中山道ひとり歩る記(旧中山道を歩く)

旧中山道に沿って忠実に歩いたつもりです。

・芭蕉の道を歩く
・旧日光街道を歩く

帆柱観世音 慈眼寺(旧中山道を歩く 316)

2012年04月15日 10時24分03秒 | 7.近江(滋賀県)の旧中山道を歩く(285~3


(慈眼寺と薬師如来の石柱)

(守山宿2)
道路左手に「帆柱観世音 慈眼寺」と
横面に「薬師如来」と刻んである石柱があり、
道路奥に慈眼寺が見える。
帆柱観音は住吉山興福院 慈眼寺と言い、
天台宗山門派比叡山正覚寺末寺の無檀家寺である。

興味ある説明によると、
(古来地元 吉見や近在の人々から、
「帆柱観音さん」と親しまれ、広く信仰されてきました。
ご本尊は十一面観世音菩薩立像(秘仏)です。
縁起によれば、伝教大師 最澄が桓武天皇の勅命で、
唐の国に留学、修業しての帰国の途上、
突然の海難に遭遇した危急の際、
海上に観世音菩薩が現れて風波が静まり無事帰国された。
帰国後、伝教大使は海難で折れた船の帆柱で、
十一面観世音菩薩と脇侍の持国天・多聞天像を彫り、
弘仁元年(810)中山道に沿う吉見の地に、
水難をはじめ全ての交通安全の
守り仏として安置されたのが起源とされています。
――以下省略)とある。(慈眼寺)

ここで水難?は野洲川の氾濫と思うが、
吉見町自治会(水とホタルの推進委員会)による説明を要約すると、
(吉見は古くは「吉水郷」といい、
豊かな森林ときれいな「水」に恵まれた景勝地であった。
南側は「都賀山」の森と醴泉(れいせん)が湧く数々の池あり、
ー中略ー本宿と加宿の吉見の間に流れる川は、
野洲川の伏流水と湧き水で水量多く
冷たく清らかで、宿場の防火用水の役目も果たした。
流は早く周囲の環境に恵まれ、
「ゲンジホタル」が生息する川として親しまれててきた。ー後略。)
往時はこのような環境にあったので、当然水難があったと思われる。
町を流れるきれいな小川には、
今も「ホタル」の住む水である表示がしてある。

さて帆柱観音の慈眼寺本堂の脇に地蔵堂があり、
子供をお守りする可愛い地蔵尊が並んでいる。
帆柱観世音は秘仏で拝むことは出来なかったが、
今回の旅の安全を願ってささやかなお願いをしてきた。


(慈眼寺の地蔵堂)


(慈眼寺本堂)