ヴァンサン滞在中に、別の二組の家族に会ったからと言って、彼をほったらかしにしていたわけではない。
彼はJRパスを持っていたので、近郊だけではもったいないとのことで、金沢への日帰り小旅行を提案し切符や旅程を手伝った。本来なら一泊したいと考えるが、若い彼は宿泊費をあまりかけたくないのだった。前回来た時も広島・宮島への旅は奈良からの日帰りだった。
正直言うと、旅程はすべてこちらにお任せなので、手がかかると言えばかかる。でも彼は私に信頼を置いてくれ、帰ってくると必ず感謝してくれいろいろエピソードを聞かせてくれるのが、彼のいいところである。
金沢では、兼六園や武家屋敷、保存地区なども堪能したそうだが、一番心に残ったのは「人がいい。」と言ったことだ。つまり地元の年輩の方と接し、フランス語はもとより、英語も話せる人は少ないけれど人の温かさや親切な気持ちというのは、そういうことを超えるということだ。フランスの若者に、改めて日本の地方の温かさを教えてもらうことになった。
一週間以上滞在してくれた彼を、彼のネット友達の日本人が京都から奈良に訪ねてこられる事になり、その人と一緒に奈良を案内もした。前回主だったところは案内済みなので、今回は旧奈良町を中心に歩いた。
そして帰国前日には、浄瑠璃寺・岩船寺にハイキングにも行った。お昼を取った浄瑠璃時近くの蕎麦屋はなかなかおいしいお蕎麦屋さんで、ニシンの甘露煮も彼は「トレ・ボン」と平らげた。天ぷらそばは、外国人には人気だが、ニシンそばが好きだというフランス人も少なくないので一緒にそばを食べるときは、紹介することにしているが、皆気に入ってくれる。
彼の帰国後、一か月もしないうちに東日本の大震災が起こるとは、この時は想像もできなかった。
そして、三月・四月に来日予定の人からのキャンセルが相次ぐことになる。
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