるような性質の場合は、アメリカで英語を用いてブログを開設するのが良いと思います。すでにそうしておられる方々も多いと思います。

小生は最近Facebook というSocial Network System (SNS)へ英語を使って加入しました。このアメリカのSNSの機能はまだ完全に理解している訳ではありません。でも会員の数が非常に多く、世界中の国々の人々が会員になっています。小生も試みに「友人」を作りました。2、3日間で23名の友人が出来ました。アメリカ、オーストラリア、チリー、バングラデッシュ、ドイツ、日本の人々です。

英語は世界言語で、その上、インターネット技術、特にソフト技術はアメリカを中心にして発達しています。それで、このように世界中の人々がアメリカのSNSへ集まると思います。もちろんFacebookを自分のブログの広報活動に利用することも可能と思います。ただし商業活動を主たる目的にしたSNSではないので効果は小さいと思いますが。

ブログを真面目なベンチャー企業の営業・広告に利用している方々へ少しでもご参考になれば幸いです。(終わり)


自動翻訳の功罪の徹底検証(2)あまりにも不完全な自動翻訳の危険性

2008年08月21日 | うんちく・小ネタ

文法の全く異なる日本語と英語の自動翻訳など出来るはずは無い、と今まで思っていました。そこで2、3の実験をして見ました。

実験結果を先に書きます。文法の似ている日本語と韓国語の間の自動翻訳はかなり上出来でした。同じように文法が似ている英語とドイツ語の間の自動翻訳はほとんど完璧でした。

しかし、文法が異なる日本語と欧米語の間の自動翻訳は不完全過ぎると言わざるを得ません。主語と動詞と目的語の3語だけで構成される短い日本文の英訳は良いのですが、文章が長くなると誤訳、意味不明の訳文になります。日本文は本来長い文章で構成されます。一つの文章が数行にもなることもあります。自動翻訳には本質的に困難な言語なのです。

実験例が少ないので結論は言えませんが、日本語と欧米語の間の自動翻訳の不完全性を示唆していると思います。以下に、少しの実例を示します。お時間のおありの方は、お楽しみ下さい。

================================

(1)松本城に何故か広告やモトクロスレースや請求書が出てくる。

This castle, named as Matsumoto Castle, has been built in 1504 AD
and one of the four castles of Japanese National Treasure. When the modern revolution was occured in 1867 in Japan., this castle was in danger of  destory. However, the citizen of Matsumoto town have bought this castle from the new central government.

上の英文を自動翻訳すると:

この城〈マツモト城として名付けられた〉は、1504年の広告および日本国宝の4つの城のうちの1つに建てられました。 Japan。の1867年に現代の革命がoccuredされる時には、この城はdestoryの危険にありました。 しかし、松元町の市民は新しい中央政府からこの城を買いました。

ーーこの訳文をもう一回英語にしてさらに日本語へ自動翻訳するとーーーー 

この城(それ)は、1つの中のために(松モトクロスレースShiroが建てられた(時に電話されました)1504年および日本の国宝の時の請求書の4つの城 日本。 occuredし、それがそこにそうある1867年に今日である革命は、時々destoryの危険のこの城でした。 しかし、松元町の市民は新しい中央政府からこの城を買いました。

(2)日本語と韓国語の自動翻訳はかなり約にたつ?

「この写真の城は1504年に建てられ、日本の国宝の4つの城のうちの1つです。 1867年に日本の近代革命が起きた時に、この城は解体の危険にさらされました。 しかし、松本町の市民は新しい中央政府からこの城を買いました。」

この文章を韓国語にしてもう一度日本語へ翻訳すると、、、

「この写真の性は1504年にたてて,日本の国宝の4ヶの誠意私たちの1ヶです。  1867年に日本の近代革命が起きた時に,この性は解体の危険に露出しました。  しかし,松本初(松本町)の市民は新しい中央政府で二省を買いました。」

韓国語は日本と同じ表音文字も使うので「城」という字を「セイ」と読み「性」に誤訳した、同じように「せいい」と読み「誠意」と誤訳したと想像できます。それ以外はほぼ正しい翻訳のようです。

(3)英語とドイツ語の間の自動翻訳はかなり完璧です

英語からドイツ語にしてみると、ドイツ文は完全に正しいです。(長くなるのでドイツ文は省略します)

そのドイツ文を、また英語に自動翻訳しますと、

This castle named as Matsumoto Castle, was built in 1504 AD and one of the four castles of Japanese national treasure.  As the modern revolution was occured in Japan in 1867., this castle was in danger of destory.  But the citizen of the Matsumoto-Stadt bought this castle from the new central government.

Stadt (町、市)というドイツ語だけが残りましたが、それ以外は原文通りに戻ります。

こんな簡単な実験から幾つかのことが分かりました:

(1)欧米語同士では自動翻訳はかなり完璧で便利です。従って欧米人は自動翻訳を頻繁につかうと推測されます。

(2)日本語と欧米語との自動翻訳は不完全すぎるようです。従って余り信頼しない方が良いです。

(3)日本語と韓国語の間の自動翻訳は表音文字関係の誤訳さえ注意すればかなり信頼しても良いようです。

今回は自動翻訳の不完全性を検討しましたが、次回は自動翻訳の文化破壊の危険性を検討致します。(続く)


自動翻訳の功罪の徹底検証(1)私の軽率さを謝罪する記事

2008年08月21日 | 日記・エッセイ・コラム

8月14日掲載記事で、このブログを自動翻訳してくれたフランスのProfessor  Marcelle GAUNE-ESCARD  氏をご紹介しました。彼には深く感謝しています。その後、アメリカのAudreyさんからこのブログへ賛辞が来ました。そこですっかり良い気持ちになって皆様へもブログに自動翻訳のページを併設するようにお勧めしました。

その後、自動翻訳を実験的に使ってみました。その結果、この新しいシステムは限定された範囲では便利ですが、本質的に日本文化を破壊する要素を持っている危険性に気がつきました。このように危険なシステムを皆様へお勧めした私の軽率さを心からお詫び申し上げます。

特にこのブログのお師匠さんの、鬼家(オニイエ)雅雄さんには、お会いして少しご意見を聞きました。師匠は始めから懐疑的なご意見でした。また「ちひろ」さんへは彼女のブログのコメント欄で自動英訳をお勧めしました。ご両人へ小生の軽率さをお詫び申し上げます。

読者の皆様へも自分の軽率さをまずお詫びします。

その上で自動翻訳の文化破壊の危険性について数回の記事で徹底的に検証いたしますので、どうぞご一読をお願い申し上げます。(続く)