フランス人観察記録

日本人から見て解ってきたフランス人の考え方、行動についての覚書

大切に着ている35年前のラコステのことなど

2013年07月07日 | プロヴァンス

彼は広島から帰った翌日には疲れもないのか、名古屋の熱田神宮へと向かった。 

そして、その翌日、今度はネットで知り合ったという日本人の友人に会いに京都へ出かけて行った。夕食も彼と共にするので要らないということであった。

帰ってきたのは夜10時半を回ったころで、京都の料亭で夕食をご馳走になったと少しほろ酔い気分であった。

そんな気分も手伝ってか、多弁なフランス人にしては比較的口数の少ないジュリアンが、珍しく話し始めた。 

今日は龍安寺や友人の家にも寄り、大変おいしいご馳走を頂き、素晴らしい一日だったという。

しかしと、彼はつづけた、「その友人は素晴らしいおもてなしをしてくれた、そのことにとても感謝をしているけれど、自分はサラリーも多くなく、彼がフランスに来てもとても同じようなおもてなしはできない。」と思うと。

そして「僕は車を持っていない。車を持つと、日本にはこれない。日本に来るか車を持つかの選択で、僕は日本へまた来たいから、いまはまだ車は持てない。」とも言った。

そして、「フランスには、星(ミシュランのことだ)がなくても美味しいレストランはたくさんある。そして何より肩もこらない。僕はそういうところへ連れて行きたいけどどうだろうか?」と聞いてきた。 

率直な心の内を話してくれる、これは信頼していないとできないことだ。そのことにいたく感動した私は「あなたのその気持ちが大事。きっとその思いは通じると思う。私も肩のこる思いをして高い料理を頂くよりは、星がなくてもおいしいと言われるところ、地元の人が良く行くところがいいといつも思っている。」と答えた。 

ついつい忘れがちになるフランス人のそういう感覚を見習いたいと思っているので、この時の彼の言葉はずっと心に残るものになった。 

彼の着ていたラコステのポロシャツも何と35年前おじいさんが着ていたものなんだという。確かに少し使用感はあるけれど、まだまだしっかりしていて、物を大事にすることの大切さをまた教えてもらうことになった。 

彼はいつも電車の中でルイ・ヴィトンなどのブランドバッグを持っている若い人を見て、「日本人の若い人はお金持ちなんだな。」と思っていたそうだ。

たぶんサラリーは彼と変わらない人もいると思うが、「買えても自分に合わないものは買わない。」というその分をわきまえた生活態度に、いつも感服させられる。 

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