フランス人観察記録

日本人から見て解ってきたフランス人の考え方、行動についての覚書

子供交換の本当の意味

2011年05月17日 | パリ郊外

京都の近くに住んでいても知らないことはたくさんある。都踊りも聞いてはいたが、初めて行ったのは、数年前のことであった。
いつでも行けるというのは、思いきらないとなかなか行けないということでもある。

歌舞伎や能など伝統芸能に興味はあり、もちろん美しい祇園の舞妓さん、芸妓さんも出会えばカメラを向けたくなるが、何故か機会がなかった。
行くなら歌舞練場の桜の時期がよいと聞いていたこともあり、都踊りを見ようと思い立った。
と言っても予定をしていたわけでもなく、着いてから当日券があればとの軽い気持ちで見に行った。

切符を買いに行こうとしたその時、数人のグループの外国人がちょうど見終わって出てきたところに遭遇した。
表情からして、フランス人ではないかと思いながら、聞き耳を立てているとやはりフランス語のようだ。

「ボンジュール」と話しかける。
「なぜフランス語を話せるの?どこで習ったの?」から始まり、フランスが好きだ、パリや南仏に行ったことがあると話をした。
5分くらいの立ち話であった。
そしてメールアドレスの交換をして別れた。

彼らが帰国し、メールが届いた。
四人のうちの一組は夫婦、そしてその奥さんの友人とご主人の妹のグループであったことが分かった。
そして何と、彼らの隣には日本人家族が住んでいることもあり、息子さんが日本語を習っていると言う。

そのメールに「もしよかったら子供交換をしませんか?あなたの子供とうちの子供と」
目を疑った。もし私のフランス語の解釈が間違っていたらいけないと思い、友人に尋ねたが、どうやら一定の期間、子供をそれぞれホームステイさせよう言うことであった。


彼らの息子は、日本語も習って日本に興味を持っている。たぶん日本の子供より精神的にも大人であろう。
しかし私の息子はフランス語どころか英語も満足に話せない。もちろんフランスに興味もない。

断るしかない。彼らの気持ちを考えながら、どのように断わればいいのかも含めて、フランス人の友人の助けを借りて、「今はとても無理だが、息子さんだけこちらに来るのは大歓迎だ。」と返事をした。

同年代の子供がいれば、その子供がいるときに滞在したいと思うのが普通だと思うのだが、この「子供交換」の申し出はフランス人にとって(欧米人にとって?)特別なものでないと言うことが、その
数か月後に解るのであった。

そしてその数年後、彼らの息子が我が家にやってきた。








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