京都・環境ウォッチ

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「古事記の起源」との対話-Ⅰ

2012年06月27日 | 古事記の起源
先日の新聞で、中公新書「古事記誕生」(工藤隆さん)の書評があり、面白そうだったので本屋に行った。横に「古事記の起源」があった。<はじめに>を読むと、こっちも面白そう。二冊とも買って、「起源」から読み始めた。最近、まわりも少し落ち着いてきて、こうした本を読む余裕が出始めたからか、読み始めると、やぁ、これは面白い。当時の世界がいやにリアルに目に浮かぶ。
この春、たまたま週刊ポストで「出雲大社と古事記」の記事を読んで、頭に沢山のことが思い浮かんだ。書きたいなと思いそのままにしていたが、「古事記の起源」、これもイメージがクロスして面白そう。ちょって整理しながら、思い浮かんだことを書いてみたい。

<はじめに>はわかり易い。
「旧来の研究が飽和状態」に達しつつある
古事記は、「無文字民族」だった日本列島民族が文字で残した書物の中で、「明確な執筆方針」のもとに編纂された大部の著作
「無文字文化から文字文化へ移行」するときに生じる問題
自前の文字でなく「外国の文字」で、しかも「外国語(中国語)の文体を借りて記述」
『古事記』は氷山、海中には、海上に出ている部分の何倍もの分量の「無文字時代のことば表現のあり方が隠れている」
(ポストを読んだ時のひらめきーあの古事記の不思議な子どもと世界の作り方には、いろんな尊敬や配慮が象徴的な暗喩で表現されているのではないか、ということ。)
(無文字民族が、外国語で”歴史”を書く。「古事記」は、日本人より中国人(政府)によりわかり易かったのかぁ。日本政府の官僚たちは、当然これを学び、語れるようにしなければならなかった)

「海中の部分への接近」
中国大陸はもちろん、アジアの北・東・西・みなみの広範な地域からの文化の流入
無文字文化のことば表現の世界を、古事記の形成過程と結び付けて具体的に把握
神話が無文字時代のムラ段階の社会で実用的に存在してきた「古層」と古代国家成立期の「新層」、その「中間層」
(この「中間層」が歴史となる)
古事記は”死んだ神話”の集積体
(しかし、そこにも矛盾のエキスがそのまま残されている)
無文字時代の生きた神話と歌垣
古事記の古層からの距離、その測定

<序論>
客のために歌った「生きている神話」
(そうして、交流を深めていった、自己紹介の歌ー神話)
「語られるもの」でなく、「韻律をもって歌われるもの」
(そうだろうな。上から目線の”教育”でも”説明”でもなく、交歓し共鳴を得るものだから)

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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ん~、実に興味深いッ! (藤原あきら)
2012-06-28 19:47:18
初めまして、京都「藤原あきら」っと申します…

実に興味深く拝読いたしましたッ!
ワタシも若い頃に一度、「古事記」を読みながら、神たちの系図を家系図風にノートに書き込んでいったのですが、あまりにも神の数が多すぎるのと、複雑すぎて、半月ほどで、作用を断念した記憶がございます。
でも、あれから30年ほど経ち、改めて読み直してみたい、っと思うようになったのですが、果たして読破できるか否かは、ワタシの体力次第っというトコロでしょうかッ!?

であ、また…
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Unknown (榊原義道)
2012-06-29 22:47:45
コメント、ありがとうございます。この本、面白いので、ぜひ読んでみてください。
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