フランス人観察記録

日本人から見て解ってきたフランス人の考え方、行動についての覚書

実はこのカップル、ナチュリストだった。

2012年03月14日 | プロヴァンス

男の子達とピンポンをした翌日、午前中は近くのBeziersと言う街にある教会へ散歩に出かけた。見晴らしの良い丘の上にあり、歴史のある教会らしかった。

午後にはムッシュの運転で、遠くのサンギエーム・ル・デセールと言う、中世の美しい村へ出かけた。どうやらスペインの聖地へ巡礼に行く道に当たるところでそのしるしの貝殻の印も目にした。 

奥深い山に、小さい坂の山道に沿って村がある。このあたりの人は何を生業として暮らしていたのだろう。よくわからない。

すごく立派な教会もちゃんとあり、昔は相当栄えたようだ。 

私はフランスのこうした小さな美しい村が大好きである。美術館を見たり美味しいものを食べたりするよりもこういうところを歩くのが私にとっては一番の喜びで、そこにフランスの魅力があると言ってもいいくらいだ。 

家に帰ると、この家の飾り物がほとんど日本に来た時に買って帰ったものばかりだと言うことに改めて感心した。

日の丸が二階の手すりにかけてあるが、これは私への歓迎に意味だろう。 浮世絵や明治時代の風俗の写真、銀閣寺で入山料と引き換えで頂くお札さえ額に収まっている。

日本地図が貼ってあり、ムッシュとマダムが訪れたところにピンが差してある。四国や九州それに北海道や東北以外のところに約20本差してあった。 

ベッドカバーに「お食事処」と染めてある布を使っていた。マダムが裁縫をしたのだ。 

そこまでならいいのだが、ムッシュの二の腕には「愛」、マダムのお尻の真ん中に「尊敬」とタトゥーが彫られている。どうもこれは頂けない。

 日本人の刺青に対する感覚と、彼等のそれは根本的に違うみたいだが、やはり頂けない。彫る前に相談があれば止めるにきまっているが、してしまっている以上仕方がない。 

さらにこの二人、実はナチュリストなのである。つまり海岸などで生まれたままの姿で遊ぶ人たちなのである。最初知った時は驚き、どのように付き合って行けばいいのか、困惑した。

こういうデリケートな問題を尋ね率直な意見を言ってくれるのは、パリのある人を置いていない。その彼女に聞くと「そういった人は多くない。だからよくわからないけど、少し変わっているかも」ということだった。

その海岸は誰でも自由に入れるわけではなく、ナチュリストだけが、そこに入れるそうだ。勿論普段はそんなことはなく、普通に暮らしている。生活態度に別段おかしなところはない。 

その晩は昨夜と同じ屋外で、オイルフォンデュを御馳走になった。

 

 

 

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