山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

花咲く北信の山、岩菅山を訪れる(前編)  平成30年7月16日

2018年07月18日 | 圏外編
 チョウジコメツツジ確認のため黒戸尾根の5合目まで登るか、それとも県外の山に行くか、かなり迷い、当日の朝まで決められずにいた。いずれにしても早起きして出かけなければ登れないので目覚まし時計を4時にかけてさっさと寝た。予定通り目が覚めて起き上がると、前日の富士北麓の森が堪えたようでふくらはぎが痛い。標高差1,500mの黒戸尾根5合目までを往復するには厳しそうである。一方、北信の山ならば場所を選べばさほど登らなくても良い場所もある。候補のひとつが湯の丸高原の池の平湿原である。たぶん、シテンクモキリが見られると思うし、ホームページを見ても見ごろと書かれていた。そしてもうひとつが日本二百名山の岩菅山である。岩菅山から裏岩菅山、さらにその先までの稜線のお花畑が素晴らしいと聞いておりいつか訪れてみたいと思っていた山である。完全フリーとなった3連休なので、ここを逃すと次はいつ行けるか全く分からなくなってしまう。距離は池の平湿原のほうが近いが高速を使うと移動時間は岩菅山も変わらない。ここはあまり行く機会が無いであろう岩菅山に行ってみることにして中央道を北に走る。

 8時に岩菅山の登山口一ノ瀬に到着した。混雑しているかと思ったが止まっている車は4~5台ほどで楽勝で駐車出来た。地図を確認し、GPSも持って出発である。足を心配していたが歩き出してみるとほとんど痛みが気にならない。不審者の如くまわりをキョロキョロして花を見ながら進む。


    一ノ瀬の駐車場。


    いざ、出陣。山頂までは普通に行けそうだがその先の稜線をどこまで行けるか?たぶん自分の足だと裏岩菅山が限界だろう。


    ちょっと登るといきなり出てきたツバメオモトの大きな葉っぱ。さすがは北信の山!


    用水路の脇を進む。


    見たことの無い花が咲いている。花はカラマツソウだが葉が??調べてみたらモミジカラマツという花だった。それと左にある蕾の花は山梨県ではほとんど見られなくなったオオガンクビソウだろう。


    川沿いに咲いていたオニシモツケ。用水路沿いにもたくさん咲いていた。


    向こうの橋を渡っていよいよ尾根に取り付き、本格的な登りになる。

 用水路沿いの道はほとんど水平だが、橋を渡ってからは急な登りになる。しかし登山道は良く整備されており、ところどころぬかるんだ場所が歩きにくい他は快適な登山道である。樹林帯の中ではあるがそれなりに花が咲いていた。


    ヨツバムグラと思って写真を撮っておいたが、後に図鑑で調べるとオオバノヨツバムグラと判明。葉が大きくて3本の筋がはっきりしている。


    樹林帯の中に咲いていたのでキソチドリと思っていたが・・・


    アップで撮った写真を良く見ると距が真直ぐに長く伸びており萼片が反り返らない。どうやらホソバキソチドリのようだ。


    コイチヨウランはほとんど蕾だったが少しだけ咲き始めているものもあった。


    稜線分岐に抜け出る手前でようやく山頂が見えてきた。結構遠くて尖っている。


    ノッキリという稜線の分岐に到着。ベンチに座って大休憩。

 かなりスローペース(というよりも三脚を担いで写真を撮りまくってきた)で来たためにノッキリまで3時間かかった。ここから山頂までは1時間ほどだろうがもともと山頂に立つことが目的では無いのでそんなに早く歩くわけがない。笹薮の中に広がるお花畑を念入りに覗き込みながら、2時間をかけて山頂に登り着いた。


    見上げる岩菅山。予想はしていたが大部分が笹で覆われている。その中に素晴らしいお花畑が広がっていた。


    まだ新鮮なゴゼンタチバナが残っていた。


    クマノミズキ?時々見かけるが名前わからず。


    ホソバノキソチドリはあちらこちらにたくさん咲いていた。


    オオバキスミレの葉か?ネットの記事を見ると変種のナエバキスミレらしい。


    初めて見る花。タテヤマウツボグサ。


    残念ながら少し時期が遅かった。一緒に花の終えたハクサンチドリが混ざっている。


    ハクサンシャジンだと思う。


    タカネアオヤギソウ(ユリ科シュロソウ属)


    カンチコウゾリナはあちらこちらにたくさん咲いていた。


    草むらの中を覗き込んでみるとタカネサギソウが咲いていた。この山の株はきわめて小型。


    小さなリンドウが咲いていた。タテヤマリンドウ。まだ咲き始めたばかりでほとんどが蕾だった。


    シロバナノニガナ。もちろん黄色もある。


    初めて見るアザミ。花が下を向いていて茎が太く、葉は丈夫で痛々しい。オニアザミ。


    シラネニンジンがたくさん。


    エゾシオガマ。見るのは久しぶりのような気がする。


    山頂間近。


    層状になった露岩。ここの地質は堆積岩。同じ岩を隣の根子岳でも見た。


    やっと山頂。

 8時過ぎに一ノ瀬登山口から出発したのに山頂到着は午後1時15分になってしまった。毎度のことだからかまわないのだが、あまりゆっくりしていると自宅に到着する時間が深夜になってしまう。なにせ甲府まで220㎞くらい距離がある。日没の7時までには下山したいところなので、この岩菅山山頂を4時に下山し始めれば十分なはずだ。裏岩菅山までなら行けそうなので小休憩して出発する。(後編に続く)




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