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京都・環境ウォッチ

いま京都で起こっている環境問題、自然環境の変化などにかかわって、皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。

京都岡崎の景観を壊さないで!京都会館の全面改修は止めて!アピール

2011年10月08日 | 環境
京都の岡崎で、こんな問題が起こっています。
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日本近代建築の巨匠前川國男の代表作
京都会館の保存をねがうアピール

 京都市が前川國男の代表作、京都会館を原形をとどめないまでに全面改築しようとしています。  
前川國男は20世紀を代表する建築家ル・コルビュジェにモダニズム建築を学び、日本の気候風土のなかで独自の作風を確立しました。その契機となるのがこの京都会館です。日本の昭和戦後のモダニズム建築の歴史のなかでももっとも重要な作品といっても過言ではありません。1960年度に日本建築学会賞受賞、2003年には国際組織、DOCOMOMO JAPANの日本のモダニズム建築100にも選ばれています。
京都会館の建つ岡崎地区は、東山の裾野から鴨川へと続く静かで伸びやかな一帯です。そこには南禅寺や真如堂、金戒光明寺(黒谷)など、古都を代表する神社仏閣が数多く存在している一方、京都の三大近代化事業の一つ疏水が流れ、疏水を引き込んだ無燐庵はじめ近代庭園の数々があり、平安建都千百年記念事業では、平安神宮が建設され内国勧業博覧会の会場とされるなど京都の近代化の出発点ともなる地区です。
戦前には京都府立図書館や京都市美術館、戦後には京都会館や京都国立近代美術館も開設され、京都の文化センターとして親しまれています。京都会館は戦後復興の象徴として企画され、市民などから資金の拠出もうけて、指名コンペにより、前川國男の設計案が選ばれ1960年に完成しました。
 京都会館の建築のデザイン上の特徴は次の通りです。
第一は水平性を強調した和風のモダニズム建築
上に突出せず水平性の際だつ建築になっています。建物は柱と梁の架構を骨太に表し、大庇やテラスと手摺等により水平性を強調し、日本建築の伝統と風土に応え、庇から上部に出るホールの壁は大型タイルで覆い大寺院の屋根を思わせ、会議室棟をくぐり中庭に歩み入ると仏教伽藍にも似た大らかな感興を覚えます。また大庇のそりなども近代建築に和風のデザインを取り入れています。前川國男は西欧起源のモダニズム建築を、京都の地を得て、この国に見事になじませたのです。
第二は東山の景観と調和した軽やかな外観
東山の裾野の景観と調和する軽やかな山型の屋根をもっています。第一ホールの屋根は、舞台のある疎水側にも客席のある中庭側も傾斜し、高さやボリュームを感じさせないような軽やかな山型の屋根となっており、見上げる場所によりその様相が変わっていきます。大型タイルの色合いや質感も京都岡崎の地との調和を図った質の高いものです。
第三は開放感あふれる空間の構成
建物全体が開放感のある構成となっています。二条通から後退させて並木を植えた広いプロムナードはピロティ(吹き抜けの柱の列)を抜け、落ちついた中庭に通じ、さらにそこから第一ホールのホワイエ(ロビー)へと繋がります。南側の通りからも北側の通りが見通せます。この開放性は人々をやさしく京都会館へと迎え入れ、都市空間における自然な語らいと憩いの場を提供しています。
 この度の京都市の京都会館再整備計画はこれらデザイン上の特徴を根本から破壊するものです。改築案では第一ホール舞台上のフライタワーが水平の庇の上に四角の箱型が異様に突出する計画になっています。高さも30メートルとなり設計者がもっとも腐心した東山裾野の岡崎公園全域との調和が損なわれ、また、第一ホールは二階に入口のある計画案となっており、二条通から見通しのなかにあった第一ホールのホワイエも閉ざされ開放性が損なわれ、観客にとってもよい改築とはいえません。
 日本建築学会からは保存の要望書が提出されるなか、パブリックコメントでも示されていなかった改築案が突然出されてきたことは、多くの建築技術者のみならず、京都会館を利用してきた音楽や舞台関係者、住民からも疑義が出ています。議論が不十分であり不透明なすすめ方となっていることは否めません。京都会館はこれまで青少年の吹奏楽・合唱などの檜舞台として親しまれてきた建物でもあります。音楽や演劇、バレエなど市民の文化活動の場として親しまれてきた、市民文化の殿堂です。利用者・市民・専門家の意見をよく聞けば、このような計画案にはならないはずです。
京都市も当初検討したといわれる外観とりわけ第一ホールの屋根やホワイエの形状を継承することをしっかり前提におき、座席、音響、バリアフリーなど必要な設備の改善を行うのがもっともよい解決法だと考えられます。
 京都市民にとっても、京都の景観や文化財を守りたいと願う全国の人びとにとっても、この度の全面改築案は納得のできないものです。日本近代建築の代表作である京都会館を守り、市民に親しまれてきた文化の殿堂として後世に伝えていくための世論を広くおこしていただくよう心から訴えます。

2011年8月31日






呼びかけ人(第一次)

飯田  昭(弁護士)
五十嵐敬喜(弁護士・法政大学教授)
榎田 基明(まちづくりと交通研究室)
片方 信也(日本福祉大学教授)
兼松紘一郎(建築家・ドコモモ・ジャパン幹事長)
川下 晃正(建築家)
小林 良雄(地域建築空間研究所代表)
塩崎 賢明(神戸大学大学院(建築学専攻)教授)
針原 祥次(弁護士)
鈴木 博之(青山学院大学教授 ドコモモ・ジャパン代表)
竹内 真澄(桃山学院大学教授)
土橋  享(映画監督)
中島  晃(弁護士)
中林  浩(神戸松蔭女子学院大学教授)
野田 淳子(シンガーソングライター)
久永 雅敏(新建築家技術者集団京都支部事務局長)
広原 盛明(京都府立大学元学長)
日置 雅晴(弁護士・早稲田大学法科大学院教授)
本多 昭一(京都府立大学名誉教授・新建築家技術者集団代表幹事)
松隈  洋(京都工芸繊維大学教授)
三沢  浩(建築家・新建築家技術者集団代表幹事)
宮城 泰年(本山修験宗総本山・聖護院門跡門主)
宮本 憲一(立命館大学名誉教授・滋賀大学元学長)
室崎 益輝(関西学院大学教授)
森 まゆみ(作家)
森田 一弥(建築家)
山崎 泰孝(建築家)
山田 洋次(映画監督)


「京都会館」問題で、ローム株式会社に質問状

2011年10月01日 | 環境
9月27日に
ローム株式会社に対して、以下の質問状を
中島晃弁護士などと一緒に届けてきました。 
提出団体は、「京都・まちづくり市民会議」と  
「岡崎公園と疏水を考える会」です。
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「京都会館整備」に関する公開質問状

謹啓
貴社の日頃の文化活動についてのかかわりに敬意を表します。
さて、本年9月13日、京都市は記者会見で「京都会館整備に係るローム株式会社との命名権契約の締結及び京都会館の建築価値継承に係る検討委員会の立ち上げ」を発表しました。
岡崎公園と疏水を考える会は、本年6月15日、貴社澤村諭社長に嘆願書を送り、「『京都会館』の改修にあたっては、外観や様式、高さを変えることなく保存されるよう」にお願いをいたしました。いうまでもなく、京都会館は、京都・岡崎の風土に根ざした「日本を代表するモダニズム建築」です。京都市民が育んできた岡崎の景観と「市民の殿堂」京都会館を次世代にどう継承していくかはきわめて重要な課題です。
貴社の意向が「京都会館再整備」の方向性に大きな影響を与える旨の報道にみるように貴社は「京都会館再整備」と大きく関わっておられます。
こうした点から、私たちは貴社に対して、下記のとおり質問をいたします。ご回答下さいますようよろしくお願い申し上げます。



 貴社は、「ロームグループ行動指針」において、「私たちは、事業を通じての社会貢献とともに、社会を構成する良き企業市民としても、社会の発展充実、健全化に貢献するため、社会貢献活動や文化活動とその支援を積極的に行います」(第2章 私たちと社会との関係)とその立場を明らかにしています。
京都会館は、1960年度に日本建築学会賞を受賞し、2003年にはDOCOMOMO JAPANが日本のモダニズム建築100選に選んだ建築物であり、市民からの資金拠出や声を受けて作られたその建造過程とあわせて京都岡崎に根を下ろした会館となっています。それは、「戦後モダニズムを代表する重要建築物」と評価される、東山の景観と調和したその姿とともに、岡崎になくてはならない文化的建造物となっています。これらに敬意を払い、後世に引き継ぐことは、私たちの世代がなすべき歴史的貢献であり社会的責務だと考えます。
貴社は企業の社会的責任を強く自覚されており、それは当然、最低限の「法令順守」など狭いものではなく、企業市民としてふさわしいより積極的な社会貢献を展望されていると思います。貴社が「文化活動への積極的な支援」を明示するのは、そうした点で大きな意味を持つと評価されます。

その上で第一の質問は、貴社は報道されているように「世界的なオペラやクラシックの公演ができるようホール機能の拡充条件に(京都市と)協議」(京都新聞2月8日)されたかどうか、ということです。命名権の買い取りで50億円も支出する貴社の意向は京都会館再整備の内容に非常に大きく働くものと考えられます。京都市提案の京都会館の建て替え案は歴史的建造物の破壊にほかならないと考えますが、この点について、貴社の責任が大きく問われます。そこで、貴社からホール機能について、どのような拡充条件が京都市との協議で示されたのかを明らかにして下さい。

第二の質問は、京都会館の改修をめぐる貴社の基本的考えについてお尋ねいたします。京都会館改修については日本建築学会から保存の要望書が出されていますが、それに対してどのような対応をされたのかは不明です。一方、昨年秋までの検討の過程でも示されなかった改築案が突然出されるなど、その「改修」のあり方・内容に大きな疑義や批判が広がっています。
日本の戦後のモダニズム建築の中でも重要な作品である京都会館は、東山の景観とも調和し、すでに京都の「歴史的建造物」となりつつあります。この京都会館を、原形とどめないまでに「全面改築」することは、京都の景観と文化財の破壊というべきものです。
貴社は、このような京都会館の「全面改修」についていかがお考えですか?
京都会館のホール機能を拡充するためには、京都会館の高さや外観を大きくかえてしまうことも辞さないお考えですか?お考えをお聞かせ下さい。

第三の質問は、貴社と京都市との間で交わされた契約内容に関してお尋ねいたします。
京都市は「新京都会館について、その時々の時勢に適した、著名な歌劇、音楽、演劇、舞踏等の公演その他の催し物を実施するに相応しい機能水準、並びに評判及び名声を確保し維持するように努める」「努力義務」を50年間に渡って負わされています。その時々の時勢に適合した優れた機能や優れた評判や名声を失ったときにはローム側より契約解除ができるとされています。その点で、その時々の時勢や著名なという判断は重要となりますが、それに対する判断基準は示されていません。そこで、この点に関する判断基準を具体的にお示し下さい。
50年間にわたって、貴社の判断による優れた評判づくりを京都市に担わすことが貴社の音楽活動に対する支援、社会貢献とは思えません。貴社の意向のもとに京都会館を建て替え、管理運営するのでなく、市民の自主的芸術・音楽活動が育つ環境の形成を助けるほうがより社会貢献になるのではないでしょうか。この点についてもお考えをお聞かせ下さい。
また、契約解除に関しては、「基本計画の内容と著しく異なると認められるとき」とありますが、それはどのような場合のことでしょうか、お示し下さい。

貴社は先の「行動指針」で、「私たちは、お客様、お取引先様、株主・投資家の皆様、地域社会の皆様など関係のある方々が必要とされているロームグループの経営全般にわたる情報を適時適切に、また効果的に提供するよう努めます。 また、広く社会から情報を収集し、その意見を真摯に受けとめ、「開かれた企業」としての信頼を得るよう努力します」(2-2.情報開示と広報)と述べられています。
今回の「京都会館整備」は非常に大きな社会的問題となっており、直接的かかわりを持つ貴社が、市民の質問に答え、その考えを伝えることは「開かれた企業」としての責務と考えます。
 ご回答を、できれば文書で10月11日までいただきますよう、お願い致します。

以上

共産党舞鶴地区委員会の「原発・エネルギー問題学習会」

2011年05月25日 | 環境
23日、「日本共産党は、原発・エネルギー問題をどう考えるか」をテーマにした学習会をしてきました。
主催は、共産党舞鶴地区委員会
かなり激しい雨の中、50人の皆さんに参加いただき
報告後、次々と質問(意見)も出されました。
「福井の原発をなくしたいと思っているが、どうしたら無くせるか?」
「原発ゼロへのプロセスの提示を」
「代替エネルギーについて教えてほしい」
環境問題などに取り組むグループの方も参加されていて、学習会が終わった後、意見交換しました。
「共にがんばって、つながる」ことを、学習会を起点に始めていきたいと思っています。


普通に「脱原発宣言」

2011年04月28日 | 環境
あるMLで紹介されていた
孫正義氏の「福島原発問題を語る(自由報道協会主催)」を家族で観た。
http://www.ustream.tv/recorded/14195781
「必見もの」と紹介されていたが、確かにそう。

今日の朝日(論壇時評)に、作家の高橋源一郎さんが
「身の丈超えぬ発言に希望」を書かれている。
「城南信用金庫」の「脱原発宣言」(原発に頼らない安心できる社会へ)が紹介されていて、これも読んだ。理事長のインタビューも聞いた。
普通の「脱原発発言」
これ、いいよ。
もう原発は、「こんなに危ないものはアカン」
「代わりの電気が可能なら、そっちのほうが当然いいジャン」
「30%、電気が足らないなら、その分減らしたらいいやろ。やってみよ」の時代になっている。
そっちの方が、よっぽで前向きだ。



節電の「国民運動」ーむしろ「減電」への挑戦を

2011年04月09日 | 環境
「政府は夏の電力不足対策で、ピーク時の電力需要を、大企業などでマイナス25%、スーパーなど小口需要者でマイナス20%、一般家庭で15~20%ずつ削減することを打ち出した」とのこと
毎日新聞は
「企業も家庭も節電に汗を流す『暑い夏』となりそうだ」と書いている。
原発なしでどれだけエネルギーを削減できるか、
この機に、「原発なしで出来る社会」へ!前向き挑戦したらいいと思う。
だから節電対策というより、「減電対策」への挑戦

原発事故で、温暖化対策ー25%削減目標見直し?違うだろ

2011年04月07日 | 環境
もっと早く突っ込みたかったが・・・
3日の毎日新聞ー「温室効果ガス:原発事故で25%削減目標見直しも 環境省」
記事は、
「環境省の南川秀樹事務次官は3日、福島第1原発の事故を受けて、『20年までに90年比25%削減』とした日本政府の温室効果ガス削減目標について『見直し議論の対象となる』と述べた。」
方向が違います!
私もずっと批判してきたが、原発だのみの”温暖化対策”は、フクシマ以前をみても、事故の度に「石炭火電」に依存、CO2をグッと増やす主柱となってきた。
原発だのみはすでに破綻している。
だから、
いま日本に求められることは、危険で持続不可能な原発に頼らず、
石炭火力への依存とは違う道を勇気と知恵を働かせながら「選択」すること
こうした大転換が世界から”頑張れ”と応援される日本の責務でしょう。

枝野官房長官も4日、記者会見でアドバルーンを揚げている。
「東京電力福島第一原子力発電所の事故が政府の地球温暖化対策に与える影響について『東日本大震災の前と後ではあらゆる課題について震災の影響を踏まえて、ある段階でしっかり検討しなければならない』」
記事は書いている。
「政府は『2020年までに温室効果ガス排出量を1990年比で25%削減する』との目標を掲げているが、温室効果ガスの排出量が少ない原発の事故によって、目標の見直しもあり得るとの考えを示したものだ」
民主党、これではダメだろう。


4月18日に「岡崎公園・京都会館」問題シンポジウム

2011年04月06日 | 環境
京都の「岡崎公園」問題、
下記の取り組みを、まちづくり市民会議が行います。
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岡崎公園・京都会館問題シンポジウム
日時:2011年4月18日(月)18時30分~
会場:京都教育文化センター 2階 202号室
(http://www2.odn.ne.jp/kyobun/)

パネリストは、
村瀬隆也さん(岡崎公園と疏水を考える会事務局長)
本多昭一さん(新建築家技術者集団代表幹事)
コーディネーターは
中林浩さん(神戸松蔭女子大学教授、新建京都支部)が行います。
(参加費:無料)


「岡崎特区」問題を考える

2011年03月25日 | 環境
ねっとわーく京都の4月号に書いたものです。
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「岡崎特区」問題を考えるー“お金持ちも満足する観光都市を目指す”って何?

岡崎公園が変わるってホンマ?

「なんや、グランドなくして外国のお金持ちのホテル建てるウワサやで。ほな災害があったとき、避難する所なくなるやん。そんなん、なんぼ岡崎に人呼ぶようにするゆうたって、地域の人の事、考えてないやん」
 いま、京都市が左京区岡崎地域などで進めようとしている「観光立国」「岡崎地域活性化ビジョン」が地元で大きな問題となっている。冒頭の一文は、地元住民らで取り組んでいる署名(貴重な市民の広域避難場所ならびに神宮道や疎水の、岡崎らしさのある景観を市民の手で守ろう)に添えられた手書きの一文だ。
地元岡崎では、1月以降4回にわたって“岡崎公園問題”を考える懇談会が開かれ、2月14日には住民らによる「岡崎公園と疎水を考える会」が結成された。
「そもそも京都会館の再整備するゆうてただけやん。そやのになんか京都市が、それだけやなしに岡崎の景観そっちのけで神宮道や疎水もいじって、にぎやかにお店出すゆうてはるで。
それやったら地域の人の要望聞かんと話進めるて、梅小路の水族館と一緒やん。あかん、あかん、この情緒ある岡崎の景色いろうてもうたら困るわ。ひとごとや思うてたら、ほんまにえらいことなるし、ウチらもなんかせな」(呼びかけ文の続き)

「岡崎地域活性化ビジョン」が目指すもの

いま「検討」が進められている「岡崎特区」「岡崎地域活性化ビジョン」とは、同地域一帯で進められようとしている、「優れた都市景観・環境の将来へ保全継承」「世界に冠たる文化・交流ゾーン」づくりと、更なる賑わい創出」をうたう開発構想だ。(「岡崎活性化ビジョン(案)―中間まとめ」)
そのベイスには「京都市MICE戦略」という聞き慣れない政策がある。「MICE」とは、①企業のミーティング(海外投資家向け金融セミナー、グループ企業の研修会)-Meetingの(M)、②企業が行う従業員の表彰や研修(企業報奨・研修旅行)-Incentive Travelの(I)、③国際会議-Conventionの(C)、④文化・スポーツイベント、展示会、見本市-Event、Exhibitionの(E)の頭文字を組み合わせた造語だ。政府の「観光立国戦略」(2007年)や「MICE推進アクションプラン」などに源があり、京都市長は「京都市の最重要政策としたい」と意気込んでいる。

「少数のVIP限定のMICE 」

「岡崎地域活性化ビジョン」については、昨年7月から検討委員会が開かれているが、第一回目の議論(経済総務委員会要求資料)を見ると、その狙いがよくわかる。
第一回委員会は、7月13日にみやこめっせで開かれ17人の委員が発言しているが、その中で、同検討委員会副委員長(前京都副市長)高木壽一氏と橋爪伸也大阪府立大学教授、南隆明京都商工会議所観光産業特別委員長(京都駅ビル開発相談役)の発言が注目される。
高木氏は、次のように述べた。
「私も観光振興計画の中で、ぜひ岡崎地域にMICEをと提案したが、私が岡崎地域でイメージしているのは、少数のVIP限定のMICEである。限られた世界のVIPが、岡崎地域であればこその満足を得られるようなMICE誘致を目指すべきだと思っている」
“少数のVIP限定MICE”とはよく言ったものだが、そもそも「京都MICE戦略」にはたびたび富裕層の誘致が語られる。その経済効果は、「MICE参加者は、一般観光客よりも消費単価が高い」からとのことだ。(京都MICE戦略6p)
 南氏は、「海外からの観光客の受入れの可能性がある」岡崎と言い、「経済発展において、どのような産業を岡崎地域で展開するのかといえば、製造業でなく観光産業」と強調、京都商工会議所が昨年7月に行った「京都商工会議所MICE先進都市視察-シンガポール・香港」についても触れ、シンガポール・香港では、「私たちが京都で展開している観光という概念とは全く違う形で、観光を産業として展開している」と述べる。“全く違う概念の『観光』”とは何だろうか? また、橋爪氏は「民間の活力をどのように導入しながら・・・活性化を実現していくか」「これが一番大事」だと強調しているが、強力なリーダーシップを発揮する企業とは、どんな企業が想定されるのか?

岡崎地域は、「MICE」の拠点

 「京都市MICE戦略」で、具体的に地域名が挙がっている所はほとんどないが、「国立京都国際会館」と「岡崎地域」は特別に明記されている。
「岡崎地域は京都会館、みやこめっせ、京都市国際交流会館、京都市美術館、京都国立近代美術館、平安神宮など、MICE開催地としての魅力と可能性を十分に有する地域」(8p)、「今後岡崎地域の再整備を検討するに当たっては、同地域におけるMICE開催促進の観点を含めるとともに、地域全体でのMICE誘致に向けた連携の促進、各施設におけるMICE機能拡充の検討や寺社や文化施設のレセプション会場への開放をおこなうなど、MICEの受入体制の充実をはかる」(10p)。
岡崎地域は特別扱いとなっている。

「公園内へ・・・民間活力によるにぎわい施設(飲食・ショップ・宿泊等)の誘致をはかる」

第三回目の地元有志の懇談会で、参加者から質問が出た。
「ホテルを建てると言われているが、それは京都市の文書のどこに書いてあるか?」
実は、昨年京都市が、内閣官房地域活性化統合事務局に提出した「京都市の提案」に、それは書かれている。この文書は、「新成長戦略」に基づいて計画された「総合特区制度」づくりに向け、国が地方自治体などから募集したもので、市の提案は首相官邸のホームペイジで公表されている。(「総合特区制度」に係る提案募集の結果について(お知らせ)参照-以下は関係箇所の抜粋)
<岡崎国際交流・文化観光ゾーン活性化プロジェクト>
(11)「都市公園区域内にある建築物は、都市公園法の建ぺい率等の規制により、施設の増改築の整備にも対応できない状況にある。既存の岡崎公園区域を疎水域や既存施設群、道路区域も含めて拡大し、一体性を持った公園区域とすることで施設間の連携を高め、MICE戦略や国際的な文化交流及び観光の重点拠点とすることを目指し、国際交流・文化観光公園(仮称)として位置づけ、公園内へ岡崎にふさわしい民間活力によるにぎわい施設(飲食(カフェ・レストラン)・ショップ・宿泊等)の誘致をはかる」

 この件について市の担当者に聞くと、「あちこちから問い合わせがありますが、岡崎地域活性化ビジョン(案)中間まとめの“など”には宿泊施設は入っていません」と言う(中間まとめ(14p)には、岡崎グランドのあり方検討として「カフェ・レストラン・ショップなど・・・創出」があり、この“など”について同様の質問が寄せられたようだ)。右記の内閣官房に提出されている京都市の文書を指摘すると、一旦電話を切って、10分後にもう一度返事があった。
「確かに市が提出した文書には入っていますが、検討委員会の中間まとめには、その考え方は検討委員会としては出していません。3月に検討委員会からの提案を受けて、その後、市の方針を決めます」
「それは、検討委員会では“ホテル建設の話”は出ていないということで、昨年9月の『市の提案』は、事実としては生きてますよね。はっきり撤回されたわけではない。『検討委員会では出ていない』『3月に市の方針を決める』、しかし、市の『提案』は事実としては生きている、ということですね」。
岡崎グランドに「カフェ・レストラン・ショップなど」を建設する計画は、「中間まとめ」でしっかりと書かれている。これは、グランド廃止であり、広域避難場所の否定ではないか。9月の『市の提案』文書が撤回されたわけではなく、3月、京都市が「検討委員会」の答申をさらに踏み越えていく可能性も現段階では否定できない。

シンガポールから岡崎へ?

 第一回検討委員会で南氏が触れた京都商工会議所による「MICE先進都市-シンガポール・香港」視察。その報告書(「MICE先進都市視察報告~シンガポール・香港」)はネットで見られるが、読んでみると「岡崎ビジョン」を読み解くのに役立つ。同レポートで「学ぶべき点が多い」と書かれたシンガポールなどの「観光産業」。この特徴をレポートは「国家を挙げた官民一体の取り組み」と指摘し、「民間資本により設立、運営される」国際会議・展示場や、「マリーナ・ベイ・サンズ」(ウォーターフロントで開業したラスベガス・サンズ社による東南アジア初の高級リゾート。最新の会議施設、国際的に名高いレストラン、5つ星ホテル(3社)、カジノ、ショップやエンタテインメント施設などの全てが結集した1つのリゾート地)を紹介している。ちなみに、ラスベガス・サンズ社とは、アメリカやマカオなどでカジノを経営する「カジノ&リゾート運営会社」だ。「京都市基本計画」や「京都市MICE戦略」で、「国際的なネットワークを有するホテルの誘致」が語られているが、もっとはっきりと市民の前に、“構想”の具体像を明らかにすべきだろう。
こうして見てくると「岡崎開発ビジョン」の規模は、“構想”としては非常に大きなものがあり、単に「夜が寂しい」ので明るく賑やかにしようとか、神宮道の「歩行者専用化」とかいう程度のものではないことがよくわかる。それでは、周辺地域も含めて、世界的に知名度の高いホテルなどやってこないだろう。
岡崎地域で新たな装いの「観光産業」が大きな利潤をあげる(ことを想定した)開発とは何か。「ひとごとや思うてたら、ほんまにえらいことなる」、その通りだと思う。

岡崎公園”開発”構想ー「MICE拠点化」は、削ったらどうですか?

2011年03月11日 | 環境
昨日の「岡崎公園」問題の説明会
皆さんの意見がどんどん出されて、なかなかよかったです。
「岡崎公園と疎水を考える会」が主催し
会場一杯の参加者で椅子が足らなくなる程、
全体で35人以上は来られていたと思います。

京都市の担当者は
「市民の心配がなぜ生まれているか」と市民の”心配”を認め
「再開発事業に取り組むか?それは全くされていない」
「ホテルの誘致などもない」「広域避難所も残すことが前提」
「カフェ、レストランなどどんな規模かわかりづらい。検討委員会でも『表現の仕方が悪い』と意見も出た」「ゆっくりする場所がないとアカン。こうゆう意味あいで入っている」「報道で取り上げられると、大きくなる」・・・と少し「報道」のせいにもして
また「岡崎ビジョンは”事業計画”ではない。50年、100年後を見据えた構想だ」
「MICEで引っかかるが、多くの人が海外から来てもらうので、学会などやってもらう拠点を」・・・などと説明した。

「誤解」というけれど、これは無理があるなー

そもそも京都市は、「京都市MICE戦略」で「国際会議、企業研修旅行、イベント等による国際集客都市を目指して」「岡崎地域の活用」を第二の施策に掲げている。
ここで具体的に名前が出るのは、「国立京都国際会館」と「岡崎地域」だけ
門川市長は「「京都市の最重要施策」とし
その重要な手段に「特区」設定
それに関わる京都市の内閣官房への特区提案には
「公園内へ岡崎にふさわしい民間活力によるにぎわい施設(飲食ーカフェ、レストラン、ショップ、宿泊等)の誘致をはかる」とちゃんと書いてある。
だから「公園内にホテル(宿泊施設)を作るのか」と批判の声が出るのは当然で
これは、市長が「しません」と議会で表明し決着はついたが、
それでも「岡崎グランド廃止」を京都新聞が書き
そこにカフェ、レストラン、ショップなど作ると言われれば
地元住民から「そんなもの、いらん!」と批判の声が出るのは当然。

そもそも、岡崎グランドに「ゆっくりする場所がないとアカン」などと言うの
これが「50年、100年レベルの構想」?
夜のにぎわいなどと言われると、ざわざわしたイメージで、これも誤解される
もっと「しっとりした夜の演出」と担当者は説明したが、
「バカみたい」と失笑が起こっていた。
ほんとに、呆れる。

「50年、100年先まで通用する構想にするなら、徹底して岡崎公園や周辺の歴史的施設などの意味にも触れながら、それをどう未来に生かすか」こうゆう観点が必要との声が出されたが、その観点はない。
Mさんから、パリでカフェが生まれてきた歴史が少しだけ紹介され、
カフェは、上階の狭いアパートではお客さんを接待できないので、階下の1階に生まれた
京都に来る外国のお客さんは、「金持ち」ばかりではないでしょう。
一般の市民・お客さんが京都・岡崎の伝統や市民とふれあい、
そんなにお金は落とさなくても、大事なお客さんではないですか?

今回の構想は、とにかく”お金儲け”
MICEプランなどでも「一般観光客よりも消費単価が高い」
ラグジュアリー層(お金持ち)の誘致強化とか
こんなのが目立って、悪口言えば、「あさましい」

岡崎公園や京都会館をどうこうすると考えるなら
このあさましい部分、全部取り払ったらどうですか?

京都の”岡崎公園”問題

2011年03月04日 | 環境
詳細は後日書きますが、
京都では「梅小路公園」問題に続いて、「岡崎公園」が問題になっています。
世界から「一人当たりの消費額が高いといわれる」お金持ちの旅行客を集めてお金儲けをしようという構想(京都MICE)で
そのために広域避難場所である「岡崎グランド」にカフェやレストラン、ショップなどの”にぎわい施設”を作ろう(グランドはつぶそう)とか
京都会館の高さ規制を外して、100億円かけて「世界に誇るオペラハウス」を作ろうとか言っています。
地元でこのことを危惧する「岡崎公園と疎水を考える会」が作られましたが、
以下、京都市を呼んでの「説明会」を開催します。
そのお知らせです。
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地元でお知らせ・・・「皆さんが気にされてる今後の岡崎公園一帯の包括的説明を京都市活性化ビジョンの担当者が来て行います。町内ならびに周辺の環境はどうなるの?と疑問に思われておられる皆様方に幅広く聞いていただきたいので、ご参集の程よろしくお願いたします」

日時 平成23年3月10日 午後6時半
場所 岡崎コミュニティーセンター2階(東大路二条東入ル、一筋目上る市営住宅に隣接した集会所)
呼びかけ 岡崎公園と疏水を考える会


京都・嵐山での星野リゾートの「仮設施設」設置問題で異議申立て

2011年02月04日 | 環境
今日、嵐山の星のや京都(旧嵐峡館)の施設設置問題で
京都市長に対して「異議申立て」を行ってきた。
これは、以前、京都市に対して
「仮設施設」とされる貯湯槽の設置の「許可」問題で情報公開を行ったが
京都市からは、途中経過を示す
”公文書をつくってない”から「非公開」とされたことについての
異議申立て。

この件、首をかしげることが多く、
工事の正式な「変更許可書」は、工事後に出され
”工事変更の経過を知りたい”と質問すると
工事の変更(許可が必要)など途中「経過を記した文書」は、
あったが、個人的な「メモ」なので、
それはすでに「廃棄」
(では、この経過のなかで、全く公文書はなかったの?)
(これでは、市民も行政も、後できちんと”検証”もできないんと違う?)
(景観を大事にするという、京都の景観行政がこれでいいの?)

先日の京都市とのやりとりで、
それでは「変更許可」は文書無しで、何で行ったの?と聞くと
「口頭で行った」

へぇー、口頭でどんどん行政の許可が出るなら、
他の業者も、「星のさんは”口頭で許可した”んだから、うちも『口頭で許可して』」
などと言われないのか、と素朴に思いますし、
この点、疑問が解けません。

文書を全く残していない。
それでは、
「あの時、口頭で許可してくれたやん」、
「いや、そんな事、言ってない」などという話にならないのかな?

まあ、そんなことで
「メモ」って、公文書ではなかったの?
でないなら、許可するにあたって、全く公文書はなかったの?
それでいいの?と問うています。

京都水族館「専門家委員会」委員などへ、48名「要請」の手紙

2011年01月20日 | 環境
昨日、「京都水族館」問題で、オリックス不動産株式会社が任命した「専門家委員会」委員とオリックス不動産株式会社山谷佳之社長へ
下記の「要請」を48人の連名で送付しました。
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京都水族館(仮称)の展示活動等に関する専門家委員会の皆様への要請
                               2011年1月19日
 9月29日(2010年)、オリックス不動産株式会社は、梅小路公園に建設する「京都水族館(仮称)」に関して、「京都水族館(仮称)の展示活動等に関する専門家委員会」を立ち上げました。「“梅小路公園に水族館はいらない”市民ネットワーク」など市民団体は、同委員会の公開と水族館建設工事を一旦中止するよう求めてきましたが、工事は続行されています。私たちは、ここに以下の理由から連名で、「専門家委員会の公開」と「市民説明会の開催」を求めます。また、オリックス不動産株式会社には、「建設工事の一旦停止」を求めます。
理由
オリックス不動産株式会社が委嘱した上記「専門家委員会」の委員長は、9月9日「京都水族館(仮称)と梅小路公園の未来を考える会」が主催したシンポジウム「京都・梅小路公園に水族館?----生物多様性から考える」で、計画されている京都水族館のプールは狭すぎること、「条件としては、プールの設計変更、見直しをすること」「プールの設計変更をするため、いったん工事を止める。そしてオープンに市民の意見も取り入れる」ことの必要性を述べられました。オリックス側がまじめに「京都水族館の展示活動等」の検討を行うつもりであれば、この委員長の求めにしっかりと応える必要があります。しかし、現実は、市民には専門家委員会での議論の状況もわからないまま工事は着々と進んでいます。オリックスが選んだ「専門家委員会」委員長がこうした言明を行っているにもかかわらず、なぜ工事が続行されているのか、大きな疑問を持たざるをえません。こうした経過の中で、少なくとも専門家委員会ではどのような論議が行われてきたのか、そしてなぜ工事が一旦中止されないまま続行されているのか、設計変更の可能性があるかないか、なんらかの「判断」が行われているとすれば、どのような判断が行われているのか明らかにされる必要があると考えます。

要請 私たちは、連名で、以下のことを要請します。
「専門家委員会」は、早急に市民に向けた説明会を開いてください。

連絡先:京都・水と緑をまもる連絡会

西粟倉村を訪ねるツアー

2011年01月16日 | 環境
「京都・森と住まい百年の会」が
3月5日、6日
岡山県の「西粟倉村を訪ねるツアー」を行います。
同村は「百年の森構想」を掲げ、植林された森の管理を続けながら、
地域の未来を様々な工夫で切り開こうとしている村です。

①、個人まかせでは森の管理が進まないので、ここでは「森の管理と木材を販売する権利」を村に委託、販売利益の半分は村に還元する「共有の森」を広げています。
②、実際の仕事は、森林組合がまとめて行う仕組みです。
③、これを応援するファンドを作って、高性能林業機械も購入
④、村では「森の学校」という営業部を立ち上げ、若者を中心に10人ほどで各地へ
西粟倉村材の売り込み、商品開発を活発に行っています。住宅から家具、小物まで・・・
⑤、また株式会社「木薫(もっくん)」工房が立ち上げられ、森林管理や家具製作などを積極的に行い、保育園家具や遊具は関西中心に人気が広がっています。
⑥、村では人口を増やそうと「雇用対策協議会」を立ち上げ、移住者の住居確保など積極的に取り組んでいます。空き家の所有者に村が交渉、借り上げて一定の修繕を行い移住者に貸し出す仕組みです。こうした活動の中で、新たに40名の”新住民”が増えています。
というのが、紹介パンフの趣旨です。

ツアー1日目は、現地での説明を受け、「森の学校」、シニアワー製造所、伐採現場、木工房「ようび」などの見学
2日目は、製材所、百年の森やモデルハウスを見て回ります。

参加費:25000円(50名先着順)
宿泊先:国民宿舎あわくら荘 季節の会席料理・温泉付き(部屋は相部屋です)
現地までバスで行きます。
5日午前8時京都駅八条口バスプール集合ー6日午後7時京都駅で解散
希望者を募っています。



専門家委員会の皆さんへの手紙

2011年01月05日 | 環境
11月17日に”梅小路公園に水族館はいらない”市民ネットなどは、
オリックス不動産株式会社に                
「京都水族館(仮称)の展示活動等」の検討に関わる申入れ文書を送りました。
「専門家委員会の公開と、水族館建設工事の一旦中止」を求めるものです。(文書は当ブログ11月17日参照)
12月7日、その要請文を以下の手紙とともに
「専門家委員会」に皆さんに送付しました。

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専門家委員会の皆様へ

 11月17日、私たち“梅小路公園に水族館はいらない”市民ネットワークは、別紙の「申入書」をオリックス不動産株式会社宛に送付しました。既にご覧になっているかもしれませんがお送りします。
私たちは、これまで「京都水族館」建設に関わって問題提起を行い、「反対」運動に取り組んできました。「水族館」建設については様々な意見がありますが、今回の「水族館」建設はオリックス不動産の土地にではなく、京都市民の財産である梅小路公園での事業です。ここで大きな問題が起こっています。
今回の事業推進に関わって、京都市、ならびにオリックス不動産には、事業について市民の理解を得る上での非常に大きな問題があり、それは今も続いています。
今回、私たちは、オリックス不動産株式会社が、真剣に「京都水族館(仮称)の展示活動等に関する専門家委員会」に展示活動等の検討を求めるのであれば、「工事の一旦停止」は最低限、必要な措置であり、それなしに「専門家委員会」に検討を求めるのは失礼なことと考えます。しかし、ご存知のように工事はずるずると進んでおり、オリックスの無礼は言うまでなく、現状では今回の進め方も、“ごまかし”のようにしか見えなくなっています。
このまま皆さんの「専門家委員会」が、粛々と進むのであれば、これはこれで大きな問題となります。工事はどんどん進む、専門会委員会で議論が進んでも、それは何のための議論でしょうか?今回の経過から言えば、本来は、オリックスの営業上の問題は「専門家委員会」が考慮すべき問題ではありません。本当にオリックスがこのままの施設では不安、専門家の皆さんに知恵を貸してほしいというのであれば、工事を止めなくては「改善」はできません。もし、オリックスがそのことを曖昧にして、経営上の問題を最優先し続けるなら、また皆さん方が、そのことを“考慮”した途端、「専門家委員会」は、いつもの環境アセスメントの「アワスメント委員会」に変質してしまいます。別紙にも引用しましたが、幸島委員長が言われた、現状の京都水族館のプールは狭すぎること、「条件としては、プールの設計変更、見直しをすること」「プールの設計変更をするため、いったん工事を止める。そしてオープンに市民の意見も取り入れる」ことは最低限の真っ当な主張です。オリックスもまじめな立場から「京都水族館」の改善に着手しようとしたら、当然、これを飲まなくてはなりません。私たちはそう考えています。              

2010年12月7日 
“梅小路公園に水族館はいらない”市民ネットワーク 文責:榊原義道          
                                







イルカ原告の裁判ー京都水族館

2010年12月08日 | 環境

京都水族館の工事が進んでいますが、
工事差し止めを求める裁判
こんな案が、先日の法然院の夜の森の教室のあと
出ていましたが、
できないものでしょうかね。
先日の「ネットワーク」の会議でも話題提供しましたが、
オリックス不動産が選任した「専門会委員会」委員長(幸島司郎京大教授)は
現状の京都水族館(仮称)のプールは狭すぎること、
そして、その「設計変更、見直し」が必要なこと
それをするため「いったん工事を止める」ことが必要と主張されています。
幸島委員長はイルカの専門家です。
その「専門家」が、現在のイルカ飼育施設ではダメだと言っています。
ダメな施設でオリックスがイルカを飼うことは
「動物福祉」にも反します。
それが事前にわかっているのに、建設を強行するのは
どうなんでしょうか?
それらを事前に予防する措置を
「イルカ」は裁判を起こせませんから、
人間が替わって「イルカ(原告)裁判」を起こす
”建設差し止めの仮処分申請”って、
できないものでしょうかね。