後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

日米空軍基地の情報公開と評価

2008年08月02日 | うんちく・小ネタ

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第二次世界大戦中は、全ての軍事情報は厳しく秘密が守られていました。我々老人は、そんな時代を経験しています。ところが日米の空軍基地のホームページ(HP)には常駐機や部隊編成の情報が詳細に公開されています。筆者にとっては大きな驚きです。

この5枚のの写真はほの一例です。始めの2枚は航空自衛隊、「百里基地」のPHから転載しました(http://www.mod.go.jp/asdf/hyakuri/)。

またこの前の記事の末尾にはアメリカ空軍の9ケ所の基地の名前を出してあります。それぞれの名前をクリックすると9ケ所の基地の詳細なHPが出てきます。上の写真の右の3枚がそれらのHPから引用したものです。

考えて見ると、当然と言えば当然なことです。国民の税金で購入した装備ですから公開するのが当たり前です。せっかく公開してくれているのですから国民は税金が無駄なく使用されているか批判したり、評価すべきと思います。

戦争は皆が嫌です。小生も強く反対します。しかし、それだからと言って自衛隊の武装や装備を避けて、見ないで、忘れてしまおうとしたら、どうなるでしょう?

批判や評価がなければ莫大な無駄使いが必ずおきます。我々日本人は感情的にならないで自衛隊の予算、装備の質、隊員の士気などに冷静な評価を続ける方が良いと思います。今回、横田基地の写真を撮って、HPを色々見て考えたことですが。

皆様からコメントを頂ければ幸いです。

(終わり)

F-15の性能は;(百里基地のHPより)          

乗員 1名     03041
全幅 13.1m
全長 19.4m
全高  5.6m
エンジン F100-PW(IHI)-220E
全備重量 約25t
最大速度 約マッハ2.5(約2,900km/h)
実用上昇限度 約19,000m
航続距離 約4,600km


横田米空軍基地の民間併用は可能か?

2008年08月02日 | うんちく・小ネタ

最近、東京都知事が横田基地の民間併用運動を熱心に進めている。

Yahoo検索で「横田基地」をキーワードにして検索すると東京都の考え方を簡明に説明しているホームページが出ている。http://www.chijihon.metro.tokyo.jp/kiti/kuiki/kuiki.htm )

最大の問題は、アメリカ軍管理で、民間機進入禁止の「横田空域」を日本へ返して貰うことにある。そうすれば民間機も横田飛行場へ離着陸できる。

横田空域は横田基地から西側、新潟県、長野県東半分、静岡県東半分など1都8県に及ぶ広大な空の範囲である。高さは地上7000mまでで、民間機は許可なくして進入禁止である。もちろん羽田上空や成田上空は横田空域の外である。

従って、小松空港行き、松本空港行き、あるいは能登空港行きの民間機は羽田を離陸後、急上昇をして高度7000m以上になってから目的地へ向かうことになる。

横田基地は200万坪の地上だけではない。本州の中央部の高度7000mまでもアメリカ空軍のものである。それで、筆者は初めて分かった。「なぜ九州、四国行きの旅客機がまず東京湾上空へ出て、大島を回って飛んで行くかが」。

西日本、九州、沖縄からの帰りの便も大体、大島上空を飛ぶ。

日本人の感情から言えば横田空域はとんでもない主権、領土権の侵害である。即刻返してもらいたい。と、誰でも思う。東京都知事の提案がもし感情的発想から始まったとしたら、その気持ちは十分理解できる。

ところが提案の説明までも感情的なニアンスで書かれている。

世界中に、アメリカの空軍基地がある。その国々では、アメリカ軍が空域を管理しているのだろうか?国際的比較論が皆無である。

またたとえ戦争が起きても、アメリカ軍が空域を管理する必要性はないとも考えられる。そんな考えを軍事技術上から、説得力ある説明を提示すべきである。

われわれ国民を感情的にあおりたてるような東京都の提案にはいささか疑問を感じざるを得ない。

ところで一方、アメリカ空軍の作っている横田基地に関するホームーページ;http://www.yokota.af.mil/main/welcome.asp  をご覧頂きたい。

その崇高なミッションは世界的な視野である。アメリカ大統領の決定があれば何処にいる敵でも即刻攻撃できる態勢にあると高らかに言っている。

東京都の提案なぞ歯牙にもかけていない。冒頭のみ転写すると、

The mission of the United States Air Force is to deliver sovereign options for the defense of the United States of America and its global interests -- to fly and fight in Air, Space, and Cyberspace.

To achieve that mission, the Air Force has a vision of Global Vigilance, Reach and Power. That vision orbits around three core competencies: Developing Airmen, Technology-to-Warfighting and Integrating Operations. These core competencies make our six distinctive capabilities possible:
Global Attack:  Because of technological advances, the Air Force can attack anywhere, anytime -- and do so quickly and with greater precision than ever before.

Rapid Global Mobility:  Being able to respond quickly and decisively anywhere we're needed is key to maintaining rapid global mobility.

ちなみにこのホームページは内容が充実していて感心する。読んで行くと地元の福生市の市民との友好関係を仔細に報じている。

また横田基地と作戦上で連動して、西太平洋全域を守っている9ケ所のアメリカ空軍基地も書いてある;グアム島、アラスカ2ケ所、ハワイのヒッカム空軍基地、韓国の2ケ所の基地、そして日本の三沢、横田、嘉手納基地が西太平洋航空部隊として作戦連動している。

それではその全ての空域の管理はどうなっているのであろうか?

その比較検討をしてみると横田空域の管理を航空自衛隊へ返しも良いのではないか? このような客観的説明が東京都のホームページには無い。

その上で民間利用するための鉄道、ターミナルビルなどの建設投資がいくら必要か?東京都にはその財源があるのか?このような具体的な説明が皆無である。

横田基地を返して貰いたいとは皆が願っている。しかし東京都の説明はあまりにも説得力に欠けると言わざるを得ない。(終わり)

Andersen Air Force Base, Guam      
Elmendorf Air Force Base, Alaska
      
Eielson Air Force Base, Alaska
    
Hickam Air Force Base, Hawaii

Kunsan Air Base, Republic of Korea    
Osan Air Base, Republic of Korea
    
Kadena Air Base, Japan
   
Misawa Air Base, Japan
    
Yokota Air Base, Japan



横田アメリカ空軍基地の風景

2008年08月02日 | 写真

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横田アメリカ空軍飛行場は東京都福生市その他の市町村にまたがり、700万平方メートル(約200万坪)の広さであります。基地内常駐アメリカ人は軍人が4000人とその家族6000人です(以前は非常に多くのアメリカ人が常駐していました)。

内部に住宅、学校、スーパーマッケット、映画館、教会など全てがそろっています。日本人立ち入り禁止の、完全に独立したアメリカのです。駐留する空軍は輸送部隊で巨大な軍用輸送機が離着陸しています。

こういうアメリカ軍(陸軍、海軍、空軍、海兵隊、4軍)の基地は日本全国に現存し、珍しい風景では有りませんが、写真をご紹介します。

はじめの3枚は巨大な軍用輸送機です。殺伐とした雰囲気の色で塗り上げてあり、戦場から帰ってきたような感じです。見たくない風景です。ブログでは花々の写真や美しい自然の風景の写真ばかりですが、日本の置かれている現実を再認識するために敢えて、はじめに嫌な写真を3枚掲載いたしました。

後の8枚の写真は特にご説明をするまでも無い良くある基地の風景です。(終わり)

撮影場所:東京都福生市、横田アメリカ空軍基地の周辺、撮影日時:8月1日午後2時頃。なお軍用輸送機の写真3枚の出典は;http://www.geocities.jp/rhpqq324/ です。