パリ16区にて¥1980(税込み)の、美味しいワインです!南アフリカですが、ボルドータイプに仕上がっており、かなりお奨めです!
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自分は、ファースト・ヴィンテージの1998年を飲みました。リリースされたときに買って、我が家でずっと眠っていたワインなんです。
もうかれこれ、8年も経って、熟成が進んだとはいえ、トップ・ノーズには、若いカベルネ・ソーヴィニオン特有の、鉛筆の芯のような香りが残っています。フルーツ・キャラクターは、カシス、ブラック・ベリーなど。そのなかに、甘草やシナモンなどの、甘いスパイスの香りがあります。また、樽熟成による、特筆すべき杉の香り。しかも、あふれんばかりのというよりは、控えめで上品、しかも内に秘めたしたたかさを感じる、芯の強い香りです。口に含むと、しっかりしたタンニン。そのなかに、甘みや、果実味、酸などが、見事なバランスてんびん座で位置づけられている感じ。その中から、複雑性や、時間的な変化が生まれてくる感じです。
こうして、飲んでみると、このワインに、ロートシルト家が『クラシック』と名付けられた理由が、身に染みてよくわかるんです。とくに、このファースト・ヴィンテージには、そうした気概が込められているようです。ヨーロッパの頑固オヤジの考える、『クラシック』という概念。よく、タンニンは、ワインの骨格を作る、といいます。確かに、このワインを飲むと、タンニン、酸、アルコール、果実味、スパイスなどによって、空間的なディメンジョンを感じます。立体感っていうんでしょうか。この空間的な広がりのなかに、さきほどの、甘みや、果実味、酸といったコンパートメントが、ピタッ、ピタッと配列されているといったイメージ。そして、それらによる均衡の取れたバランス。官能的ではなく、とっても論理的。偶然ではなく、必然的に整えられたバランスなんですよね。これが、すなわち、クラシックなんだと思います。同じような美しさが、ハイドンの交響曲などにもあると思うんですよね。そして、もう一つ思うのは、ワインはブドウから作られたものですが、鉛筆の芯やシナモン、甘草など、およそ、ブドウという果実からでは予想もつかないようなフレーバーを生む、ブドウのポテンシャルと、醸造技術の高さ。こういうのを、ひとことで、エスプリっていうんでしょうね。このエスプリは、ラフィットを作るロートシルト家に、脈々と受け継がれているような気がします。こんなすばらしいワインを作った人々と、こんな複雑な風味を生み出す自然の力に、心から敬意を送りたい、そんなワインでした。